reviewーNAKANOJO BIENNALE 2013_2
- By jin
- In art exhibition
- With No Comments
- On 30 10月 | '2013
回を増すごとに盛り上がりを見せている中之条ビエンナーレ。今回もまるで「るるぶ」片手に有名観光地をめぐるような女子旅風景があちこちで見られ、その成功実態を目の当たりにしてきた。もちろん彼女たちの手にあるのは「るるぶ」ではなく観覧パスを購入するとセットでついてくるA5サイズほどの公式ガイドブック、散策するのは祇園界隈の歴史情緒ある路地などではなく、典型的なシャッター通りのうら寂しい商店街や「この先ナニかあんのかい!」ってツッコミたくなるような不安な山道…等々。そして都会からやってくる、ど田舎街にはおよそ似つかわしくない派手なツアーバスからは若い男女が古びた廃校のグランドに次々に吐き出されいく…。
「最近の街起こしの成功事例のテーマはB級グルメと現代アートだって聞いたんだけどホント?」
信越線開通以来急激に没落した旧中山道追分地区の再生を切に願う、我が油やプロジェクトリジチョーのS氏からかような質問をされたことがある。ならばその実態を見に行きましょうか、車で2時間弱だし。ということで今回の温泉付き視察小旅行とあいなったわけだ。リジチョーはもともと金融業界のお勤め人で僕らのようなヤクザな稼業との接点があまりなかったわけだが、なまじ僕らの口車に乗って油や再生プロジェクトに「文化磁場」などという全く数字では計れないようなテーマをくっつけられたおかげで、幸か不幸か最近では帳場仕事の合間に回廊内にはびこるギャラリーに迷い込み、壁に掲げられた不可解な作品の前でたたずむ姿をちょくちょく見かけるようになった気がする。そして僕らのようにアートにすれていないそんな初々しい視点のフィルターをもって、いったいどのような反応を示すの興味深々で、かの成功例を検証してみたく是非にとご同行願った次第だ。
「アートは感じればいいんだよ」てなこと言われてもねぇ…。そんな言いようも少々上から目線で傲慢かもな。もちろん芸事だから鑑賞者も研鑽を積んで見えてくる世界もある、が、それは表現する側にも言えることで、いやプロであるならば当たり前だがそちらの方が重要でちゃんとホンモノであるかどうかが問われるわけだ。「アートは感じればいいんだよ」と本気で言うのなら初めてそういうモノを目の当たりにする人のココロのホンのはしっこでも揺さぶるモノを生み出すのがアーティストでしょ。芸の道はキビシイ。
というわけで僕は今回とっても良いフィルターを傍らにおいて、B級グルメと一緒にされてしまった現代アートなるものを楽しく鑑賞することになる。
で、やっぱりつづく…