境内アート2011
- By jin
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- On 27 1月 | '2011
劇団との打ち合せが四谷近辺だったのでミーティング終了後、新宿駅西口まで車で送ってもらい、以前からちょっと行ってみたかった中野ブロードウェイへ。中央線沿線は、もともとアニメ制作会社や大学、学校、若者といった マニア向け商品の顧客層が多く、サブカルチャー産業の育成に適した土地ということらしく、漫画専門の古書店「まんだらけ」を中心に、アキバをコンパクトにショッピングモールにまとめあげた感じだった。とは言っても地元商店街とそれなりに共存状態にあって地域密着型のサブカルスポット風でアキバにはない魅力がありそうだ。カイカイキキプロデュースの「Hidari Zingaro」も3Fにテナントとして入ってるようなのだが残念ながらその日はシャッターが下りていた。そのかわりお隣に超マニアックなイケナイお店発見。また行ってみよ〜。
実は役者(子どもたちに見せる芝居の)になろうと本気で考えた時期があった。20代の頃の話だが…。しかしその業界はやはりその業界なりにキビシくも凄みのある世界で、今思うと自分如きの能力の者がうかつに飛び込まないでよかったと思っている。とは言っても芝居は今でもジャンルを問わず好きなので、機会があればなんとなく関わっているのである。
劇団風の子「あしたあえるかな」構成・演出/大澗弘幸…の舞台美術を担当。昨年から公演は始まっているのだが2011年、キャスティングが変わってリスタートしたので千代田区の幼稚園公演を見に上京。この本の作家とは2度目の仕事。子どもの不条理な世界観をついてくるマニアックさが結構好きなのだが、今回はとてもアットホームに心地よく仕上がっているようだ。
そうこうしている間に、おかげさまで境内アートの募集はクラフト部門は昨年のうち早い段階で、アート部門も年末年始をはさんで締め切り前には定員に達し、申し込んでいただいた皆様にはいつもながら感謝です。さて最近アートの社会性(この件についてはいろんな切り口があるが)について考えるさせられる機会が増えてきている。もともと境内アートも“アートバザール”に発展していけばいいなという想いがあった。「アートなんて売れないからさ…」などとスネていないで、自分の生み出すソフトに自信をもって且つアタマを使って経済活動をしてみよう…ということである。アーティストとしても資本主義社会なんだからやはり経済的利益を生み出すことで職業的誇りを保ち得る部分ということはあるだろう。自分のアトリエに引きこもってフェチっぽくモノツクリしていれば、それは作家の至福ではあるけれど、財力があってとっても甘やかしてくれる親族か、ヒトのいいパトロンでもいないかぎり制作は継続しない。特にこの部分の社会的システムが未熟な我が国ではアーティストといえど、この「社会性」の部分に果敢にチャレンジしていく覚悟がなければ作家として生きる術はない。境内アートも今年8年目を迎え、今まで参加者のノリと熱意に大きく支えられての発展ではあったが、いつまでも甘えてばかりもいられない(もちろん実行委員では毎年知恵をしぼって試行錯誤を繰り返してはいる)ので、現在できるささやかな試みではあるが補助金の申請にチャレンジすることにした(アートイベントなのに今までやってなかった方が問題かもしれないが)。実際に受けられるかどうかはもちろん未定だが、申請書というプレゼン資料を制作する行為自体が、自分たちの動きと外の世界を繋ごうとする現実的思考に結びつくのでとてもいいことだと思う。以下に提出した一部ビジュアル資料を掲載しておく。いずれ境内アートサイトでもPDFダウンロード可能な状態にしておきたい。制作に際し事務局・役場・実行委員関係各位皆さま、たいへんご苦労さまでした!
掲載が遅くなってしまったが2011年展覧会スケジュールはほぼ以下の通り。
「版画2人展」/2月10日〜20日/エスパス・ミラボオ(神楽坂)
「Nagano Art File 2011(ドローイング展)」/3月(詳細未定)/FLAT FILE(長野)
「境内アート選抜展」/3月17日〜23日/エスパス・ミラボオ(神楽坂)
「ハッピートゥギャザー(絆)展」/3月31日〜/日本橋三越・銀座三越・伊勢丹同時開催
「境内アート小布施×苗市」/4月16・17/信州小布施玄照寺
「アートに泊まろうプロジェクト」/5月〜/HOTEL JAPAN 志賀(長野県志賀高原)
「九谷ヌーボー招き猫展」/5月25日〜31日/丸善日本橋店
「LABEL match ART」/6月1日〜7日/丸善丸の内オアゾ店
「個展(タイトル未定)」/6月(詳細未定)/FLAT FILE(長野)
「個展(タイトル未定)」/9月(詳細未定)/いろどりや(渋谷)
「軽井沢TOPOS」/10月(詳細未定)/春や(軽井沢町)
少々ご無沙汰してしまった理由は正月早々、己の不徳の致すところ故のプチ手術。あくまでもプチなので通院してなんとかやり過ごしている。これがまた入院とかになれば覚悟が決まってもうオヤスミ〜ってなるんだろうけど実に中途半端である。寝込むほどでもないが、それなりに痛みもあり、かといってもらってある痛み止めの錠剤はできるだけ飲みたくないし…(倦怠感がヒドイのだ)。とにかく動きが緩慢で新年の意気込みも大幅に萎え、当然予定もくるう。ま、ボチボチいきなさいってことなのね。で、それでもこうしてようやくなんとかblogをしるす気分になってきたところ。そういえば年末に読んでた桜庭一樹の「赤×ピンク」。非合法ガールズファイトが題材だがセコンドが「No pain !」て叫ぶけど、格闘の人ってどう痛みを処理してるんだろか。「体の痛みを心の筋肉に変えて…」てコピーはかっこいいけど痛いものはイタイでしょ!ガールズのX遺伝子の機微や格闘技のことはよくわかんないね。
中掃除をボチボチ継続中のなか、8日に大学時代の美術科同窓会(恐縮だが一度も顔を出したことがない…)で講演を依頼されているので準備にかかる。何度か丁重にお断りしたのだが結局引き受けてしまった。どうせたいして上手にしゃべれそうもないので今までかかわってきたアートプロジェクトの画像をプレゼンしながらなんとかやりすごうそうと思っている。パワーポイントというビジネスツールは全く使ったことがないので帰省中の大学生のムスコに制作を依頼した、が、大量の記録画像を整理・リサイズするのにかなり時間がかかりそうで難儀である。ま、それもいずれはやらねばならなかったことなので良い機会と思ってやります。
*講演に先立って会報に寄稿を依頼されたので以下に転記する。
師走に入ってから読み続けていた「LOVE」(古川日出男)。疾走感のある文体であったが諸事情でいつにも増して遅々とページはすすみ、結局年内に図書館には返しそびれた。なんとか読み終えたものの年始開館まで読む本がなくなってしまったので掃除の途中(大掃除…中掃除くらいかな…を今頃やっている)で見つけた「日本の歴史をよみなおす」(網野善彦)を読みなおすことにする。つい最近斬新な歴史観で話題を呼んだ本だったような気がしていたが既に20年も前の初版であった。疾走する速度にはついていけず、最新の歴史観もすでに過去に流れ去るのか…。タイムラグ生活も悪くない。何よりここ数ヶ月我が家にはテレビがない。べつにストイックな生活を目指しているわけではないのだが、おそらく20年モノのブラウン管テレビはすでに光の3原色を映し出さず、地デジ化どころかラジオ化している。それならちょうどよい頃合いと買い替えようとも思ったが、居住地周辺の立ち木たちがその20年間に節操もない成長をとげ、受信に充分な地上波をさえぎり、どうやら僕らは“地デジ難民”ということらしい。どうせエコポイントやらも終わりらしいし、潔くテレビ無し生活を宣言してもいいのだが、どうしてもみたい番組はケータイのワンセグの超ミニ画面でみているあたりがまたイジマシイ。たまたまのぞいた家電量販店で3D大画面のTVなどを目にするとその迫力に感動してしばし足を止めて本気で見てしまう。昭和初期に街頭テレビでプロレスに夢中になったオッサンたちの気持ちがいたいほどよくわかる。そしてまたそんなプチ不便な生活も悪くない。