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N-ART2018
一応高原、浅間山麓ジモティは日中「暑い…」をチカラなく繰り返しているが、全国の酷暑地の方々には申し訳ないくらいの、せいぜいいって30℃前後、とくに寝苦しい夜もなし。ただなまじそんなだから冷房設備のないウチも少なくなし。なので僕も日々正午を過ぎると窓全開の仕事場で上半身裸体、古代エジプト人か裸の大将のようないでたちで絵筆をにぎっている今日この頃。
なぜそうまでして絵筆を走らせてるかというと、今年もやってまいりますMid OBON直前のN-ART。長野の旬のアート事情を紹介して8年目。8/4(土)は長野の真夏の祭事「びんずる祭り」のさなか恒例の“愛をもってアートを斬る”本江教授による辛口ギャラリートークも開催。引き続きオープニングパーティーもありますので、びんずる素見しながらぜひお出かけください。
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第8回 N-ART展 2018 8/3(金)〜8/14(火)ガレリア表参道
8/4(土)14:00〜ギャラリートーク/本江邦夫(美術史家・多摩美術史大学教授)
出展作家◎小山利枝子/ナカムラジン/鈴村優/池田潤/疋田義明
楽しいうつわ展
今年最初の展覧会です。
3月21日(水・祝)〜27(火)日本橋高島屋7F ギャラリー暮らしの工芸(企画・器スタジオTRY)
「楽しいうつわ展」昨年に続き2回目の開催です。もともとアート表現の一つのメディアとして古伊万里・古九谷の圖像世界に着想を得て始めた事です。「なんとなく古伊万里・ビミョーに古九谷」などという奇をてらった(でも実際そんな感じ)キャッチフレーズをつけたこともありました。何より器の表面をこれでもかってほどソレらしき圖像で埋め尽くすのに時間がかかっちゃうし、常時制作してるわけではないのでなかなかたくさんは作れないので年に1、2度の発表となりますが新作印判圖像も増やして頑張りたいと思います。
負荷
柔道家・一条直也なら鉄下駄を、星飛雄馬なら大リーグボール養成ギブスを、悟空が修行するなら10倍重力の界王星で。少年漫画の世界ではいつの時代でもアスリートはありえないような負荷をかけてこそ成長するもの。
僕もアスリートではないけれど仕事中は右手に面相筆を持ち、左手でメス猫の攻撃をかわしながら画業に励む。ちょっとでも気を抜くと集中して運筆している右手の筆先に彼女は的確なフックをくりだしてくるので上手に牽制しながら筆をすすめる。
きっとこれを繰り返していると、猫の乗っていない画布上で僕はいつか神妙の域に達する絵を描けるのでないだろうか…。それにしても伊勢海老に興味津々の小丸(メス猫)。すでに猫をしてホンモノのエビと見紛うばかりの画力に達したか、否エビはそもそも猫にとって有害と聞くからやはり興味は別なところにあるか。
小丸の「しごとばにいれてくれよぅ〜」オーラにまけてついつい扉を開けてしまう僕はしばらくはこの負荷画法を続け、いずれ絵の究極奥義に近づこうと思ふ。
*制作中の作品は目黒雅叙園「猫都の国宝展」at百段階段(3/28〜5/13)出展予定作品・猫派三宝のうち「珍宝・開運縁起物圖」
画家の仕事
最終日前日だったから仕方ないのだけれど公式図録はすでに完売とサイトにあったので、残念だが今回は荷物にならないからまあいいかと思っていたのにミュージアムショップには公式図録以外の生賴範義関連の画集が山積みされており結局2冊も購入してしまった。
僕は正直この画家の仕事はよく知らなかった。もちろん友人の画家・オーライタロー氏の父上であり著名なイラストレーターではあるので、どこかで彼の仕事を原画という機会はなくとも、何かしらのメディアでは見ているんだろうな…とは思っていたが、まさかアレもコレもエー、そんなものもーということで改めて自分の不勉強さを反省。
タロー夫人からは「お腹いっぱいになるよー」と言われていたのだが、まさにそのプロフェッショナルな仕事に感腹(服)。筆一本で生き抜いてきた凄みに感じいった。
仕事のほとんどはクライアントがいる受注仕事なので、当たり前だがテーマや素材・モチーフといったものには当然制限(要望・要請・ときには時間も)があり、それを確かな技術と感性でクリアしていくのが仕事になるわけだが、この仕事形態は中世あたりまでは美術業界では至極普通でイラストレーターだろうが画家だろうが同じ事だ。この手の請負仕事とピュアに内発的衝動のみで生み出された作品においてその表現性には優劣など本来ない。
例えば安土桃山あたりから頭角を現す狩野派などはそのモチーフも制作手法も表現集団として極めて様式化されてはいくが、そのクライアントは信長・秀吉・家康と続く戦国武将たちであるから、ある意味命がけで絵を描いている。「ちょろっとパッションでこんなんできちゃいました〜」なんて信長さんち(安土城)の襖に描いちゃったら首がいくつあっても足らないのだ。命がけで絵を描くのだからそりゃ後世に国宝にもなろう。
近世の幕開けとともにARTは自由を手に入れ始めた。金箔の地に大きな松を描かなくても良くなったし、聖書の一場面を正確に再現しなくても良くなった。自らの感性に寄り添って、光にきらめく睡蓮や情熱的なひまわりを描き始める。でもその自由と引き換えにクライアントを失い、絵を描いたり彫刻を作ったりしながら生き抜く事が簡単なことではなくなったのも事実。
生賴範義の仕事はそんな中で表現者としての一つの生き様を提示してくれている。もちろん一人一人ちがっていいし同じ事はできないが、あれだけの仕事(質・量ともに)を潔く描き残した画家の79年の生涯をこの機会に垣間みれたことは自分にとってはラッキーなことだったかもしれない。
余談だが友人・オーライタロー氏がなんで漢字の「生賴」の表記にしなかったのかちょっとわかった気がした。…あくまでも気がしただけであり、単に漢字が読みにくいということだけかもしれないけれど。
なんとなく古伊万里、びみょーに古九谷。
2o17,11/11(土)〜25(土)open 1:00pm〜7:00pm (会期中・水木休)
会場:路地裏不思議店 irodoriya.
東京都渋谷区円山町14-11 ニューライオンズ渋谷102
TEL/FAX 03-3462-2321
なんとなく古伊万里、びみょーに古九谷。 美術家・ナカムラジンの古典でポップな面白色絵陶磁器。 今回は手描きTシャツ・Neo仏画版画も登場します。
いろどりやまblogy★展示風景載ってます!
KaNAM Challenge Wall 11
KaNAM Challenge Wall 11
NAKAMURA JIN EXHIBITION
2017 10/11(木)〜12/4(月)
一般財団法人 軽井沢ニューアートミュージアム1F(入場無料)
〒389-0102 長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢1151-5
発売記念展
本日7/27(木)〜8/6(日)まで、信州諏訪の銘酒蔵元・宮坂醸造「真澄」蔵元ショップ Cella MASUMI(セラ真澄)松の間にて、真澄アーティストラベル2017発売記念・ナカムラジン展[偶像寓意花鳥圖譜]が始まっております。
諏訪は日本最古の神社の1つといわれるほど古くから存在する全国諏訪神社の総本山・信州一宮「諏訪大社」4社(上社/本宮・前宮 下社/春宮・秋宮)があります。有名な国譲り神話の中で、後のヤマト政権・天津神勢力と唯一激しく抵抗、戦った出雲系の武神・建御名方神が鎮座され、4社ともそれぞれに異なった独特の雰囲気を持っています。また建御名方神が信州に渡る以前の諏訪地方の土着神・ミシャクジ神の信仰には、より原初的なニュアンスも加わり、同じ土地にさらに時代を遡る日本有数の縄文文化の痕跡も感じることができます。とにかく諏訪は原初的で不思議な場所なのです。ちょっと勝手に諏訪観光大使みたいになっちゃいましたが、機会がありましたらパワースポット巡り方々展覧会にもお出かけください。
*MASUMI Artist Label 2017に使用された原画作品は7/29から開催のN-ART展(ガレリア表参道・長野市)に8/5より展示されるため、今回の展示は8/4までとなります。ご了承ください