Jin Nakamura log

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仲夏の句

夏、盛りですね。

「昼頃、高温になるから外出を控えるようにと町内放送がありました。…」とは句会主宰のメール。真夏の戒厳令か〜なんて思ったりして、というわけで僕は当分ココを離れません。

さて久しぶりですがオトナの遊び“句会”より。今回は自句とともに選句も。

自句

庭先に虹を操るジョロの先

毎朝のアカハラという鳥たぶん

夏至夜風酔い醒め温むアスファルト

仁選

「さみだれて魚でありし跡に触る」
いつものことで意味不明・不思議系好きで選んではみたもののどのように想像しようかちょっと棚上げにしてる間に時間が過ぎちゃいました。この場合の季語は「さみだれて」になるのでしょうか?平仮名にしてあるので「五月雨」のイメージではないものを被せたいのかな…、「さ、乱れて」ですか?気持ちの乱れと言えばやはり恋?だとすれば後半がまたわからん。自分のカラダのなかにそんな進化(あるいは前世)の痕跡をお持ちですか?ステキですね。どこに触れたのか知りませんが、たぶん何か記憶があったんでしょうね。…で結局やはりよくわかりませんでした〜。
「頬よせて微熱を移す錫の鉢」
錫は一時期制作の素材として使ってたことあり。柔らかい金属ですね。「錫の鉢」は無機物のはずなのに前半の五・七が妙になまめかしいといのでつい微熱を移したのは想い人だったのかななんて妄想。
「ゆふらゆら夕あぢさゐの青に昡る」
「昡る」はなんて読むのですか?「くる」?モノ知らぬついでに「夕あじさゐ」は夕顔みたいに夕方咲くのでしょうか。その青が眩しいのですね。そのものにくらんだのかそれとも夕日かなんかが反射して眩しかったのか…。ただ見たままそれだけの状況を詠んだのか、なにか意味ありげな感じもしないでもないし…う〜ん、これもよくわからん(わからんなら選ぶな…ってつっこまれそう)
「かへし陽に茅の輪(ちのわ)くぐりて更に生く」
前にTVかなにかで見たことあるような…。神社かお寺でやってる行事でしょ?穢れを祓ってさらに生きるってわけですね。だらだら生きるのも、生き抜こうと覚悟を決めて生きるのも生きることにはかわりはないけど、一瞬この身を借りて舞い降りた魂なれば現世を謳歌したいものですねぇ。
「ひからびた蚯蚓に聞けり明日の風」
最初「蚯蚓」を「蜥蜴」と勘違い。なるほどたしかにミミズはよくひからびてますね。それに明日の風を聞いちゃうわけですか。なかなか特殊な能力をお持ちで。でもさ、そういう感というか、総合判断能力は実はみんな持ってるんじゃないのかな。たぶんカガク的なものでマヒさせらてんですよきっと。

周知の諸兄も多いかと思われますが、信濃追分文化磁場「油や」は7/21におかげさまでGRAND OPENしております。オープン準備等で多忙を極め…などという言い訳も通用しないほどにそろそろ10日も過ぎようとし、いいかげんにblogも更新せねばと、オリンピック男子サッカー1次リーグ最終戦を1時間後にひかえ久々に新規投稿。(この後油やVIPルームパブリックビューイングにて観戦予定)取り急ぎまずは記録しておいた館内photoを公開しておきます。明日からはまたボチボチと書いていきますね。

Opening flier

油やプロジェクト◎7/21(土)グランドオープンが近づいてまいりました。ただいまテナント紹介も含めたフライヤーを制作中。改めてこうして各テナントのコピーやら画像やらをレイアウトしてみると不思議な縁で寄り添ったような気がしてくるのです。

サイト公開

油やプロジェクトサイトが本日公開されました!

aburaya-project.comです。

コンテンツはまだ暫定的な部分ありますが、とりあえず動き出してみよう…というところ。以後CMS(ブログ機能)設置の作業に入るとのことなので更新は若干お待ちを。

ところで妖精ををみたことありますか?…思わぬ展開からそんな本、手にとっちゃった…。

おそらく1週間以内くらいにサイトオープンの兆し。出来るところからですけどね。おかげさまで本館・新館ともすべてのスペースにテナントさん入っていただくことになりました。いずれも信濃追分文化磁場にふさわしいソフトばかりです。お楽しみに!

晩春の句

「少年の花びら集めてなんとする」
たぶん4〜5年前に目撃した光景。少年は中学生で2人仲良く。桜通りの道ばたで大量に舞い落ちた桜の花びらをただただひたすら集めていました。車で通りすがりの5秒くらいの風景だったので、通り過ぎた後目撃した風景と少年たちの秘め事ストーリーを勝手に妄想してしまいました。おネエキャラの二人の少年たちが瞳をキラキラさせながら、「アハハハ…」なんていいながら、花びらにうずもれてみたり、かけあってみたり…なんて。ゴメンネ少年たち…。
「春野ゆく名もなき花などないものを」
大学時代につきあってた女の子が花の名前と星座の名前をとてもよく知っていて、なんかそういうのっていいなーと思っていたのです。自分はどちらかというと花と言えばたとえばヒマワリとチューリップ、星座ならせいぜいオリオン座…なんて類いだったので。でもそれってちょっとさびしいものですよね。フォーク・クルセダーズの名曲「戦争は知らない」の出だしが「♪野に咲く花の名前は知らない、だけど野に咲く花が好き…」で、けっこう好きだったけど、ホントにすきなモノ(ヒトでも)の名前はちゃんと知ってるよねってこの曲を聴くたびに思ったりもしました。
「バス停にナマ足4本春うらら」
これも車での通りすがりの風景。この時は2秒かな、桜舞散るバス停にて一瞬目に入ったミニスカの二人の女の子(なのでナマ足は4本)、春だな〜と思ったわけですよ。ゆるされるでしょ、オッチャンのこのくらいの視線。

仲春の句

今日などはかなり肌寒い一日でしたが、それでも仕事場のまわりは生々しい新緑に包まれてます。
というわけで季節はまさに晩春ですが投稿し忘れてた仲秋の句などを。
「すっぴんのガム噛むキミの春列車」
4月のアタマに京都から兵庫県を山陰本線で抜けて鳥取〜島根(出雲)にと初めて中国地方の日本海側を旅した時の一風景。長野から5回乗り換え、内ローカル線に2回。向かいの席に座り合わせた、たぶんジモティ女子高校生。犯罪ギリリギリな感じの(笑)観察の末つくっちゃた一句。かわいらしさと知性をあわせもって…しかもすっぴんで…って、状況を説明しょうとすればするほどなんかそんとき感じた爽やかさからどんどん遠ざかって、いやらしいオッサンっぽくなるのは何故? 
「春雨の音の届かぬ博物館」
この博物館は東博のことです。特に大きな企画展示ではなく、あえて人気の少ない常設展示の日に訪れてみました。実際にはその日は都内は春の大雪だったんですけど、静かに時間(歴史)が止まったような館内で昔人が今に残したブツをなにげに眺めていると、なんとなくこの世のさまざまな不思議を素直に受け入れい気分になるのでした。
「春光の反射かわして水のなか」
春になると毎年陶製の大きな睡蓮鉢に水を張ってヒメダカを放ちます。ヤツらの動きをみてると飽きないのだけれど光が反射して目にはさやかに見えねども…って感じです。川面でもそうですよね。キラキラ太陽光がまぶしく反射して水の中の世界が見えにくい。それをかわしてなんとなく垣間見える異世界がまたいとをかし…だったりするのです。

ART PROJECT 沙庭

信濃追分文化磁場◎油や[GW緊急企画]ART PROJECT 沙庭 OPENING EXHIBITION 「UNIWA」 5/1(火)〜5/6(日)open 11:30〜close 17:002012夏、軽井沢追分宿に新しい文化発信拠点としてグランドオープンをひかえた信濃追分文化磁場「油や」(旧油屋旅館)に開廊いたしますアートスペース・ART PROJECT 沙庭。今回新緑の季節、ゴールデンウィークにあわせまして特別企画・オープニングエキシビションとしてアートユニット[UNIWA](ゆにわ)をご紹介いたします。是非ご高覧くださいませ。
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[UNIWA](ゆにわ)…「ひとつのわ」2012年、ナカムラジン+玻那によって結成されたアートユニット。協同制作のほかアート性の高いアパレル系オリジナルブランドの立ち上げをめざす。
ナカムラジン◎美術家・グラフィックデザイナー。2004年より禅寺を舞台にしたアートフェス「境内アート」を手がける。2012年からは「油やプロジェクト」アートディレクターとして軽井沢の新しい文化発信拠点の創造をめざす。ART PROJECT 沙庭主宰。アートフェア東京2012参加。個人版元版画シリーズ「平成絵空事百珍」制作中。
玻那◎金沢美術工芸大学時代からのアーティストネームmogを改名。宇宙ねこシリーズの人形制作と平面作品の制作を続けながら、日々人を癒すためマッサージ師としての顔も持つ異色の作家。個展bucato cafe(神戸・2008年から毎年)、「境内アート選抜展2012」えすぱすミラボオ(東京・神楽坂)etc.

早春の句会・転送

「銀座猫春陽(はるひ)想ってあおぐ空」
後で考えてみたらこのシーンの画像写真、自分のブログで公開してました。今流行のフォト俳句みたいなもんです。もうほんとそのまんまです。
「高みから低きへ流る水の春」
雪でも氷でも水は水。冬の寒さの中、いままでかたくなにアスファルトの道にとどまっていた薄白いモノたちが、あたたかくなって浅間山麓の南向きのゆるやかな斜面をただただ重力にそって自分の足もとを、陽射しにキラキラと反射しながら流れ出す様を歩きながら見つめていたら、それが水の春なんだなと思いました。
「春雪と新幹線上のLet it be」
今年東京は4度の本格的な降雪があったとのこと。その内の1日の風景です。そんなこと初めてでしたがその日軽井沢から関東平野に出て結局東京駅まで新幹線の車窓からの風景が一度も途切れることなく白い世界。自分の中でちょっとだけ複雑な想いをもっての上京で、高速で移動する窓の外の白い風景をみながらiPodのイヤフォンから聴こえていたのがLet it be。「あるがままに…」そう言われたような気がして…さ。

ふと思いましたが、あまり解説したくない句ってのもありますねぇ…読んでくれる人は欲求不満でしょうけど。