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山麓帰郷

2日で戻るつもりがやはりムリか…結局3日間留守にして山麓に戻る。いつものことだが標高にして1000M近い移動は気温差ありすぎ!特に7日の都内はこの季節にしては異常なぬるさでありT-シャツでも過ごせそうな(事実皮下脂肪の多そうな人はそうしていた)陽気で季節感絶対オカシイ。それでも山麓はきっちりと寒く、秋の深まりは確実。さてミラボオ1周年記念展に急遽組み込まれた3日間だけの特別展、初日たくさんの方々にお見えいただき感謝です。3月までには課題も山積みですがなんとかしなきゃね。

さて[recently books]をこのところアップしてこなかったのでここでまとめて。これは自分のために記録を残してます。読んだ本のタイトルを忘れちゃう)「薬指の標本」小川洋子/「伏 贋作・里見八犬伝」桜庭一樹/「裏閻魔」中村ふみ/「男女(オスメス)の怪」養老猛+阿川佐和子/「人形作家」四谷シモン/「私と直感と宇宙人」横尾忠則/「百億の昼と千億の夜」光瀬龍/「百寺巡礼・奈良編」五木寛之/「仏教が好き!」河合隼雄+中沢新一…こんなところかな、やっぱりなんか忘れちゃってるのもあるような気がする。ま、そういう本はあまり身になってないんでしょうね。そんな中で気になる1冊は「仏教が好き!」河合隼雄+中沢新一。図書館読書週間企画10冊まで貸出しOK!ということでつい手に取ったもの。タイトルが軽い(装丁も、しりあがり寿でさらに軽い)のでホントに軽い仏教ブームに乗った啓発本みたいなのかなと思ってたらさにあらず。それなりに平易な雰囲気に編集されているようなのだがなにせ二人の智の巨人の対話集。宗教学・心理学の聞き慣れない専門用語がバシバシ飛び出し(なので注釈の量がハンパじゃない)僕のような凡夫にはちょっとキツい側面もアリ…なんだが、かれらが大まじめに語れば語るほどまたどこかユーモラスで(たぶんとても発想がユニークなんだと思う)ムツカシイんだけど引き込まれる。下ネタで恐縮ですが「釈尊と弟子のセックス問答集」の項目は笑える…というか古代インド人のそっち系の妄想力には唖然とします。仏陀も冷静に対応していたようですが本音は「おまえらエエカゲンニセェヨ!」ってことでしょう。とにかく今週のオススメ(来週があるかはわかりません)です。

特別展示 「三人展」◎神林 學・ナカムラジン・生井 巖 2011年11月8日(火)~11月10日(木)えすぱすミラボオ(神楽坂)が開催します。来年出展が決まったアートフェアのシュミレーション展示という位置づけです。もちろん一般公開もしますので3日間で短期間ではありますがタイミングが合いましたらお出かけください。GAKU氏とは何度かご一緒させてもらってますが日本画家・生井氏とは今回が初めてのコラボとなります。尊敬する作家の一人でもありますので貴重な経験となるでしょう。といっても時間の限られた中でのシュミレーション展なので僕は50号サイズのデジタルプリント2点(bodhisattvaシリーズの一応新作ではあります)は持っていく予定。+明日11/5は隔月恒例の美場テラソ・アーティストワークショップです。今回は近藤英樹氏によるリトグラフ講座/以下講師からの内容紹介/リトグラフは絵を描くことにより版をつくるユニークな版画技法です。油性の描画材で絵を描くと版にすることができます。ただ絵を描くのはペンや筆だけとは限りません。今回のワークショップでは植物そのものを使って描き、版を作って頂こうと思います。まず身近な植物を採集しに行くことからはじめ、その植物を版に転写することでリトグラフを体験していただきます。紙には色を使って刷っていこうと思っています。浮かび上がる植物の形は普段気付かなかった景色を見せてくれるかもしれません。/当日参加も若干可能かと思われます。興味のある方は是非!

TOPOS_花蔵

西国紀行の途中ですが、ここで一旦長野の話題を。多忙を極めた(現在も進行中であるが)10月の締めくくりとしてTOPOS花蔵が本日から(11/6まで)開催。木村仁+たかはしびわ+吉村正美+ナカムラジン/企画プロデュース・町田哲也FLAT FILE_TOPOSも同時開催中。なかなか個性的な面々がそろいました。TOPOSとは“場所”の意。古来北信濃の信仰の聖地定額山善光寺界隈での企画展にちなみ、西国紀行(写真)でもご紹介した[bodhisattva-如意]のドローイングを。脇侍に「海幸講」と「観月紀」といった構成。お近くの方は是非。

“ランナーズハイ”ならぬ“トラベラーズハイ”のまま日常への順応作業をすすめている。さてそんな中、今日からすこしづつ旅の報告をしていきますね。まずは今年の展示風景から。昨年の「旅するハコ」から一転して「田んぼアート」を借景に二人の菩薩に対峙してもらって静かな空間になってます…かね…。

以前画家の友人たかはしびわ氏も出展(作品がエロ過ぎて一部展示室閉鎖という武勇伝を持つ)していた中之条ビエンナーレに。群馬県の山里の温泉郷広域に点在するエリアの内、時間に限りもあったので今回は中心部の伊勢崎町エリア・伊参エリア・沢渡温泉エリアの3ヶ所を巡る。幸い天候にも恵まれ秋深まる山里にその土地ごとに潜在する磁場力と共鳴しようとする作家たちの作品を、時に感心し、時にツッコミを入れ、また時に?マークでノーミソを満たしながら鑑賞したりするわけですが、こうして提供された芸術作品にどれだけの価値あるいは評価が伴われているかはひとまず置いといて、そうした試みにどれだけ“面白み”を感じられる感性と経験が鑑賞者に備わっているかどうかがこのアソビの満足度を左右してしまいますね。で、この“面白み”とはむか〜し古典で習った“をかし”とかあるいは日本料理などで言うところの“うまみ”とかそういった感覚に近いような気がしています。まあ芸事ですから襟を正して研鑽を積んで見えてくる世界もあるわけだろうけれど、ミソ汁のダシみたいに日常的に自然と体(舌)で覚えてしまう機微…だけどそれは世界に誇れるとても豊かな味だったりする…のようなものもあるわけで、アートもそんなミソ汁的日常になればよいな思ったりします。

*当日は200枚以上のアート的風景を撮影してきましたが、あまりに多すぎてどれをピックアップか迷ったあげく、そんなの公式サイトをみればわかることなので参加作家の作品とは無関係な僕の琴線に触れた中之条風景のみをアップすることにしました。ただし中に一点だけ今回の参加作家の作品がまぎれています。さてどれでしょう?

irodoriya.

10/1(土)〜10/23(日)渋谷のirodoriya.さんで器の個展です。変質的に(?)描き込んでいるため、なかなかたくさん作れず、特定のお店に常設ができないでいます。いまのところこうした企画展のみが器の作品発表の限られた場となっておりますので、この機会によろしかったらお出かけください。15日には顔を出そうかなと…。よろしくです。それにしても正月でもないのにめでたそうなDMでしょ…ま、自分でデザインしたんですけどね。

奉納

神楽坂「長月十五夜観月会」無事に会期納まりました。期間中参会いただいたみなさまには心より御礼申し上げます。またわざわざ足を運んでいただいたのにもかかわらず、作家の都合不在でお会いできなかった方々には大変申し訳なく思っております。最終日作家友人(に、させてもらってます)日本画家・生井巌氏尺八による観月会奉納演奏のもようを画像アップしまして納めのご報告とさせていただきます。ちなみに氏は画家でなかったら虚無僧になりかたかったそうです。病気治療(呼吸法)のため始めたとのことでしたが、なかなかの腕前でやはり和楽器というものはよいものです。ちなみに_2,ギャラリー前の赤城神社参道は秋祭りでしょうかご覧のような賑わいでこちらも威勢のよい神輿が奉納され最終日に華をそえられた感じで(勝手にそう思って…)うれしいかぎり。ちなみに_3,事情により急遽個展というかたちになりました「長月十五夜観月会」ですが、来年もこの会自体は恒例として開催作家が“友だちの輪”的に引き継がれることとなりました。ということで2012年秋は友人の彫刻家・神林學氏がやってくれるとも!!

月すむ空にあくがるる

今年の中秋の名月は六年ぶりに満月となったそうな。件の「長月十五夜観月会」開催中。祭壇はこんな感じ。団子はメレンゲ、御神酒は月兎の和製マッコリ+清酒「神楽坂」。四方神は九谷ヌーヴォーの招き猫で、ススキと吾亦紅は琉球泡盛久米仙の一升瓶に。いつしか升のお賽銭箱が勝手にととのえられ、さてさて善男善女何を月に願うのか…こころの果てを知るよしもがな。

*急遽開催となりましたオープニングパーティー、足を運んでいただいたみなさまありがとうございました。いつも素敵なお料理をOkumuraさんありがとう!

*recently reading:「伏」桜庭一樹/「復元・幻の大寺院〜新薬師寺の謎に挑む」NHK出版(いずれも図書館)「東京奇譚」村上春樹(再読)

観月会

6月にオアゾ丸善で開催したマッチラベルアートとのコラボ展の抜粋展で予定していた展覧会でしたが、相方の燐票蒐集家・K氏体調不良により急遽僕の版画作品のみの個展というカタチになりました。作品に“月”をレイアウトされたものが多かったのと、たまたま時は9月中秋…ということでタイトルは「長月十五夜観月会」(「かんげつえ」と読みます)です。愛でたさや春の桜に秋の月…。初日9/8夕方からささやかなお月見会(opening party/月見団子はたぶんマシュマロ?)開きます。よろしかったらお月見方々お出かけください。

2011年9月8日(木)~9月17日(土)えすぱす ミラボオ  〒162-0825 東京都新宿区神楽坂6-36-1 神楽坂ビル2F TEL/FAX:03-6228-1884

*recently reading:「龍の柩・聖邪の顔編」高橋克彦(掃除してたら見つかったので再読)