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油やプロジェクト本館1F油や回廊「ART PROJECT 沙庭」では本年度締めくくりの展覧会として10/7〜11/4まで5人のアーティストと1人のリトグラフ刷り師による協動企画「Lithograph-Black & White 5-Artists 2012」を開催します。
リトグラフ刷り師◎梅田明雄(梅田版画工房
イメージサイズ62×73mmのリトグラフ刷版に作家が直接描画し、刷り師が一作づつ丁寧に製版し10部限定の版画作品に仕上げます。画家・イラストレーター・造形作家等それぞれのジャンルで活躍する作家たちの個性的な表現と版画作品の魅力をお楽しみください。
10/13日(土)4:30より
上記参加作家+刷り師の梅田明雄氏によるアーティストトークを交えたギャラリーパーティーを開催いたします。
*パーティーのお料理担当は9月のお食事会でも好評をいただきました参加作家のひとりで料理人でもある玻那さん担当(油や回廊内「追分料理屋・蝙蝠共催)
*当日同じく油や回廊内スタジオトリコさんのご協力により今回のリトグラフ制作の記録映像も公開いたします。
 会場は沙庭+Torico Printmaking Studio同時開催予定。
【当日スケジュール】
4:30より映像を交えたアーティストトーク(30〜40分程度/参加自由・無料)
5:00過ぎよりギャラリーパーティー◎会費:2,000円(お料理+1ドリンク/定員20名程度/ご予約の方のみ)
*お酒はお好みで持ち寄りOK(というか大歓迎!)
*昭和の文豪も泊まった油やは15人まででしたら素泊まりの宿泊も可能です(要予約)。
一泊一部屋お二人以上でご利用の場合:3,150円(一人一部屋使用の場合:5,250円)
*翌日14(日)は秋の追分名物「きのこ祭り」が今年は中止になりましたので油やエントランスに導入された薪ストーブにて、きのこ汁のふるまいも予定しております。秋の軽井沢、おいしいお料理とアート語らいませんか。ご参加お待ちしております。

月山

河出書房新社から出ている単行本の題字「月山」は空海によるものだった。

さてこの物語り、読み始めて頁を一回めくったあたりに「…すなわち月山は月山と呼ばれるゆえんを知ろうとする者にはその本然の姿を見せず、本然の姿を見ようとするものには月山と呼ばれるゆえんを語ろうとしないのです…」といきなりの命題らしき一文。その後はただ淡々と「私」と寺の「じさま」が雪に閉ざされた世界で一冬過ごすおはなし。

文章は野暮ではないがけして粋というわけでもなく、なんかフツーなんだが飽きるということもなく、かといってぐいぐい引き込まれるでもなく…なんだろなーこういうの。ぜったいハリウッドじゃ映画化できないよね(しないだろうけど)。う〜んなんだろなー(2度目)…ほんとフツーすぎるんだけどどことなくエッチな感じさえしたりしてさ、いや別に「私」と「じさま」になんかあったとかいうんじゃないし、あったらこわいし。あ、ちなみに「私」は♂ですからね。なんかイメージ寺尾聰かな、「じさま」は大滝秀治?(ちがうかな…)、寺尾さんと大滝さんがなんかこう…閉ざされた世界で禁断の…って、いやとにかくそういんじゃなくて。

たぶん描かれてる風景がなまやさしくなく美しすぎるんだろな。きっとそう。

temptation

悪魔にタマシイを売ってはいないと思うのだけれど、もしかしたらかるくそんな魔的なモノと友好関係くらいは結んでるかもしれない…と思うフシがなくもない。ルシファーは絶えず不道徳な世界への誘惑を怠らないだろうし、そちらへの道筋がどれだけ甘美なものかをすでに知っている僕らは、容易に現実から浮遊しようとイメージの翼を広げたがる。そしてその能力なら多少はあるみたいだし…でなきゃ絵なんか描かない。

ただ誘惑がそもそも自分の内側からのものなのか、自分が生み出したモノから受ける二次的なものなのか最近その境界が混沌としていてオモシロイ。とは言え調子にのってると霊的な夢想に封じ込まれそうなのでほどほどにしとかないと…。そう思ったら精神もへったくれもない唯、物に凝り固まった冷徹さへのバランスに一気にシフトしてみるのも一興か。

でも両者は結局表裏、バランスの問題ではないのだろな…そんな気もする。

*recently books:「月山」森敦/しぶいでしょ。なんか読まなきゃ…て思ったのよ。西へのとびらは絶えず開いてんだけどやっぱ東北…だいじかも。

施しモノ

最近いろんなホドコシモノをいただく…ていうか、いただいていたことに気づく。それはホントにモノである場合もあるし、示唆のようなものである場合もあるし、そもそもヒトからもらってんのどうかさえもわからないようなモノまで(アリガタゃ〜)。

今回いただいたのはあきらかにブツ、だがもらった相手「北上古盤堂」店主F氏はすでに油や回廊内最奥座敷に十分すぎるほど馴染み、夜な夜な仕事と称しレアモノレコードプレーヤーでドーナツ盤に針を落とし、人ケのない本館奥からくぐもった懐かしい音を響かせ、そんなわけで醸す風情はなにやら怪しく、ま、いってみればどことなく妖怪?…ぽい(ゴメンナサイ)ので、あまりヒトからもらったような気がしなんだけど…。(ちょっとフォローしときますと油や回廊に巣くい参集する輩はたぶん本人が気づくと気づくまいと皆さんそんなです…って自分も入ってっかなーもしかして…)

で、もらったブツはSANTANA・Amigosのusedレコード。もちろんジャケットデザインは横尾忠則。ちなみに元音楽雑誌編集プロデューサーの古盤堂さん、床抜けんじゃないかなってくらい尋常じゃない収蔵群です。で早くも中高年の人気スポットよ。

ボールはトモダチ

翼クンならそう言うところ。

アルミ版はトモダチ!…になれるんだろか…思った以上にやっかいなヤツだった。描画材も限られてるしな(さっそく道具のせい)。で、結局一日じゃできんかった。明日また公開制作の名の下に油や持ち込みだー。しかしなんでこんな絵になったんだろ、ふしぎだ。

描画開始

1日かけて下絵の転写作業。シャーペン握りしめつづけて指痛ってー。この後とき炭やらで描画してくんだけどできんのかいな?目立てされてるから多少のざらつき感があるが、そうは言っても金属版、紙に描くような筆先に馴染む感じがない。方法は2つ、ソレとお友達になるか、強引に克服しちゃうか…今のところとても気負ってるので後者を選択の予定だが、また途中でま、いっかってなって、やっぱトモダチになろーよーって言いだすかも。

中旬メドに描画終了をと作家各位に伝えてあったのにもかかわらず、ゴメンナサイ。私今日からアルミ版に向き合う…といっても本日は下絵制作のみでおわっちゃった。明日以後2日で完成させて月曜には梅田氏に手渡す予定。…しかしあらためてでかいな版面、普通のタブローだったらさほどでもないんだが版画となると描き応えが…ま、がんばりますワ。

Sold!

現在油や回廊ART PROJECT 沙庭で開催中の2人展、たかはしびわクンの作品が渡仏することに!。

当ギャラリー重要機密取扱注意作品として登録済みの「たかはしびわエロぺんシリーズ」の一つ、作品名「はじめてのかなしみ」(2012/アクリル、骨、プラスチックのハート、縫い糸、パンてぃ、サムホール木枠)。コアなファンもいらっしゃるこのシリーズではありあますが諸事情によりふだんはバックヤードの倉庫に秘かに陳列し、どうしてもという要望があるときのみ閲覧可能という状態であったにもかかわらず、現在ジャパンツアー中、友人のジャズギター奏者KyのYann Pittardはめざとく見つけ本国に持って帰ると言い張る。やっぱいいよなーフランス…エロくてアートが国家プロジェクト(すげぇ妄想だけど…)。ま、とにかく売れたってことですよ。ささやかなことかもだけど作品が一つこうして人の手に渡っていくということが作家や企画者にとってどれほど自信と励みなっていくことか。あ、作品は写真中央作者とコレクターにはさまれたアカイぱんてぃ(ちなみに妻とジャスコで購入されたとか…)。

Bon Voyage!

VIVA

美場テラソ・梅田氏のリトグラフワークショップ。今回はアルミ版使用の本格的なもの。本日県内各地は運動会日和で常連の地元住民さんたちはそっち方面に出払っているらしく参加者6名のほとんど個別指導な感じでかなり濃密な制作ができました。…ので僕もちゃっかり例の沙庭リトプロジェクトの試作など。

それはそうと以下掲載図左上は5年前の僕。小3のLEONクンが描いてくれたもの。右上は今回句会主宰のK女史の作による今の僕。オッサン街道まっしぐらではありますがなかなかどうして思慮深い感じじゃぁありませんか、ねぇ。ちなみに下図は今回個人的にツボにはまった作品。あー作品交換してもらっとけばよかったー!

BADLANDS

リトグラフレクチャーの折り、梅田版画工房に流れてたCD、BRUCE SPRINGSTEEN。ジンさんこんなの好きじゃない?ってなんでわかった?実はこのアーティストのメロディだけ覚えている、ある曲の曲名をずっと探していたんだ。GREATEST HITSを2度聴いて見つけた「BADLANDS」。

僕こうみえて3年間の教育公務員経験有り。学校ってもう少しクリエイティブな場所かなって少しだけ期待感もって臨んだんだけどやっぱムリだったな。残念ながらあの社会は管理と統率がないとなかなか前に進んでいかないんだよ。異常だけど600人の生徒の美術のセンセイだったころ毎朝この曲「BADLANDS」を車のCDで聴きながら気合いをいれて学校に通ってた。

USロックはあまり聴かない…がこの曲はけっこう好き。この戦闘モードにスイッチが入る感じが「今日も1日クソガキどもを相手にするぞ!」って気持ちを奮い立たせるために当時の自分には必要だったんだ。いまは懐かしさと軽い高揚感で聴けるけど。

そういえばこのアーティストの母国はいつもいつでもどこかでだれかと戦ってるな。自由と正義の名の下に…そしてアイム No.1。「BADLANDS」はやはり母国のことだろうか。「BORN IN THE U.S.A」もそんな気配。いずれにしてもこの大国の乾いた風の感じ、前世が異邦人の僕にもやはり理解しがたいものがあるんだなきっと。我が国はとにかくしっとりしてるのですよ。

しかしライブのBADLANDSはやっぱええねェ。