Jin Nakamura log

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川の風祭り2014-2

お散歩しにわざわざ7時間かけて行ったわけでもないないので展示風景なども少し…とはいっても今回 iPhoneの写真なのでそれなりですが。

写真上・中段は新作の四天王・持国天さんと広目天さんの線画です。増長天さんもお連れしましたがリーダーの多聞天さんが間に合わずフルメンバーとはならず…と思っていたらお隣の映像作家・藤原次郎さんの展示写真の中に地元の古刹の多聞天さんがしっかり収まっておりましてなんかうまくいった感じで。

田んぼに「風」の文字を地元の人たちと書きました。

写真下段右下奥の白い建物が展示場所の旧大森小学校です。

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川の風祭り2014

行ってまいりました関西ロード。

まずは三原谷・朝のお散歩の風景から。

そろそろ地区住民人口よりも鹿やイノシシ人口の方が増えそうだとのこと…。ぼくもボーっと歩いていたら害獣駆除用の電圧線にひっかかってしまった…けどなぜか感電しなかったな、ジーンズは電流を通さないのか?

ま、いずれにしても美しい風景は3年ぶりでも変わってはいなかった。

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3 years…

2011年の三原谷で展示した弥勒菩薩のスケッチは3年を経て右図着彩本画「Bodhisattva 弥勒」(和紙、アクリルガッシュ、金銀箔/90×60cm)となった。なんとなく仏画を描こうと思って最初に浮かんだビジュアルが弥勒菩薩であった。尋常ではないキャラクター数の仏像界にあってなぜこの人であったのか理由は分からないがとにかくこの顔が浮かんだのだ。その後如意輪観音(のような人)の連作を6点ほどと弥勒の父・修梵摩、 母・梵摩跋提を背中合わせに描いた二天背合圖、迦楼羅王、お不動ちゃん…と、振り返ってみるときちんと本画にしたのはこの3年間でその程度。筆が遅いな…が、まあそれでもよく描いたほうか。

さて豊岡だが、「Bodhisattva 如意」の近作はすでに現地に発送済みだが、多少なりとも新作を…ということで今回もスケッチ風で恐縮だが四天王さんをお連れします…が、がんばったんですけどフルメンバー無理かも…。

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そうだった…告知し忘れてました。

今回で3回目の出展となります「三原谷の風まつり2014」今週末 10/25+26 会場は豊岡市竹野町三原谷の旧大森小学校。

今回の出展作家は縣考二・藤原次郎・黒田征太郎・渡部裕子…とナカムラです。展示プランとしては建築家の縣氏設計の茶室プロジェクト+書家の渡部氏による立体書とコラボしながら六本木で展示した旬の仏画をレイアウトします。あ、あと茶碗でも参加。

他にも楽しい美味しい企画が毎回満載!関西方面の方(でなくても〜)是非お出かけください!!

*写真は2011年、前回出展時の会場からの風景。不思議で素敵な場所。自分にとってモノをつくる上でもひとつの啓示を得た特別な場所かもしれない…。

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偶像崇拝

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Shonandai Project/Shonandai MY Gallery × 南美術
ナカムラジン展「偶像崇拝」
2014,9/10(水)〜9/21(日)12:00〜19:00(最終日17:00まで
*15,16は休廊
Reception 9/10(水)17:00〜

なんかもういつにも増して準備ギリです。やっとサイトアップしてこれから東京です。よろしくお願いします!!!

10年間地元の方たちと続けてきた「境内アート」。諸事情あり昨年をもって実行委員会を卒業させていただいたが、11年目を迎える今年は境内企画作家ということで参加となった。いろいろな意味で過渡期を迎えてるだろう本企画、志をARTでと出来るかぎりのことを考え、やれる限りのことを実現してきたつもりだが都度自らの限界も感じまた、同時に毎回参加してくれた多くの作家のみなさんとの出会いにも感謝の10年間であったとも思う。

こうした多くのフェスは大概企画当初は参加人数も少なく、当然認知度も低いから集客もままならず始まるものだが、焦らず工夫を怠らず我慢をして続けて行くかぎり必ず成功の糸口は見えてくるものだと思う。事実当初わずか20組ほどの作家に声をかけ、始めた当フェスも近年では150組ほどの出展者を数えるほどに成長した。数字の上では確実に成功に近づいているとは思う。内容的にもART+CRAFT+一箱古本市+ステージパフォーマンス+骨董市などが歴史的禅寺空間と信州の遅い春を彩る桜の森で一同に開かれる2日間はなかなか見応えのある企画といえるだろう。

ただ境内アートに限ったことではないが、こうしたひとつの成功の道筋に沿って進む企画を少し俯瞰して眺めて(特に今年はいわゆる企画サイドではないので)みると案外細々と地味〜にやっていた立ち上げ当初の頃の雰囲気の中にこそ、なにか本当のエッセンスがあったような感じがしないでもない。数字や規模で計れない、もちろん郷愁とかではない忘れてはならない何か。毎回毎年楽しいのだが、そんなお祭り騒ぎの中で少しづつ遠ざかっていった何か。

それを思い出す更なる10年でも良し、行けるとこまで行ってしまえという勢いの10年でもまた良し。何れにしてもそんな混沌を許容する寺空間は今後もそこにあり続ける。失敗はしてもいいけど後悔はしない…そんでいいんじゃないのかね。

で、結局 I’m looking fowerd to KEIDAI-ART 2015 !

*写真ほんの一部だけど自分の分も含めてのせときまっす。

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あ”〜知らなかったー、見たかった〜!

エヴァンゲリオンと日本刀展(上野の森美術館)。が…とは言うもののエヴァも日本刀も双方それほどハマってるわけではない。けどなんだろ、このマッチングが妙にそそられる。日本刀の所有欲をもったことは一度もないが、この仕立てのデザインであれば一振り仕事場に飾っておきたいかも。漆塗りの朱とか青鞘なんかいいなー。5色くらい選べたらなんかiPone5cみたいで。東京展は終了してしまい、次回はヨーロッパ巡回展(パリ・マドリード)だと。ウ〜m、ちと遠いな。が、欧州壮行展ということで岡山の林原美術館で急遽開催決定らしい…けどこの辺りこの前行ってきたばかりだし…どしよ。

関連サイトには写真がupされてはいるがやはり現ブツを見てみたい。デザイン自体はアニメーションベースで、写真だけだと一見トイざらス辺りで売ってるおこちゃま向けクリプレっぽく見えなくもないが、あれを日本の卓越した工芸力で仕立てたらそりゃよいわな。ま、日本刀はさておき本来日本の武具…例えば甲冑などは、ホント機能よりもデザイン先行型でしょ。直江兼続の「愛兜」(戦場で愛をアピール)にはじまり黒田長政所用の「銀箔押し一の谷兜」(空気抵抗受けすぎ!)、誰が冠ったかしらんがハマグリ合わせだのウサギ耳だの、あんたら戦う気あんのかい!ってツッコミたいほどのアピール感は、もはや戦場での勝敗基準は親方様の伐折羅度如何な勢いですよ。そりゃスピルバーグもダースベーダーデザインしちゃうわけですよ。命かけて遊んどるもんねー。

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Ido Tea Bowls

たかが○○…、されど○○って感じ好きだよね、この国の人。底に茶溜りがあって、周囲にロクロ目があってお尻に高台。ちょっと歪んで良い感じで貫入など確かに入ってはいますが、なんてことはない素朴なお茶碗ですよ。しかしその直径10cm程度、高さ7〜8cmほどの朝鮮渡来の碗は室町以来の戦国武将を魅了し続けた…らしい。「井戸茶碗」(根津美術館)拝見。

僕は陶芸家ではないけれどなんか一つのメディアとしての器ってのも面白かろうと不純な動機で、たまに土を捏ねて凹んだモノをこしらえては周囲にふざけた文様などコラージュ風に描き巡らして遊んでいるものだから、いわゆる「茶碗」というものに多少の興味はある。周りにも抹茶・煎茶などを嗜む方々もそれなりにいらっしゃるので、折に触れてお茶を立てていただいたりする機会もなくもないのだが、無調法故というかそもそもおぼえる気がないというか都度テキトーな感じで申し訳なく啜っている。まあマナーなんてものはもてなしてくれる相手のことを心から思いはかれる想像力があればフツーにそれが所作となって表現されるのだろうから、そういう気持ちがまだまだ足りないということなのでしょう。

加えて以前僕はそのスジではオーソリティーの茶人でギャラリーオーナーの方から展覧会のオファーをいただいた折、よせばいいのに調子にのって抹茶茶碗(のようなモノ)をいくつか同梱して作品送付したものの、結局それらは検閲にひっかかり会期中ストックヤードから出ることはなく件の茶人からは「ナカムラくんは茶碗なんか作んなくていいんだよ…」と一蹴。一応それ以外のモノが面白いんだからそれで十分…てニュアンスはあったけど、そんな恥もかいている。たしかその折に「ホンモノはこんなんだぜぇ」という雰囲気で彼がその場でささっと立てて出してくれた器も朝鮮の井戸茶碗であったような。

そんな程度なので都合70点ほどのそうそうたる銘品の数々を眺めてみたところで、たしかに良い風情であることは感じるが、こんなものがいっこくらいおウチにあってもよいかなーなどと思うくらいで、そのモノの持つ本当のところの凄みとか価値観はやはり今の僕には不明である。なのでどこをどう見てよいのか分からない僕はしばし館内のソファーに座って鑑賞者を鑑賞してみることとする。

つくづく日本人というのこうした小さきブツが好きだな。あのボリュームにナニが見えるのだろというくらい彼らはその見識というレンズを通してためつすがめつ何モノも逃すまいという勢いで観察している。茶碗ごときで本気でこんな遊びができる民族は他にあるのだろうか。宇宙が小さいということがこんなにも素敵なことなのか…というか物事はすべて相似形であるという本質を日常的に理解しているんじゃないだろうか。

なこともうっすら考えつつ僕はその昔、国一つも動かすような価値をもったとされるブツをただただボーっと眺めている。

…どこか柔らかそうな土の感触。人肌のような色合いの釉。なによりそのカタチ…。

ふと「オッパイみたいだな…」

大井戸はCカップ、小井戸はAAカップ…。あーなんかよくわかんないけど井戸茶碗っていいかも〜。

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神楽月の宴

「神楽月の宴」神林學 ナカムラジン 櫻井三雪

会期2013年11月15日(金)→ 22日(金) 開廊時間11:00→18:00

風来 〒673-0881 兵庫県明石市天文町1-7-9 tel・fax 078-914-5266  定休日:日曜・月曜・祝日

というわけで明日から関西です。

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回を増すごとに盛り上がりを見せている中之条ビエンナーレ。今回もまるで「るるぶ」片手に有名観光地をめぐるような女子旅風景があちこちで見られ、その成功実態を目の当たりにしてきた。もちろん彼女たちの手にあるのは「るるぶ」ではなく観覧パスを購入するとセットでついてくるA5サイズほどの公式ガイドブック、散策するのは祇園界隈の歴史情緒ある路地などではなく、典型的なシャッター通りのうら寂しい商店街や「この先ナニかあんのかい!」ってツッコミたくなるような不安な山道…等々。そして都会からやってくる、ど田舎街にはおよそ似つかわしくない派手なツアーバスからは若い男女が古びた廃校のグランドに次々に吐き出されいく…。

「最近の街起こしの成功事例のテーマはB級グルメと現代アートだって聞いたんだけどホント?」

信越線開通以来急激に没落した旧中山道追分地区の再生を切に願う、我が油やプロジェクトリジチョーのS氏からかような質問をされたことがある。ならばその実態を見に行きましょうか、車で2時間弱だし。ということで今回の温泉付き視察小旅行とあいなったわけだ。リジチョーはもともと金融業界のお勤め人で僕らのようなヤクザな稼業との接点があまりなかったわけだが、なまじ僕らの口車に乗って油や再生プロジェクトに「文化磁場」などという全く数字では計れないようなテーマをくっつけられたおかげで、幸か不幸か最近では帳場仕事の合間に回廊内にはびこるギャラリーに迷い込み、壁に掲げられた不可解な作品の前でたたずむ姿をちょくちょく見かけるようになった気がする。そして僕らのようにアートにすれていないそんな初々しい視点のフィルターをもって、いったいどのような反応を示すの興味深々で、かの成功例を検証してみたく是非にとご同行願った次第だ。

「アートは感じればいいんだよ」てなこと言われてもねぇ…。そんな言いようも少々上から目線で傲慢かもな。もちろん芸事だから鑑賞者も研鑽を積んで見えてくる世界もある、が、それは表現する側にも言えることで、いやプロであるならば当たり前だがそちらの方が重要でちゃんとホンモノであるかどうかが問われるわけだ。「アートは感じればいいんだよ」と本気で言うのなら初めてそういうモノを目の当たりにする人のココロのホンのはしっこでも揺さぶるモノを生み出すのがアーティストでしょ。芸の道はキビシイ。

というわけで僕は今回とっても良いフィルターを傍らにおいて、B級グルメと一緒にされてしまった現代アートなるものを楽しく鑑賞することになる。

で、やっぱりつづく…