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酒室

5月末から6月の2週にかけて続く2つの展覧会出展作品の外注分デザイン制作をなんとか連休前に受け渡さなければならず、blogの更新もままならないが、だらだらと間を置くのもいやなので中断していた境内レポートを。今年の境内企画・建築家/縣孝二氏の「酒室プロジェクト」メイキング画像も含めて紹介しておきます。完成度高いでしょ、さすがです。でもホントは床が酔うまえに揺れるはずだったんですがね。

道場にドウジョー!

そういう看板をつくってしまったせいかどうかはわからないが。今年は山門左奥、“道場”ブースが超充実とのウワサあり。以前から一部作家の間では注目されていた場所ではあったのだが、なにせ時は四月中旬北信濃、板張りの広間はいかにも寒々しく敬遠される向きも多かったかもだが、今年は一部輩が電気こたつなどを持ち込みやがってなかなか快適スペースとなった。*写真上はナカムラの展示風景。

境内点描2

どんどん紹介していきましょうね。作家のレベルも確実に毎年向上していると思いますし、今年は特に来場者のみなさんも“その気”(アートを楽しもう!)で来てくれた方々が多かったようですね。

news

すべての撤収作業、引き続き開催される「境内アート選抜展」の準備を終え、疲弊した体と頭をなんとか維持しながら(ボーっとして…てこと)夜も更けた高速を飛ばし、浅間山麓近くのインターを降りる頃になって、ふと“日常”というものに覚醒した。準備から含めての3日間ニュースというものをTVでも新聞でも全く目にしていなかったことを思い出す。ここ1ヶ月間延々と暗いニュースを好むと好まざるとに関わらず日々刷り込まれていた日常がよみがえり、なんて幸福な3日間だったのかということに気づく。そう思ってくれた人たちがたくさん来てくれたのかもしれない2日間のイベントだったのかな…とも思うし、たとえひと時でも不安な気持ちからはなれることができたのならうれしい。

さて実質8年目を迎えた「境内アート」、やってまいりました。事務局発表2日間での来場者20,000人。8年前、20人の作家にTELをかけまくり始めた“禅寺藝術縁日”はアート系・クラフト系150組を越える祝祭となった。支えていただいた地元小布施のスタッフ、参加いただいた作家諸兄、足を運んでもらったお客さん、とにかくわけもわからずとも巻き込まれた人々、また自ら巻き込まれにきたひとたち…全てのみなさまに感謝申し上げます。

ということでしばし縁日点描をお楽しみください。

出展者

いよいよ境内アートの4月です。トータル12回目を数え今年の出展者はアート部門が54組、クラフト部門が88組。内それぞれにギャラリー参加枠としてFLAT FILEギャラリー夏至が参加。加えて2011年度の境内企画作家として建築家・縣孝二の「酒室」(「真澄」宮坂醸造/諏訪と「米川」高沢酒造/小布施の2社の協力を得て実現)と森を考えるグループ「森のわっこ」の皆さんによる廃材を利用した小さなお家が境内に出現します。さらに全国区で話題の小布施町立図書館「まちとしょテラソ」プロデュースの「一箱古本市」(リンゴ箱支給)も回廊にて開催。その他フードコートや苗市・骨董市も充実の多目的イベントとなってます。今年は春がゆっくりとすすみつつあるようで、当日は境内及び「どんぐり千年の森」の桜がちょうど満開かも。4/16(土)17(日)信州小布施にお越し下さい。以下に出展者リストと会場図のPDFデータをリンクしておきます。

2011k_art

実は”RIDE ON GRAPH”という屋号で参加してきた。境内アートでもお世話になってるアトリエ多一さんと古書店の追分コロニーさんらの立ち上げ企画なのでお誘いにのったわけです。思い出すなー…境内アートの立ち上げ。知人作家20人ほどにオファーのTELしまくって準備時間のない中なんとかみなさんの協力でスタートし、7年かけて150名余の作家の皆さんの参加をいただくようになった。ごちゃごちゃ言ってないでやって考えればいいじゃない!…ってスタンスは好きです。追分もそういうことです。そしてどうせやるなら楽しく、向上心を持って…そうな姿勢も大切ね。
とは言いつつも正直あんまり大きな期待はしてなかったのね(ゴメンナサイ…)。が、しかし!期待は大きくポジティヴに裏切られ、この企画、かなり可能性を感じます。なにより場所が軽井沢追分というのがイイ。開発体質の東側中心部に比して、多少打ち捨てられた感がある西の片隅は歴史と文化(特に文学)の香りが染みのように苔むして残る通が愛する大人な軽井沢とみた。
今回の会場となったのは追分宿旅籠「油屋」の杉木立に囲まれた広い庭先。残念ながら2年ほど前に廃業しているが、この歴史ある旧脇本陣は堀辰雄や立原道造、室生犀星らに愛され、堀辰雄の小説「菜穂子」に登場する牡丹屋という旅館はこの油屋がモデルでもあるのだ。その地場力は小布施・玄照寺に勝るとも劣らず。そういった文学という土壌を活かして”本”と絡んでいる企画というのも個人的にはさらに魅力倍増。
そして秘密兵器はなんといっても「追分きのこ祭り」。これはイイです! 追分公民館にて朝市・きのこ展示会・きのこ汁賞味会・きのこ鑑定会。きのこって菌類だっけ?またこのジミ〜な感じがいいのね。でも毎年楽しみしている方々が多く1杯100円のきのこ汁は絶品なり。
とにかく以上の相乗効果もあって期待以上の大盛況となりました。あ〜楽しかった…。
*ちなみに写真左上は僕のお店です。新作の酒器+印判箸置き+名物「ワケアリJin’s Outlet 」+100円ポストカードに今回は1箱古本コーナーも加えて90cm四方コンパクトにまとめたわりに内容は盛りだくさんなのでした。
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直会

「なおらい」と読む。神事が終わって後、神酒・神饌をおろしていただく酒宴…と辞書に。 なかなか日本には良い言葉がある。「まれびと」をもてなさんと主筋が心をこめてしつらえた空間が、言の葉の持つ響きと相まって美しい。(御柱の続きです)
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秋も

諏訪は秋もこんな感じ。春に盛り上がった七年一度、式年大祭「御柱祭」は 、実はこうして秋も諏訪大社の摂社や末社、お稲荷様や天神様、小さな祠や屋敷神に至まで、あらゆるお宮でお祭りが行われているのです。9/23の秋分の日、昨夜来からの大雨の中、かの開高健も愛したという諏訪の酒蔵「真澄」に鎮座する「仁寿稲荷」のおんばしらに参加。春にも書いたが「おんばしら」は実際に見てなんぼ、できる事なら曵いてなんぼ。今回は同行したカメラマンクルーとともに法被と引き綱も支給されてかなり馴染んでいたはずである(…と自分では思っている)。この週末も諏訪各地で開催されているようなので公式サイト等で確認し体験してみてはいかが。
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長野市の櫻ヶ岡中学校美術教諭中平先生が前任校(2004年)より取り組んでいる中学生とアーティストとのコラボプロジェクトが今年も始動したと、友人の彫刻家・神林學氏より情報あり。彼も含めて話題のボンクラグループや地元信州大学教育・繊維・工学各部の学生諸君ら新しい顔ぶれも続々エントリーの予定らしく楽しみである。ちょうど当ブログ中断時期で紹介できなかったが僕も昨年この企画に参加させてもらった。旧校舎取り壊しにともない、直前に建物全てを制作目的で制限なく使用することが可能であったのでかなり面白いプロジェクトになった。作家として個人(あるいはユニット)展示をするカテゴリーと3年生選択美術の生徒たちの希望に添って作家と一緒に創り上げるカテゴリーに別れたが、僕は後者で参加。中3の女子生徒5名とオッサン美術家とのコラボは、なかなかスリリングで貴重な経験となった。tittle:「森プロジェクト」。1年遅れだがせっかくなので他にもいくつか展示風景を含めてその時の記録を紹介しておく。解体を前提とされた校舎がまるごと美術館になったわけだが、どの作家よりも最もアートしてたのは結局本企画の首謀者(プロデューサー)・中平氏であったような気がしている。個人的には、危機的状況にある美術教育界の至宝と僕は思っている。今後も健闘を祈りたい。
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Railway

10521.jpg境内アート反省会のため小布施へ。会議終了後アルコール支給の懇親会アリなので今回は久しぶりに長野電鉄にて。実際に境内アート当日はこのローカル線(長野新幹線経由)で 現地入りされる作家・来場者の皆さんも多いのでその導線を体感してみて気づくこともあります。写真はそっちの趣味は薄いんですが”鉄男”クン気分で撮ったロマスンスカー(今回はこれに乗った)と昔ながらの駅舎の小布施駅。長電はそれぞれのメジャー路線を引退した車両がリユースされて走っていてそのスジのマニアなら結構楽しめるんじゃないのかな。
それはそれとして本題の境内アート。本年度はさっそく6月から始動致します。この2年ほどでグンとステップアップした感がありますが、さらに実行委員会のモチベーションも上がりチャレンジングな企画となっていく気配。2011年も乞うご期待!