Jin Nakamura log

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reviewーNAKANOJO BIENNALE 2013

10/14ですでに終了している中之条ビエンナーレ、まだちゃんとしたレビューをあげてなかったのでご報告。前回に引き続き今回も油やスタッフとともに視察名目で湯治場宴会を企画、なので今回は四万温泉前泊だい。

それはさておきハイ、さてこの中にアートはいくつ隠れているでしょう…って前回もそんなことしたような…。

答えはゼロ。そういうもので満ちあふれた現場にいくと、ついついなんでもかんでもアートっぽく見えてしまうもんです。事実中之条の人々の幾ばくかはぜったい張り合ってるフシがある。あんなことなら自分でもできそうだと…。以下の写真は比較的無欲に取り組んだ(?)であろうブツであるがやはりそういものの方が面白みはある。ただ写真上中央「不純異種族間交遊之圖」は今もって作意的なものかどうかは不明也。また古い看板モノはその歴史的付加価値が郷愁を誘うが「オリンピックパン」はおそらくIOCの著作権許諾は得てないと思われ、人ごとながら余計なお世話的心配などするものだが、まあ東京オリンピック招致も決まってしまったことだし、何よりあまりにも歴史を感ずるたたずまいは、もうすでにこっちのもんだよね…って説得力でココが本家というほどの風情なので、ま、いっか。

といわけで、ここまで全くレビューになってないので、また少しだけ続く。

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wander TOKYO -6

さて、そもそも上野にきたわけはというと「国宝  興福寺仏頭展」を藝大美術館で拝観すべく。あの鋳銅製のどでかいアタマだけのやつ。過去2度ほど対面しているがまったく飾り気のないそのお顔はホント素朴な印象で、ゆえに仏教世界になんとなくゴージャスな雰囲気を指向するぼくは、ただ黒っぽくおおきいだけのアタマにはそれほど魅かれなかったので、ソレが実はどういう謂れのモノなのかあまり知らなかったのだ。

で、今回初めて知った事実。

1,彼は薬師如来であった!…たしかに興福寺といえば木造の十二神将シリーズは有名なのだが、十二神将といえば言わずと知れた薬師如来の守護神なわけで、もっと言うと12人お一人づつには7000の眷属が付き従っているわけで、すなわち12×7000=84000の大守護軍ということになる。この数字を思うとき、いったい彼らはナニと戦うつもりでいるのやら…と。

2,彼は大仏であった!…あたりまえだがアタマであのスケールである。焼失してしまった胴体部分を想像すれば、完全体のそのお姿は尋常ではない大きさになる。お近くの東大寺の毘盧遮那仏には及ばずともこれは十分「大仏」と呼ばせもらってよいと思う。ちなみに座像であったか立像であったかは今となっては確認できないが仮に立像であったらかなりの身長になるので、これを安置するお堂を建てるだけでも大変なことなので、おそらくは座像であったろうな。

3,彼は500年間忘れさられていた!…被災後再興された本尊の台座の下に安置されたまま500年、みなの記憶から消えていたらしい。発見されたのは昭和に入ってからだとさ。アンビリーバボーですな。

4,彼の左耳は大きく陥没していた!…今回会場では頭部を詳細に立体スキャンしたCG映像が見られるので、よくよく見るとそのいたましい事実がリアルにわかる。おそらく被災の際に建物の大きな梁などが直撃したのだろう。

というわけでぼくは是非この白鳳の貴公子と称される彼の本来のお姿を復元して、現存する十二神将をその周囲に各方向を守護するかたちで配置された風景を見てみたいと思うのだ。

フライヤー

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先にも記した「卯月産月浅間展覧会」フライヤー、こんな感じ。4/6からだが実は急遽8日からの銀座での個展スケジュール受け入れてしまった。いや、一旦はお断りしたんだよ…。でも一晩考えてまあやれってことかなと。

上記とは関係ないのだが、ここ数日アタマの中がトッ散らかってる…というか思考が一つにまとまらないというか…。よくよく考えると大した理由でそうなってるわけでもないのだが理屈でわかっててもダメなときはだめね。傍らのギター手に集めた楽譜を片っ端から熱唱してみると副交感神経が刺激され、うん少しはイイ感じ。しばらく弦に触れてなかっただけなのに指が痛い…でもココチイイ。

あーこれってやっぱ放射能鬱かな、花粉と混ざり合ったさ、最近毎週東京通い。明日も。アートフェア顔出してきます!ってあそこも面白いんだけど空気よくないんだよな〜。産み出すモノとはまた別物の雑念というかさ。…なんか打ち込むコトバも散乱してるような心無しか…いつもこんなかな…。

女時

そいや二天背合圖、こんな感じに仕上がっとります。以前のブログにも書いた通り絵の左右(柱)と中廻し(天地部分)は染織家の岡本直子氏が染めてくれたものだが、彼女、実は本画を見ずにこの橙に染めている。これから来る絵はコレでいいんだと思ったらしい。まったく女性の受信能力には驚かされることが多いな。本来女性の脳はそのように発達してるらしいが逆に男はその能力が劣る代わりに送信能力は高い…オレが、オレが…て感覚かな、よく言えば社会性。さて現代、男性は草食系の皮を被りヒキコモクンのキャラを心地よしと演ずれば、それは数少ないオトコの能力をことごとく放棄したに等しく、唯一女性に勝るのは腕相撲がチト強いということくらいになりさがった…というわけでまったくイイとこ無し。まさに「女時」の時代なり。僕もアーティストで生きようとするならば我が身の中に潜むオンナを磨かねばならない…のかしら、といってもついダンゴムシ拾ってきちゃうしなぁ。

このお軸、17日まで開催の『春を待つ食卓』テーブルウェア展(えすぱすミラボオ)に賛助出品として展示中です。お近くの方は是非。春らしいイイ感じのうつわにも出会えますよ。

そいや先日から始まってます「猫のマッチラベル展」参加中。友人の燐票家・加藤豊氏の貴重なコレクションも同時展示。【ギャラリー猫町・東京谷中】2013年1月10日(木)〜1月20日(日)

僕はマッチラベルデザインは大好きなんだが、マッチそのものは実はあまり好きじゃない。あのイオウの匂いが苦手なのだ。マッチを擦りおわったあとのイオウの匂いが好き…という人もいますね、人それぞれです(温泉はゆるせるんだけどね〜)。多分化学薬品系の匂いは総じてニガテなんだと思う。最近気がついてきたんだが、視覚的なことよりも嗅覚の方が敏感かもしれない。具体的なモノの匂いというよりも雰囲気とかの匂いかな…イイ感じとか、なんかちょっとヘンとか急に感じることあり。ただ空気の匂いは感じても場の雰囲気は読まないことにしているけれど。

現世曼荼羅

ってどんなかなー…ってなんとなく数日前のコメントにひっかかってたんだけど、それってどうもイメージがカオスな方向についいってしまう僕。なんか愛憎人間相関図…みたいな?そう言うの想像してしまうってやっぱ我ながら俗っぽいっていうか修行が足らんていうかなのね。そこいくとProduced by 空海さんの両界曼荼羅などはホント整理されていて美しい。現世でもそんな美しい曼荼羅世界を生きられたらすごいんだろうけど、でもそれってそもそも生きてるってことなんかいな…とも思う。いいじゃないの、不浄、不道徳おおいにけっこう!そして「睡蓮の如き純情」はそんななかにこそあんですよ…きっと。

て、それはさておき。友人の町田哲也 Tetsuya MACHIDA Solo Exhibition-君はピノッキオと芳一の足音を聴く-のBAR / sound & visual event at FLAT FILEへ。ヤツとは13才のころから善光寺に油絵の道具とキャンバスを携えて写生にいったり国宝の池の亀を勝手につかまえては怒られたりした仲なのだ(よくわからんでしょ)。以来お互いヤクザな稼業に勤しみつつイヤというほど長い付き合いになるが今もって彼のテキストのコンテンツは全く意味不明で理解しがたい…のでほとんど読まないことにしてる…が、実はタイトルネーミングだけはけっこう(たまに?)感心している。あの風貌からよくあんな詩人のような感性が…と。ま、意味不明なことにはかわりはないし、僕もまちがっても「コレどういう意味?」なんて聞いたりもしない。ただタイトルくらいの文字量なら読める…ということなのかもので、もしかしたらだけど本文もちゃんと読んだら、ほんともしかしたらだけどけっこう泣かせるようなポエムが秘められているのかもね。いづれにしても意味不明な文章を理解できない読み手の自分の側に、ある種の非があるのではなかろうかという強迫観念を抱かせてしまうような不条理を押し通す妙なチカラ(なんの役に立つのかはわからんが)があるのは認めようか。…とかいろいろ言い放ちつつ、実は当サイトも彼が作ってくれてるのだ。ということでマチダくん、いつもありがとう!(写真は2F・映像とインスタレーション作品)

2人展だったんだろね?…DMをデザインしてるときから「アレ?」って。芸風もちがうしさ、少女と仏画だしな、しいていえば共通点はヒトガタ?…てそれもおおまかすぎるだろ。で、搬入時に今回の相方に聞いてみたところ(いまさらそれもどうかと思ったが)判明した理由は…そうだ企画者がじつはいたんだった。TOPOSディレクターM氏、忘れてた。数年前に場とアート表現をコンセプトに始まったTOPOSプロジェクト。その中のコラボ企画の一つとしてヤツが組んでいたのだが予定していた会場がなくなっちゃって企画は自然消滅。でもせっかくだから別んとこでやる?(この段階から僕らの自主企画)ってなってミラボオ、だったわけです。

てなわけで相も変わらずすべては忘却の彼方へ。でもまあいいんです、きっかけなんてなんでもさ。相方は震災以来再びちゃんと絵を描くことと向き合えそうな気配にたどりついたみたいだし、僕も3ヶ月もかかったけど菩薩を1枚なんとか仕上げることができたわけで。そうやって歩き始めた理由は忘れちゃっても、今歩んでる事実はココにある。過去も未来も無く今がある幸せってあるよね。刹那的って大切なことですよ。

会期中会場に足を運んでいただいた皆さまありがとうございました。先週搬入時かるく放射能鬱を罹患したと持ってましたがやはり調子にのりすぎた飲み疲れによる肝機能低下と判明して(自己判断)よかったです。さてこれからどうしましょう…とりあえず描き始めた弥勒を仕上げ、薪を割り、油やプロジェクトもいよいよ暖気運転終了、沙庭も来期に向けていろいろたくわえないとだし、境内アートもいよいよ10周年に向けて募集開始。そうそう、明日と来週はVIVAテラソも続くのです、とかとかね。お〜だいじょぶか…

bodhisattva 如意 2012/photo:Torico Printmaking Studio/Naoto Kimura

会場風景

搬入+初日+二日目から浅間山麓に戻るや全くの思考・行動不全に陥り、ぼくはコレを都下に滞る超化学物質に起因する放射能欝と命名し、クマのプーさんの如く「ぼくは何もしないをしてるんだよぉ〜」などとはさすがにつぶやかなかったものの、結果無為な二日ほどを過ごすことになった。しかし今思うにそれはこのたびの2人展直前の沙庭ギャラリートークパーティーより一日も欠かさずに続いた無節操な酒びたりの日々に因る単なる飲み疲れだと気づき、以後物忌みよろしく謙虚に肝臓を休め続けている。

というわけでアルコールもカラダからだいぶ抜けてきたところで開催中の展示会場風景などアップ。やっぱイイジマさんの絵はええわぁ〜

tamayura

NAKAMURA Jin+IIJIMA Yoko Exhibition [tamayura]
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10/16(火)〜25(木)11:30~19:00(最終日~17:00)
10月16日(火)は17時からオープニングパーティを開催いたします。
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ナカムラジンは永く内にとどめたBuddhismArtに向き合おうとする。
いいじまようこは一貫して少女たちのその切なき眼差しを描き続ける。
玉響◎連綿と続く時の中でヒトガタはタマシイの一瞬のイレモノ…
そのたまゆらのごとき一瞬に彼らが何を想い何を描くのか。
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えすぱす ミラボオ            
〒162-0825 東京都新宿区神楽坂6-36-1 神楽坂ビル2F
TEL/FAX:03-6228-1884
E-mail:e.mirabeau@gmail.com URL:http://espace-mirabeau.blogspot.com/