Archive for category culture

Date: 7月 14th, 2017
Cate: art, culture, event, exhibition

アートと酒の出会い展

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◎アートと酒の出会い展/真澄アーティストラベル5周年記念
日程 2017年7月16日(日)~24日(月)
   10:00~18:00(日・祝・最終日は17:00まで)

出展
小山利枝子(2013)/たかはしびわ(2014)/吉村正美(2015)/近藤英樹(2016)/ナカムラジン(2017)

初日7月16日(日)のイベント
15:30~16:00
オープニングトーク 横山タカ子×宮坂直孝

16:00~17:30
オープニングパーティー

18:30~19:30
信州放送人が読む会:日本酒を楽しみながらの朗読会
出演:生田明子(SBC)・伊東秀一(TSB)

Date: 7月 9th, 2017
Cate: art, book, culture, news

文藝春秋挿画

文藝春秋8月号の目次挿画を担当させていただきました。画角がとても横長なので、お話をいただいたとき、どんな絵にしようかちょっとだけ考えちゃいましたが絵巻物みないで楽しかったです。異なる時間を一つの構図の中に描き込む異時同図法みたいなのも今後はやってみても面白いかもしれません。

タイトルは「海幸講」、この季節にはピッタリです。海の彼方から蛸・龍・伊勢海老・鯛・鰹・宝舟などがやってきます。一方、山からは大きな桃が…。

7/10発売です。よろしかったら書店にてどうぞ。

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Date: 7月 7th, 2017
Cate: art, culture, exhibition, food, Illustration, news

MASUMI Artist Label

ご縁があり、2009年より信州諏訪の銘酒・宮坂醸造「真澄」さんの総合パンフレットの表紙画を描かせていただいます。また2013年より美酒とアートのコラボレーションプロジェクト「MASUMI Artist Label」の企画にも携わる機会もいただき、長野県ゆかりの美術家が地元の銘酒のラベルを飾るという素敵なプロジェクトのお手伝いも続いております。

ということでこの件につきましては基本的に裏方で、まさに橋渡し的な役回りと心得、でもちゃっかり10年目くらいにはチラッと僕も〜登場できたらな…的な感じで密かに目論んではおりましたですが、なんと10周年の前に5周年というのもあるらしく、ひとつの区切りとして“キミやってみなさいと”の成り行きに相成りまして、僭越ではございますが私ナカムラがこの度、ラベルデザインを担当すとことなり…なんて結婚式のスピーチみないな挨拶はさておき、手前ミソ+お手盛り的て恐縮ですがなんかホントいい感じで仕上げていただき、ここにパッケージ写真を公開して感謝申し上げる次第。

+以下に真澄蔵元・宮坂直孝氏のメッセージを添えて紹介いたします。

真澄Artist Labelへの想い◎諏訪で生まれ、諏訪の風土と人に育まれた真澄。この愛すべき故郷をもっと魅力的にしたい。美しい景色、美味しい食べ物、そして楽しい出来事にあふれた街にしたい。非力な田舎酒屋がこんな夢を抱くのが荒唐無稽なのは百も承知。しかし、蒔かない種は花を咲かせません。できることから一つずつ積み重ねて行きたいと、アーティストラベルプロジェクトをスタートさせました。美酒とアートの協奏をお楽しみいただければ幸いです。(真澄蔵元  宮坂直孝)

【MASUMI Artist Label 2017】 価格 ¥2,376(税込)アルコール分13度。軽やかで飲みやすいタイプ。香り高く上品な味わいです。お求め先については真澄ウェブサイトをご覧ください。
真澄アーティストラベルは「真澄」とArt Project 沙庭の共同企画です。

真澄アーティストラベル2017発売記念
ナカムラジン展[偶像寓意花鳥圖譜]
2017,7月27日(木)→ 8月6日(日) open 9:00〜18:00
会場◎蔵元ショップ セラ真澄 [松の間]

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Date: 9月 27th, 2016
Cate: art, culture, event, exhibition

ウルトラ怪獣墓場展

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第一回「追分ビエンナーレ」も好評の内に終了し、ナカムラもいよいよ2016後半、怒濤の展覧会シーズンに突入です。月が変わって10月初旬の「ウルトラ怪獣墓場展」からのシーズンスタート。まずは今注目の“ナカメ”…目黒川界隈に2014年にオープンの企業コラボ型のアートの拠点MDP GALLERYにての開催。

今年ご縁が会って2度目の企画展参加となりますが、今回は今年「ウルトラマン50周年」いうことで円谷プロ公認企画「ウルトラ怪獣墓場展」に参加ということになりました。ま、ウルトラマンの前身ともいうべき「ウルトラQ」以来の世代ですからね、着想を得る拠り所としてはなんの違和感もないわけで、しかも今回はオフォシャルということで、ということはアンダーグラウンドではないということで…だからやり放題(あ、でも一応作品イメージはちゃんと円谷プロ企画会議のフィルターは通っているようです)…ということで、しかも会議資料用に提出した下図原稿が思いもかけずDMイメージに使っていただいたりして誠に光栄の至りなのであります。

今回の展覧会テーマの「ウルトラ怪獣墓場展」は以下(MDP GALLERYサイトより一部引用)のコンセプトで企画されています。
「…ウルトラ怪獣には悪い者もいるけど、そうでない者もいるという多様性は「ウルトラマンシリーズ」が描く重要なテーマと言え、本企画はそれを前提に、ウルトラ怪獣たちへの畏敬の念を込めて、様々なアーティストによるウルトラ怪獣をモチーフとした新作作品を発表展示して頂きます。」

ヒーロもいいけど“ヒール”こそ魅かれるものがあるということですよ。モンスターやエイリアンなのにある意味人間以上に人間らしかったりして…。というわけで、今回僕が構想した偶像は「鎮魂獣Noah」。ウルトラヒーローに倒された怪獣の魂たちが最後にたどり着くとされる宇宙のどこかにある定常的な空間の歪み「怪獣墓場」の守護神とも言えるモノ。形態の基本ベースはバルタン星人としましたが数々の怪獣たちの遺伝子の集合体という設定にしました。そしてやっぱりどこか仏画的。是非実物をご覧ください。そして他の作家の方々のウルトラ怪獣作品もとても楽しみです!

会場:MDP GALLERY 東京都目黒区青葉台1-14-18)&目黒川沿いのSUB会場
期間:10月8日(土)~10月30日(日) *レセプション 10月8日19時~21時(MDP Gallery) *アルカス広場レセプション 17時~19時
時間:11:00~19:00(本展示に限り月曜のみ休廊)
お問い合わせ先:MDPGallery 03-3462-0682
所在地:東京都目黒区青葉台1-14-18 1F
アクセス:東急東横線 中目黒駅正面出口より徒歩8分
URL: http://mdpgallery.com

Date: 10月 21st, 2014
Cate: art, culture, event, exhibition

三原谷の風まつり2014

そうだった…告知し忘れてました。

今回で3回目の出展となります「三原谷の風まつり2014」今週末 10/25+26 会場は豊岡市竹野町三原谷の旧大森小学校。

今回の出展作家は縣考二・藤原次郎・黒田征太郎・渡部裕子…とナカムラです。展示プランとしては建築家の縣氏設計の茶室プロジェクト+書家の渡部氏による立体書とコラボしながら六本木で展示した旬の仏画をレイアウトします。あ、あと茶碗でも参加。

他にも楽しい美味しい企画が毎回満載!関西方面の方(でなくても〜)是非お出かけください!!

*写真は2011年、前回出展時の会場からの風景。不思議で素敵な場所。自分にとってモノをつくる上でもひとつの啓示を得た特別な場所かもしれない…。

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Date: 8月 26th, 2014
Cate: culture, etc., religion

古道

夏のはじめに熊野に行ってきた。

2012年以来この3年間で伊勢神宮、出雲大社、そして今回の熊野三山と日本を代表する三大聖地を巡ったことになる。

日本の信仰宗教を一括りにしてよく「神仏」などと言ったりするがそれらは全く別モノ。偶像崇拝上の整理解釈として本地垂迹説などが唱えられ、ついつい同じフィールド上に乗ったりするからなんとなく親戚筋みたいな感覚があるが、そもそも神道に偶像はそぐわない(仏教ももともとは偶像崇拝禁止であったが)。僕は仏教はとことん人がつくったモノと思っているが神道世界はナニかヒトならぬものの気配の方を強く感じる。もちろんそれを伝えてきたのは人であるが、やはり根底にあるのはその土地の力かな、自然といってもいいでしょう。

掲載した一番上の写真は現在の熊野川沿いに建つ熊野本宮大社の旧社地。明治時代の大洪水で多くの社殿が流されたため現在本宮は500mほど離れた場所に遷座されているのだが、やはり雰囲気やたたずまいは大斎原(おおゆのはら)と呼ばれるもともとのその場所よいかと。なにかしらの場のチカラがあるのかも。これから行かれる方は是非こちらの旧社地へもご参拝を。

さて熊野と言えば古道を歩かねば…ということで、早朝一旦本宮大社前に車を止めバスに乗ること20分(乗客9割ガイジンだった…さすがユネスコ世界遺産)。終点「発心門王子」よりあらためて熊野本宮大社を目指す。紀伊半島に張り巡らされた参詣古道のほんのさわり程度の行程。★一つ、超入門コース。都からの行程のおそらく99%をショートカットして最後のゴールの高揚感だけをズル〜く体感しようとする通称「お姫様コース」7km弱、ゆっくり歩いて3時間に挑んでまいりました。でもわるくないよこのコース、昔のお姫様は侮れませんなー。

三本足の烏に導かれて紀伊半島熊野山系、山なみの風景が信州とは明らかにちがう。たぶん植生が大きく異なるのだろうな。遥か都の方角へは三千峰が延々と続き、ふと振り返るとかつて人々が補陀落渡海(あるいはニライカナイ)を目指した熊野灘が垣間見れる不思議なところ。次回はもう少し歩いてみようかな。

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Date: 7月 5th, 2014
Cate: culture, log

母性とFighiting spirit

仏教の主性は母性である…。先日とあるサロンで善光寺のあるご坊からそんな話しを聞いた。だから仏陀は…無論キリストも結局そのことに気づいてしまったと。生物的には彼らは男性であるので両性具有のイメージがだぶる。なかなか興味深い話しであった。

仏教的母性の最終イメージはやはり如来か。すべてを包み込むようなフクヨカな雰囲気。そこに少しだけセクスィさを加えると菩薩のイメージになろう。一般的に仏教界のヒエラルキーは次の階層に「明王」「天部」…と続くが、そのどちらも前者2階層に比べてイメージはかなりダーティー、いわゆる強面である。それまで愛と母性を前面に押し出し、優しく包みこんでくれてたブッディズムキャラが階層を下るにしたがって変貌してゆくわけだが、ちゃんと理由はある。

まず「明王」は大日如来の命を受け、あるいはそのものの化身として未だ仏教に帰依できない衆生をその恐ろしげなビジュアルイメージで教化させようというわけだ。根底には愛はあるのだろが若干“脅し”が入ってることは否めない…が、全ての煩悩を焼き尽くしてくれる勢いのお不動さんは言うにおよばず、仏教界のキューピッド・愛染明王などはその煩悩さえも即ち「菩提」と説き、いったいどっちなんだい!とツッコミたくはなるが、何れにしても人間、ただただ優しくされたんでは将来ロクもんにはならず、たまにはビシッっと怒られたい…てな欲求もあるようで、案外明王部は人気ものが多い。

天部についてはざっくりと彼らは仏教世界のガーディアンだと理解している。ココロ優しき仏を守護するものたち。例えば薬師如来には12人の守護神がいる。十二神将と呼ばれ、その数の符合から干支とシステム的にタイアップしていてその頭頂部にそれぞれのシンボルの動物さんがあしらわれデザインされている。虎や龍(辰)などは勇猛果敢んでかっこいいけど、うさぎさんやネズミさんの人は守護神としてちょっとなめられんじゃ…とちと心配、よけいなお世話だけど。(でも僕はいずれチョー強そうなウサギさんを共にした摩虎羅大将を描こうと思っている)で、実はこの12人、各々7千の眷属夜叉を率いているので計8万7千という巨大軍ということになっているのだ。調べてみると現代の自衛隊の総人数は一応23万人程度(そんなにいたんだ…)だそうだから、それに比べると少ないが仏教が興ったころのその規模としてはおそらく世界最強だったはずだ。

で、問題はそんな最強部隊をつくっておいていったい彼らはナニと戦うのか? 仮想敵(国)は誰なのか、どこなのか?

その答えとして用意されている相手は「ヒトの煩悩」なのだと。

たとえばこの先自衛隊がナニと戦うことになるか(そうならないであってほしいが)わからないけれど、その優秀な武器で威嚇しても実際に船を沈めても、飛行機やミサイルを撃ち落としたとしても、結局自らの「煩悩」と戦う羽目になることは間違いないと思う。それでたぶんシアワセにはなれない。

2000年も前の人々がどういうつもりでこれらの憤怒の形相のキャラを創造したのか正確なのところはわからないし、現代において時に愛を語る前にある種のファイティングスピリットがなければならない局面もあるだろうとも思う。

そうは思うがやはり「母」は「戦え」とは言わないだろな。

Date: 4月 21st, 2014
Cate: art, culture, event, exhibition, NAGANO, parformance

境内アート2014

10年間地元の方たちと続けてきた「境内アート」。諸事情あり昨年をもって実行委員会を卒業させていただいたが、11年目を迎える今年は境内企画作家ということで参加となった。いろいろな意味で過渡期を迎えてるだろう本企画、志をARTでと出来るかぎりのことを考え、やれる限りのことを実現してきたつもりだが都度自らの限界も感じまた、同時に毎回参加してくれた多くの作家のみなさんとの出会いにも感謝の10年間であったとも思う。

こうした多くのフェスは大概企画当初は参加人数も少なく、当然認知度も低いから集客もままならず始まるものだが、焦らず工夫を怠らず我慢をして続けて行くかぎり必ず成功の糸口は見えてくるものだと思う。事実当初わずか20組ほどの作家に声をかけ、始めた当フェスも近年では150組ほどの出展者を数えるほどに成長した。数字の上では確実に成功に近づいているとは思う。内容的にもART+CRAFT+一箱古本市+ステージパフォーマンス+骨董市などが歴史的禅寺空間と信州の遅い春を彩る桜の森で一同に開かれる2日間はなかなか見応えのある企画といえるだろう。

ただ境内アートに限ったことではないが、こうしたひとつの成功の道筋に沿って進む企画を少し俯瞰して眺めて(特に今年はいわゆる企画サイドではないので)みると案外細々と地味〜にやっていた立ち上げ当初の頃の雰囲気の中にこそ、なにか本当のエッセンスがあったような感じがしないでもない。数字や規模で計れない、もちろん郷愁とかではない忘れてはならない何か。毎回毎年楽しいのだが、そんなお祭り騒ぎの中で少しづつ遠ざかっていった何か。

それを思い出す更なる10年でも良し、行けるとこまで行ってしまえという勢いの10年でもまた良し。何れにしてもそんな混沌を許容する寺空間は今後もそこにあり続ける。失敗はしてもいいけど後悔はしない…そんでいいんじゃないのかね。

で、結局 I’m looking fowerd to KEIDAI-ART 2015 !

*写真ほんの一部だけど自分の分も含めてのせときまっす。

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Date: 4月 15th, 2014
Cate: art, culture, parformance

Tokyo days

標高1000M在住のカラダが寒冷地仕様になってるからな…暑かった〜海抜2.2M。

もう4期もやったしそろそろ卒業かな…って思ってた劇団風の子国際児童演劇研究所の講師、今年もやれとのことで案外どこか優柔不断な部分も持ち合わせる僕は「う、うん」とくぐもった返答をしてしまい、も一回だけ関わらせていただくことになった。まあ「境内アート」といいなんでもかんでも一気に身辺整理をつけすぎるとちとヤバイかもしんないから、なんか一つくらいズルズル引きずるものもあってもいいのかもな。

というわけで29期生入所式出席のため演劇の聖地下北沢へ。

一年半の授業の内、僕が関わるのはほんの一瞬にすぎないのだが、なんかこれ毎回ものすごくエネルギー使うのだ。おそらく受け手にそういうエネルギーがあるからなんだろうな。ちょっとジジくさくなるからそういことはあまり言いたくないんだが、やはり“若い”というのは存在するだけで暴力的で変質的で素敵すぎる(うまく言えんけど)。で、またそうでなくてはいかんよね。で、で、またそうい場所だけに不思議な子たちが全国から集まるのです。“子”といっても概ね20才前後、時に3〜40代、稀に僕より年上(一度だけ)。

そんなうじゃうじゃな集団のなかで僕の役割は美術の授業。最近はとにかくマイブームにただただ付き合ってもらってる。そんときに僕がマジハマってることを一緒にやる。発信する側がまず楽しくないと受け手もきっと楽しくないだろうとの思い込み。

例えば現在のマイブームは「仏教」なので、もし明日授業があればおそらく「今日は仏像を彫ります!」てなことにもなりかねない。それもよいような気もするが…それじゃダメでしょって気もするので、まあ秋口くらいまでじっくり考えます。それはそれでやっぱ楽しいかな。せっかくなので油やに合宿制作なんてどうかしら。とにかくみなさん一年半大変なこともあるかもだけどやりきってもらいたいものです。

Date: 3月 24th, 2014
Cate: art, culture, design

OSSAN-HARAYAMA-2

だれだソレって話しでしょうが、いいんです。いつの世もホンモノがTVなどのメジャーなメディアで羽振りをきかせてる有名人であるとはかぎらない。無名の中にこそびっくりするような能力が隠れていたりするもの。

ま、それはさておき続けます。

図らずもOSSAN-HARAYAMAの展覧会(あ、ちなみに本人は情報によると3年前にちがう世界にいっちゃってるので本展は回顧展です)ポスターに出会った僕は、これはもう来い…言われてるとしか思えなかったので、すかさず会場を確認すると「ギャラリー鬼無里」とある。県外のみなさん鬼無里(きなさ)をご存知か。小説にでも出てきそうな名前であるが、長野県北部裾花川源流、戸隠連峰の西南辺りに位置し長野市側からここを抜けると白馬方面に通づる実際にある地名。飛鳥時代に鬼無里に遷都の計画があったとされる伝承や、鬼無里盆地がかつて湖だったとする伝承、鬼女紅葉伝説などが存在し、実際に伝説にちなむ「東京(ひがしきょう)」「西京(にしきょう)」などの集落がある不思議な場所なのだ。で、会はそこで開かれているという。長野市街から1時間弱はかかろうか…が、まあいい。当日はうっすら春の雪日となったがさすがに道は凍るまいと裾花川沿いR406を長野市から彼の片鱗に会いに西へ進む。

会場は彼がアートディレクションを手がけたクライアントの一つ「いろは堂」。長野のローカルフード「おやき」の専門店に併設されたギャラリーにて。さすがに季節柄積もる気配はないが、そうは言っても断続的に雪は降りつづく山間地。予想した通り観覧者は僕一人ひとり占め。デザイン関係の制作資料は著作権の関係からかその全貌をみるには程遠い展示内容だったが、かれがまだADとして活躍する以前のおそらく30代…すなわち僕が彼の事務所に入り浸っていた頃と同世代…の仕事のいくつかが展示されていて興味深かった。

なかでも信濃三十三番札所巡りを題材にした「同行二人」…そういえばこの本の存在をもう何年も前に知って、手に入れようとしたものの既に絶版…ていうか出版社そのものが倒産していて手に入らなかったソレがそこにあった。昭和の憂鬱を引きずったようなモノトーンの挿画はある種時代的なノスタルジーの流行を垣間見せもするが、なかなかの完成度なり。共著であり文章とまた良く響きあっている。こうして実際に手に取ってみると改めて所有欲が沸きあがり、古書検索すればいいじゃん、と後日ネット検索するとすぐに見つかり、しかも長野市内の古書店に1冊発見。こうして数年前にあきらめていた本があっさり手に入った。しかも今展で初めて目にしたやはり彼の同時代の「野沢の火祭り」を題材にした木版画作品シリーズ1セット15枚を、これもダメもとで古書店のおじさんに聞いてみると「あったかも…」と奥からゴソゴソ取り出してくる…という始末。

不思議なものだ。必要なものは必要なときにちゃんと現れることになってるらしい。

ま、とはいっても今回の時空を超えた邂逅にどのような意味があるのかは未だ不明…だが少なくとも何かしらのココロのざわつきを残して春の雪は解けてゆくような…。

*掲載写真中段は原山氏制作による「同行二人」のおそらく販促用ポスター。

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