TOPOS_花蔵
- By jin
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- On 30 10月 | '2011
つづきまして今回初参加の建築家・縣教室と映像作家・藤原教室の画像です。縣氏は境内アートでもおなじみ、「茶室プロジェクト」にてジュニアとともに参加。今回もエセ茶人ぶりを存分に発揮し、まったりとした空気を竹野に運んでくれました。一方藤原次郎氏はその田園風景が広がる豊岡市竹野町と、フィンランドの伝統的な生活文化が息づくハメーンリンナ・ハウホ地区を撮影した共同制作映像詩『いつもの風景 Takeno-Hauho(タケノ-ハウホ)』がドイツの映画祭『ワールドメディアフェスティバル』で金賞を受賞している…というような実はスゴイ人なんだけれど、とっても気さくなオッチャンで昨年以来仲良くさせてもらってます。西国で生き抜くコツ(オバチャンたちのオモチャになる!)も伝授していただきました。ナルホド〜。
「…日々旅にして旅を栖とす」と記した芭蕉翁ほどではないものの、自分が図らずも生み出してしまったナニガシカのブツを携えてノコノコとあちらこちらに出かけていっては、そこで思いがけずたくさんの人と縁を結ぶこととなり、時にこころ躍り、時にココロ焦がし、また癒し癒され…そんなことを繰り返している。紀行冒頭「月日は百代の過客にして…」は、ことさらどこか遠方に赴くということでなくとも、日々暮らす人生そのものが旅であると説くものと理解しているが、やはり“そこ”に行ってみなければわからないものは確かにある。一見同じような山河でもやはりどこか異なる気配を漂わせ、当然住まう人々はその風景の中に馴染み、旅人として郷に入った当初は自分自身もなにかしらよそよそしいものであるが、3日も現地の空気をすって、そこに染みだす山の水(酒も…)を飲み、土地のものを食い、伝わる言葉を聞き続ければ我が身の何割りかはすでに“そこ”のものに入れかわっているような気さえしてくる不思議。
そんなわけで今年も行ってまいりました、西国巡りの旅。順次報告していきましょうね。*写真は兵庫県豊岡市竹野町桑野本の里山と田園風景+そこに広がる田んぼアートです。
現在兜卒天で修行中といわれる梵名マイトレーヤと言われる菩薩を描いてみた。なぜふいにこの菩薩を描こうかと思ったのか定かでないが、たまたま今日本棚に積まれている1960年代に発表された光瀬龍のSF小説『百億の昼と千億の夜』を萩尾望都が漫画化した1冊を見つけパラ読みしていると、出家したシッタータ(釈迦)が阿修羅王(なぜか少女である)と会うことを決意し、その後「弥勒」による“救い”の真相を確かめるため連れ立ってTOVATSU-Cityの地下へ…というシーンが。結局「弥勒」が何者かというこについては兵庫から戻ってからちゃんと再読してみたい。
というわけで明日から兵庫・豊岡です。なんとなく描いてしまった[bodhisattva-弥勒]は会場の大森小学校に新幹線に乗っていっしょに来ていただきます。来年早々の2人展ではもう少し存在している世界観を明確にして着彩して仕上げたいと思ってます。
まったく芸もなくひねりもないタイトルが示す如く10月は余裕のない日々が続いている。まず2日「アートに泊まろうプロジェクト」志賀高原・ホテルジャパン志賀プレ展示。3日は先に報告した通り中之条ビエンナーレへ。8日:信州諏訪酒造メーカー五蔵主催による「上諏訪街道呑みあるき」に参加(これは日本酒好きにはタマリマセン!ホコ天でもないのに500Mほどの国道にぐい呑みを片手にした酔っぱらいがあふれます)。続いて9・10日:第二回追分ホンモノ市(写真参照)に参加。今年は軽井沢追分宿の歴史遺産・旧脇本陣「油屋」新館と旧館の一部+庭を会場として2回目とは思えぬほどの盛り上がりをみせました。*「油屋再生プロジェクト」についてはコミッティーとして参画することになったので、こちらは追々新規サイト(制作中)等で経過をご報告していく予定です。その間に渋谷円山町irodoriya.さんにて紋様解体新書・うつわ展を開催中。14・15日は会場へ。合間を縫って2012年度脇田美術館キッズワークショップ及び境内アート東京事務所企画会議。で、今週末は兵庫県豊岡竹野町のアートイベント「三原谷の風まつり」参加。現在インスタレーション作品制作中…なんとか間に合うか…。そのあいだに句会に参加することになったので選句・披講などもしてたりして…ホントいろいろでしょ。
二段目右写真(左拡大)が「LOVE LETTER PROJECT」野中克樹氏作品です。ちなみに他の写真を解説しますと…上段左:伊参エリア旧五反田小学校入口のコンクリート基盤/上段右:伊勢崎町エリア旧国鉄貨物をシンメトリーに配置して建てた地元おじさんの作業場/二段目右:伊勢崎町エリア旧廣盛酒造外観風景/二段目中:伊勢崎町エリア左官屋さんちの作業場にあったエセ盆栽とお多福のお面のビミョーなコラボ/三段目左:伊勢崎町エリア旧廣盛酒造内展示スペースアルミ窓枠に太陽光が芝生に反射してできた不思議なヒカリの輪郭/三段目右:伊勢崎町エリア田中木材敷地内に埋まった錆びた缶/下段左:沢渡温泉エリア旧大岩第四分校付近の六角形の鳥小屋内に増殖した植物/下段中:伊勢崎町エリア商店街で見つけた異様に光々しい大黒恵比寿/下段右:伊参エリア伊参スタジオ教室内にいくつも存在した妙に気になる緑色に塗りこめられた瓢箪。という具合です。まだまだ掲載されない興味深い物件が数多あるわけですが、2年後は「勝手にアート認定委員会」を非公式に結成し“これはもはやアート!”認定シールを自主制作して貼ってまわろかなと考えたりしてます。「見立ての美」というわけです。迷惑でしょうか…。
以前画家の友人たかはしびわ氏も出展(作品がエロ過ぎて一部展示室閉鎖という武勇伝を持つ)していた中之条ビエンナーレに。群馬県の山里の温泉郷広域に点在するエリアの内、時間に限りもあったので今回は中心部の伊勢崎町エリア・伊参エリア・沢渡温泉エリアの3ヶ所を巡る。幸い天候にも恵まれ秋深まる山里にその土地ごとに潜在する磁場力と共鳴しようとする作家たちの作品を、時に感心し、時にツッコミを入れ、また時に?マークでノーミソを満たしながら鑑賞したりするわけですが、こうして提供された芸術作品にどれだけの価値あるいは評価が伴われているかはひとまず置いといて、そうした試みにどれだけ“面白み”を感じられる感性と経験が鑑賞者に備わっているかどうかがこのアソビの満足度を左右してしまいますね。で、この“面白み”とはむか〜し古典で習った“をかし”とかあるいは日本料理などで言うところの“うまみ”とかそういった感覚に近いような気がしています。まあ芸事ですから襟を正して研鑽を積んで見えてくる世界もあるわけだろうけれど、ミソ汁のダシみたいに日常的に自然と体(舌)で覚えてしまう機微…だけどそれは世界に誇れるとても豊かな味だったりする…のようなものもあるわけで、アートもそんなミソ汁的日常になればよいな思ったりします。
*当日は200枚以上のアート的風景を撮影してきましたが、あまりに多すぎてどれをピックアップか迷ったあげく、そんなの公式サイトをみればわかることなので参加作家の作品とは無関係な僕の琴線に触れた中之条風景のみをアップすることにしました。ただし中に一点だけ今回の参加作家の作品がまぎれています。さてどれでしょう?