Jin Nakamura log

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workshop

劇団風の子国際児童演劇研究所ワークショップ講座、やってまいりました。今期のテーマは「My仏像を作ろう!」です。今回で5期目になる美術の授業ですが、毎回都度僕のマイブームに研究生のみなさんに半ばムリヤリお付き合いいただいてるわけです。

前半はそもそもブツってなんだろう…ということで「超・ざっくり仏像講座」を紙芝居風に約1時間ほど語り倒し、その後二日間にわたってコラージュにて制作。我ながらGOODな企画かな…とは思ったものの、事前の自分の試作段階では妙なプロ意識が弊害となり自分で言い出しといた割りには結構悩んでしまったわけですが、案ずるより産むが易し! なかなかどうして、素敵な仏教美術ががザクザクと。というわけでなんか二日間、みっちり布教活動しちゃった気分なり。

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遊学座

場所を構えてココにくる人たちを見ていて思うには、
artってたとえば妖怪や幽霊やUFOの類いといっしょなんだと。
見えるひとには見える、見えないひとにはみえない…。

絵が描けるとか描けないとか、
うまいとかヘタとか、そういうことじゃないんだよ。

さて、遊学座ワークショップ「エッチングによる銅版画講座」(講師◎吉村正美)今回も楽しゅうございました。

*来週8/31(土)は「リトグラフ版画講座」(講師◎近藤英樹)です。

不思議な世界に出会いたい方は油やにお出かけを。

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九相観

ワークショップの最後にその日僕が買ってきた松井冬子の画集をみんなでみた。

彼女の画集を求めて本屋に入ったのではない、ホンの時間つぶし。だいたい僕は怖がりなので、ああいったネガティヴなビジュアルは苦手なのだ…なのに買ってしまった…。しかも2011年・横浜美術館で開催された展覧会の図録も含めて2冊も。

なんて恐ろしげな絵を描く人だろうと思っていた…はずなのに自然と手がでて不思議と穏やかな気持ちで、その腑分けされた若い女性のカラダも幽霊の図版も、どこか淡々とめくっていったようだ。そしてそれらが仏教の「九相観」に想を得て制作されているものだということも初めて知った。

「九相観」は「九相図」という、死体が朽ちていく経過を九段階にわけてリアルに描いた絵画を観想することで、修行僧の悟りの妨げとなる煩悩を払い、現世の肉体を不浄なもの・無常なものと知るための修行であるのだが、この件に関しては実は例の「明恵 夢を生きる」の中でも触れられていてずっと気になっていたのだ。

人の死体のリアルな図像を見て人間の「欲情を除かしむる」などというチト変態的なイメージトレーニングを行うのはもっぱら男性の僧であったはずなので、僧たちは自分の死に対して観想するのではなく、若く美しい女性の死(九相図のモチーフはそうなっている)に対して観想する。生前の女性が美しければ美しいほど、その後の変化はよりショッキングな印象として刻まれるわけだ。

人のカラダなど所詮タマシイの入れ物と思えれば平然と眺められなくもなさそうだが、きっと何か故あってそのカラダをもらい、この世に生まれ、それを駆使して何かを成さんとする限りは、それを不浄・無常とはなかなか割り切れるものではないな。ヒトに触れれば温かいのだ。

僕はちょっとした理由があって、ハタチくらいからできるだけポジティブな絵を描こうと心がけてきた。その気持ちは今も基本的には変わってないと思っているのだが、自分でも気づかないほどに微妙な変化があるのかもしれないな。考えてみればポジティブだネガティヴだなどという単純な括りでは収まらない想いもあるだろう…が、意外と世界はやっぱりシンプルかもしれない…一周まわればそんなもんだ。

ただそうは言ってもここで僕が今、この作家の絵に出会う一連の結びの理由はあるような気がしないでもない。彼女はもちろん多くの研鑽をつんで絵の上手い人ではあるが、あれらの絵はおそらく技術だけでは描けまい。「描ききる」という強い意思、あるいは「描ける」と信じるココロが備わっているのだと思う。

というわけで僕は件の作家の絵を受け入れるのにかなり時間を要したのだけれど、驚いたことに引かれるだろうなと思ってた研究生諸君は意外とあっさり許容した様子。「オォ〜」「キレイ〜」「カッコィィ〜」みたいな…。へぇ〜そうなんだ…ふうん…。

下北workshop

下北沢っていえばやっぱり昔っから小劇場の求心地ってかんじですねぇ。劇団風の子さんもそんな街の路地奥にさらにむか〜し(戦後の復興期からかな…)からあるわけです。と、そんなこんなで劇団風の子国際児童演劇研究所での2日間のワークショップやってまいりやした。

平均年齢20代前半ですからね、みなさん若いっちゃ若いんだけど、オッチャンのMy boom-collageにしっかりつきあってもらっちゃったわけです。みんなアートを楽しむ超・能力もちゃんと持っててくれたし、期待以上の暴走クンもいたし、とにかく楽しんでもらったみたいでよかった〜。

今期で4回目。相手が変わるわけだから同じ内容でもかまわないんだが、自分が飽きちゃうのね。なので毎回一からアイディアから段取りから考えて準備して…で、結構エネルギ−使う。けどつい、いろいろやってしまうのねぇ、こういう仕事もまあ嫌いじゃないんだろうな。が、やるべきことがあるようなのでたまににしときますが。

にしても、みんなシモネタ好きねぇ…ま、アートはエロスの匂いでいいんだけどさ…。

昨年に続き今年も諏訪湖は全面結氷しお御渡りが確認された。湖を貫くこの氷の亀裂は神様の恋路…ということになっている。遠距離(といっても湖の対岸同士というニュアンスだが)の張り裂けんばかりの想いを氷のせり出しに刻むわけだ。それにしても天でも地でも神様の逢瀬は刹那だな。一年一度、しかも夜空が曇れば涙雨、水がぬるめば渡る能わず…そんなイチャイチャしなくてもちゃんと通じておりますのでしょうかね。ちなみに人間はセックスをして子を生しますが、次元の高い天使界に行きますと、お互いに微笑み合っただけでその件は成立するらしいですよ。ま、人間界でも思春期の頃イケメンくんと目と目が合っちゃっただけで妊娠しちゃったってJKのウワサ話も聞いたこともありますがね(もはやカミの領域です)。

なお現在の諏訪湖は結氷は半分ほどになっており、お御渡りの痕跡もすでにない。それでも広大な湖が白く覆われた様は神秘的なものがある。写真は本日のもの。夕暮れの湖畔では氷の軋む音が鳴り続けていた。

(コレ、神様でなくてもついフラフラっと対岸まで歩いていきたくなっちゃう)

というわけで今回は「酒蔵で本を読むくらもと古本市」in真澄で開催された美篶堂さんの『和装本四つ目綴じ』ワークショップに参加してきました。

美篶(みすず)堂さんは長野・伊那市にある製本屋さんです(といっても普通の製本会社じゃないよ)。以前から一度行ってみたいと思ってたので、しかも僕個人的にも御贔屓の蔵元「真澄」さんでの開催とあって即決で申し込み。とは言っても職人仕事ですからね、A型因子が年々低下していく我が身につとまるか若干の不安をかかえつつも結構イイ感じにできちゃったりして…気に入ったんでコレ仏画帖にしようかな。

VIVA terrasow

美場テラソ本年度最終講座「紙に油絵!?」(講師:いいじまようこ)こんな感じで。先週のお帽子講座に引き続き今回も満員御礼。特に中学生美術部の参加がうれしかったなー。学校で教えてたときはあんまり楽しくなかったんだけどなんでかなー、義務だったんかな…それじゃイカンのだが。ま、というわけで今回もみなさんのあのゼロから生み出す感じ、ああでなくっちゃ!

講師のいいじまさんも直前まで弱音をはいてたわりにはまったく手を抜かない周到すぎる準備をし(そういえば創作態度もそんなだものな)、本番もなんだかんだいって予想通りというか期待以上というかイイ感じの講座になりました。美場の基本コンセプトの一つは「答えのないことをやろう!」だと思ってます。作家はあくまでもそのきっかけをつくるプレゼンができればよいわけで、本人が創造に真摯に取り組んでいれば当然その資質はすでにあって、特に何かを“教えよう”しなくてもよく、あとは参加者がおどろくほど勝手に創造してきます。これは経験でわかってる。そして僕ら企画者やクリエーターはそれに直面してただおどろいたりニヤっとすればいい。で、みんなニコニコしてバイバイまたね。そんなでいいんじゃない。

あ、ちなみに紙に油絵、マジでおもしろい。油絵の講座は1日ではムリ…ていう常識をやぶりました。で、来年度は美場テラソと油やプロジェクトを連動させてみようかと思ってます「美場かるいざわ」復活!ね。

とはいっても実はもう少し前に積雪はあったようだ。あくまでも僕が目視確認したのは今日ということ。でも南斜面だからすぐにとけちゃうんだけどね。明日は美場テラソ「紙に油絵!?」(講師:いいじまようこ)今年度最終講座です(ほぼ定員となってます…2〜3人なら当時参加OKかも)。信濃追分文化磁場「油や」も明日・明後日10/3(土)+4(日)がやはり今年度最終営業日となります。こちらもお見逃し無く!油やの紅葉は散り際の風情も含めて今が見頃。というわけで僕は土曜は小布施、日曜は軽井沢ナリ。

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最新情報:境内アートサイトリニューアルです→keidai-art.com

VIVA

美場テラソ・梅田氏のリトグラフワークショップ。今回はアルミ版使用の本格的なもの。本日県内各地は運動会日和で常連の地元住民さんたちはそっち方面に出払っているらしく参加者6名のほとんど個別指導な感じでかなり濃密な制作ができました。…ので僕もちゃっかり例の沙庭リトプロジェクトの試作など。

それはそうと以下掲載図左上は5年前の僕。小3のLEONクンが描いてくれたもの。右上は今回句会主宰のK女史の作による今の僕。オッサン街道まっしぐらではありますがなかなかどうして思慮深い感じじゃぁありませんか、ねぇ。ちなみに下図は今回個人的にツボにはまった作品。あー作品交換してもらっとけばよかったー!

kids workshop2

ヤツらって…やっぱりヘン。このままオトナになったらすてきなのに。

脇田美術館・夏休み ワークショップ最終日。本濃研太クンお疲れさまでした。諏訪から戻ったのが終了間際、でもなんとか間に合ってよかった〜。

子供A:「1日目いたのになんで今日はやらなかったん?」オッチャンJ:「…なこと言われても…」どうも同類と思われてるらしい。モノつくるの大好き〜という意味ではまったく同レベルだが、オッチャンこれでも一応社会人だしな…いろいろあんのよ。

kids workshop

2010,2011と講師をさせてもらった軽井沢脇田美術館・夏休み ワークショップ 2012~軽井沢につどうキッズ・アーティストたち〜、今回はボランティアスタッフとして顔出し…といってもART PROJECT沙庭をオープンさせなきゃなので午前中のみのお手伝い。今回の講師は沙庭次回9月の企画作家の一人、版画家の吉村正美さんです。版画家なのに講座内容はなぜかモビール…ま、いっか。それにしても子どもってなんで意味もなく走る? ちなみに明日は本濃研太クンのダンボールワーク。AM8:00からの諏訪での取材撮影のあととんぼ返りで午後ちょっこと顔出す予定。