Jin Nakamura log

wander TOKYO -7

やはりこうして3Dモノホン仏を間近にすると仏画もいいけど、やっぱ最後は彫りたいなーって思うのだ。

さて拝観後は先生に付き従い藝大構内をかってに散策。「あいさつをしてこよう…」と言われ創始者の像のもとへ。ふと考えると現代とよく似ている。グローバルなどという薄っぺらな言葉に踊らせれ、安易に世界の流れへ追随しようとした明治期(何度か書いたが僕は維新は大嫌いだ)にあって、あえて日本画という言葉を残し、制服と称しまさに白鳳人を想わせるような古代装束風コスチュームを纏う人…岡倉天心。

かの人は人気のない静かな木立に囲まれたその奥にいた。だれが置いたのか足下に黄色い花が一輪たむけてある。

僕はここの学徒であったわけでもないし、天心…大観…小松均…先生の系譜のほんのはしっこにくっついてやって来ただけだけど、その昔教科書くらいでしか見たことのなかった人がなんか突然目の前に現れて少しふしぎな親近感を覚える。人の縁てそんなものなのかもしれない。

あいさつがすんだ後はさらにづかづか構内奥に踏み込み、ここにも先生のいつか描きたいという”銘木”があるとのことで、それをみてまわりながらいっしょにトチの実をたくさん拾った。ぼくはそれほど欲しくはなかったのだけれど、どんどんくれるので僕のカバンの中はトチの実だらけになってしまった。

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