影響
- By jin
- In art etc.
- With 2 Comments
- On 2 4月 | '2011
ここにきて今回の震災の及ぼす影響は深刻なボディーブローのように、自分のまわりでも気がつくとじわじわと身の回りにしみ出してくるような気配がある。被災地の壊滅的、直接的なダメージとはまた別物の社会全体を包み込むようななにか…。Michael Ende「はてしない物語」で語られる物語り世界ファンタージエンを崩壊に導く“虚無”をなんとなく連想させる。この作者は「モモ」の中でも架空の病気として、慢性的な空虚感、抑鬱気分、絶望感、感情不安定…という精神的症状を発症する「致死的退屈症」を登場させている。現代社会を押し包む“虚無”や“空虚感”になんとか抗おうとする作者のメッセージがそうした仮想を生むのだろう。発生から3週間。急性期は張りつめた気持ちで走り続けられてもいずれ疲弊は免れず。目に見えない不安感(将来のこととか放射能汚染とか)との持久戦は予想以上にハードなものとなりそうだ。
Endeのお話では、いずれの物語りでも普段あまり社会のお役に立ちそうもない輩が思いがけず事態を打開していくわけだが、僕らにもこうしたポジティブな未来を“妄想”する想像力が問われているのかもしれない。アートという生業が「太ったいじめられっ子」や「家を持たないあまり働かない少女」のかわりになれるかどうか…、でも多分必要。せっかくだからそういう社会にしていきたいと思う。エネルギーの問題も考えながらね。そして希望はあると思うのです。