Jin Nakamura log

ジオラマ

ふとジオラマを作ろう!と思い立ち、鉄道模型フェア開催中の松本パルコへ。思ったほど広くなかった会場は鉄男鉄子さんたちの熱気で満ちあふれていた。僕はこの分野のマニアではなく、ただ風景材料の調達をしたかっただけなのだが、考えてみたらわざわざ松本まで高速を飛ばさなくても、ネット通販を利用すれば済んだことだと後で気がついた。いつもいつも今ひとつ思慮が足りないようだ。
鉄道模型といえば桜庭一樹という名の女流作家が書いた「少女七竃と七人の可愛そうな大人」を思い出す。非凡な美しさをもつ主人公は、決して乗り込む事のできない模型の電車がループし続ける閉じた世界の内側に在り続ける。一方凡庸な少女は読者の共感を誘い、その危うい永遠性に憧れ、嫉妬し、必死に理解しようとする…そんな小説だったような。
ただただ同じ軌道を巡ってるだけなのにね。確かに風景は変わらないが時間は変化する。それでいいのか…。やはり僕はこの分野のマニアではない。
会場の向かいはこちらも別な意味でマニアショップ?VILLAGE/VANGUARD。コミックコーナーでジャケ買い2点「丸尾末広」「花輪和一」どちらもガロ系なの?

TALK SESSION

善光寺大本願にて展覧会の打ち合わせの後、同境内明照殿にての長野「門前町暮らしのすすめ」企画の「ナガオカケンメイ×みかんぐみ長野旅」へ。デザイナーと建築家というそれぞれの立場で”再生”をテーマに注目される仕事を展開する二人の公開トークセッション。スケッチブックを渡し、終日長野を引きずり回す…というところまでは良かったが、引き出しの多いお二人だけに、その後の検証とプレゼンののコーディネートがもう少し工夫されていればよかったか。まあそれにしても企画スタッフのみなさんお疲れさん。主役がそのスジの旬な方々だっただけに、期待も大きかったようで、計ったように各界の知人やらとお久しぶりの再会もあったりして、門前の夜はそれなりに楽しかったです。

制作開始

広島尾道「空間あいまい」での個展日程が正式に3月19日〜4月4日までときまり、今日からツチモノの制作開始。昨年秋の個展/オリーブアイ以来。かなり久しぶりにロクロをひいてみたが何とかなる。もっとももともとそんなに超絶な巧さではないので、テキトーな感じなのだが、その分紋様でしっかり埋め尽くしますのでご容赦を。それよりも問題は年をまたいでほっといた釉薬や化粧土のたぐい。年明けから続いた寒波の影響でポリバケツの中は全て冷たい個体と化し、一日中薪ストーブを焚いて融かす。冬はよけいな作業が多くて困る。

2010境内アート

まだまだ寒い日が続く今日この頃ですが、奥信濃桜満開の頃(4月17・18日)開催の境内アート。今年のフライヤーはこんなです。二王阿形type-A、吽形type-Cそれぞれの金剛製胸当てから阿吽ビームを放つの図。相変わらず濃イイ芸風でスミマセン。アート・クラフト両部門に分けて公募し、規模を拡大してから今年で3年目。すでに予定数80組のクラフト部門は上限に達し、50組のアート部門に若干の受付可能余地があるという事です。まだ間に合いますのでお問い合わせを!引き続き飲食部門も募集中とのことです。
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ガンプラ

長男(若干OTAKU-BOY系+一応パティシエ )が友人からもらったというガンプラを組み立てている。ちなみに彼はエヴァファンだ。僕も世代ではないのでガンダムにはさほど興味無し。ケロロ軍曹にヤツの趣味としてちょくちょく登場してくるので、その筋のマニアはいるんだろうなー程度の理解。が、しかし。スゴイのね、最近のプラモって。まず接着剤を使用しなくても完成できる。僕のガキのころは、商標「セメダイン」の有機溶剤系の香りにクラクラしながら制作したものだが…。セメダインを上手にはみ出さないように使えてこそのプラモ作りな気もするのだけれど。次に可動部分が異様に多いことに驚く。指の第1、2関節以外の関節部は全て可動だ(コチ亀の両津勘吉が作るヤツは全ての指関節まで動くが)。最後に素材。プラモってくらいだから主素材はプラスチックだが一部「合成ゴム」が使用されていて、関節の裏側とかむき出しのチューブなど複雑なマシンぽいリアリティーを醸し出すのにかなり有効だ。考えてみれば60年代の鉄人とかアトムは機能の割りにはシンプルな筐体デザインなので、設定としてはかなり科学技術が発達した時代のモノということになる。特に鉄人の場合レバーが二つしかないリモコン(ファミコンより少ない)の操作で人間的な動きの全ての操縦をまかなうわけだから脅威的といっていい。
それより、可動しなくてもいいから「仏像プラモ」ってないかしら。千手観音1/10スケールとかあったら即買いなんだけど。

Art Restaurant 2010

実は軽井沢ショッピングプラザイースト内フレンチレストラン「HEUREUX」にて食とアートのコラボ企画”ART RESTAURANT 2010″を開催中。1年を4季に分けて展示替えをしていきます。お楽しみに。
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気がつくと「無心」になってる状態がある。例えば焚火をただじっと見つめていたりすると。そんなとき気持ちがカラっぽなのかというと実はそうでもない。何かをきっかけに無意識にアタマの中でとりとめのない思考の連鎖が始まり、ものすごい勢いで連想ゲームが加速度をつけて連なっていく。その間おそらく数秒、ふと我に返り、連なった一番最後尾の話題(別に話し相手がいるわけではないので声を発しない独り言みたいなヤツ)を考えている自分を認識するが、その時点で数秒前の記憶は忘却されていて今何故このような想いに至っているのかが思い出せない。そしてそれはやっかいなことに大概の場合ネガティブ思考だ。それから不用意に落ち込んだダークサイトより己を引き上げるべく、事の発端に遡らんと数秒前の記憶の前世をたどってみたりしている。ボーっとしてるとろくな事がないって話だ。だからモノを考えるときは意識をしっかりもって真剣に考える。気をしっかりをもって悩む…って感じかなー。
さて、今晩はいつになく冷え込みが厳しい。家の前の坂道はつるっつる。
*最近届いた展覧会情報より…
アーティスト・イン・レジデンス山梨 「ASIAN☆GIRLIH」ファン・ユンジュ他
◎三人展/内田鋼一・神林學・安土忠久/うつわ菜の花

あけましておめでとうございます。
以前3年ほど続いたブログはサイトのリニューアルが滞ってる間にすっかりリズムを崩し、途中再奮起の気配を見せたものの、やはり1度つまづいたものはいかんとも修復しがたく、ついにこの2010年を迎えるにいたりました。年が明けたので…とはあまりにもベタな理由ではありますが、きっかけは大事です。年末に友人でKPDの映像作家M氏、僕が不用意にサイトラフ案に入れてしまった”last update 09.12.30″を律儀に解釈し、昨今話題の新型流行ウイルスの抗体を己の体内に生成しつつも、体裁をかように整えてくれた恩にも報いなければと、本日再開を宣言いたします(あー言っちゃたー)。
ま、生活に決まり事というか日課みたいなのがあることは健全な感じもしますしね。前回のときと同様、できるだけポジティヴな目線で書いていきたいものです。では今年もよろしくです!

やねせんreport4

yuyake.jpg谷中に来たらなんと言っても「谷中銀座」でしょう。”貸し原っぱ”から2〜3分ぶらぶらすれば到着。各種メディアにはだいぶ以前から取り上げられているので周知の向きも多いところですが、簡単に説明しますと、JR日暮里駅西口・地下鉄千代田線千駄木駅(道灌山ロ)より徒歩3分のところにある、全長150Mほどのいわゆる商店街です。すでにメディア慣れしているような、肉屋・惣菜屋さんなどは取材記事を店頭に掲げ、名物を求めて長蛇の列はいつもの景色。もちろん並ぶの大嫌いな僕は素通りです。個人的には朝のうちに売り切れてしまう豆腐屋の豆乳がおすすめかな。写真は商店街の東(日暮里駅側)の入口「夕焼けだんだん」から望む谷中銀座。近くには富士見坂があり、ビルが建ち並ぶ以前は絶好の霊峰ビューポイントだったのです。

やねせんreport3

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霊園を突っ切る桜並木に囲まれたメインストリートを中央付近まで来た辺り、左手に五重塔跡地とある。ちょっとした広場になってるので花見のベストスポットか。そのまままっすぐ芸大方面へ進んでもいいのだが、面白そうな路地の匂いを嗅ぎ分けながら、なぜか墓地の中にある交番の角を右に折れてみよう。この日は突き当たりを右に曲がってみる。正解! ちょっと歩くと右手の空き地で何かやってる。あとでわかったが空き地は”貸し原っぱ”で「音地祭り」と称して、小さな古本市のような事だったようだ。同時多発的に界隈で「一坪古本市」が開催されているらしい。ここでは他に手作りのパンやら、店主のいない骨董屋やら、そもそもナニ屋かわからぬものまで、小さなスペースながら充実した出店ぶりであった。なにより”貸し原っぱ”というのがいい。”貸しギャラリー”は聞いた事はあるが…。そっか、別に屋根なくてもいいんだ…と妙に腑に落ちて納得。
写真は、ナニ屋かわからぬ系のおネエさんから購入した、ケシゴムハンコ「おんなずもう」。自作の”紙相撲”セットを風に飛ばされぬようセロテープで止めてセッティングしてある傍らで、地味にケシゴム彫ってる姿に惹かれた。実は「ポン豆ヤ」という屋号もちゃんとある。来年の境内アートに誘ってみた、来てくれるといいな。も一つ古本屋のおっちゃんから、つげ義春「旅日記」千円を五百円に値切って購入。年代モノの文庫本でカラーページを含む図版ページが多く、ちょっとエッチな夢日記もなかなか良し。