Jin Nakamura log

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奥座敷

さて、2階教室の奥座敷(もと家庭科室だったらしい) は坂本泉さんのPLASTIC WORLD。ジャンクの後2つ爽やかな緊張感のある立体作品が続いた後、再びまたジャンクで締めくくりというわけです。捨てられていくビニール袋などで制作された”服”は試着可能ということで小さな観覧者には大人気の体験型アート。加えて廃校になった小学校の校歌を覚えている卒業生からサンプリング録音しBGMにて終日リピートで会場に流し続けるという趣向は、僕ら作家の脳裏にも刷り込まれ、会期終了後も2〜3日ほど卒業したわけでもない学校の校歌のメロディをつい口ずさんでしまうという副産物をもたらした。
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神林教室

複式学級だったという2階の3つめの教室は彫刻家・神林教室。タイトル「バードマンワールド」。とにかく彼は仕事が速い、セッティングも撤収も風呂も…。その勢いが作品にも表れているというところか。
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となりの教室

ほかのひとはどんなことしてたかというと…。まずはせっちゃんから。ちょっと前の銀座奥野ビル「巷房 」の個展も好評だったようで、今回もありんこさんが大人気。しっかり作り込んでいいながら、どこかチカラが抜けていて…人柄ですかね。イイ感じのインスタレーションでございました。
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cubic

で、こんなことやってました「旅するハコ」。まあ僕自身も旅人だったわけですが、世界中からバナナやらワインやらパイナップルやらを詰め込まれて日本にやって来たダンボール箱を解体してキュービックの展開図で型抜きし、再び組み立てているわけです。本人元教室にてひたすら作ってます之圖。
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三原谷点描

京都駅から山陰線に乗り換え、福知山でさらに特急を乗り継ぎ2.5時間で兵庫県豊岡市着。さらに車で30分ほどで三原谷。竹野川流域のご覧の通りの山里だが、実はすぐそこが日本海。そんなとこです。よろしかったらgoogleマップで検索してみてちょうだい。台風が奄美に接近していた影響もあり到着初日は山里全体がしっとりとした気配につつまれていた。(結局以後滞在中はほとんど雨模様だったんだが…)ちなみに写真上の白い建物(廃校)が今回の舞台。
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帰郷

一周間ぶりに戻ってくると山麓の紅葉は一気にすすみ、初冬の気配を思わせる冷気はしばし南下していて暖かさになれた身にはチトこたえる。さて一周間もどこに行っていたかというと…こんなとこ。たくさん写真を撮って来たのでこちらも一週間ほどかけて紹介しましょうか。
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101024.jpg人口わずか460人らしい。兵庫県、3分の2日本海側、竹野町の山あいにその谷はあらしい。人々と自然が共生しながら暮らしているらしい。 京都駅から山陰線に乗り換えて2時間くらい…かかるらしい。とにかく断片的な情報が多い中、僕はその”竹野川を中心に7つの地区が一つになって、今大切に思う事、守りたい事などを考えながら「自然と食とアート」のまつり“に参加することになった。10/30、10/31、11/1の三日間。事前準備もあるので27日からでかけます。未踏の地ではどんな出会いがあるのでしょう、帰って来たらまた報告します。
実はさらに11/2から所沢「ファルマ」にて「ファルマのかたち」展も引き続きアリ。戻ってくるのは1週間後か…。

croquis

アーティストワークショップ「美場」発祥の地、軽井沢KIGI Gallery & Studioにてクロッキー会に参加。クロッキー:人物の動き・量感などを、短い時間でおおまかに写しとる素描。速写…ということらしいです。長くても10分。短い時は1分程度でポーズがかわるのでデッサンのように描き込むことはできません。なので技術を越えて(もちろんそれもあるけど)感性の勝負的なところが面白いと思うのです。到達点が人それぞれで違うというのがイイですね。今回のモデルさんは阿修羅の少年顔(仏像顔?)のようでとても素敵でした。友人の彫刻家のプロデュースの都内でのクロッキー会の軽井沢版ということですが、評判がよかったので年に2回ほどはやりたいと主催者とも検討中。腕に覚えのある人も初心者の方も大歓迎です。またサイトで情報お伝えしますので参加してみてはいかが? で、今回は裸婦モデルさんをお願いした現場でしたので写真はなしです。

実は”RIDE ON GRAPH”という屋号で参加してきた。境内アートでもお世話になってるアトリエ多一さんと古書店の追分コロニーさんらの立ち上げ企画なのでお誘いにのったわけです。思い出すなー…境内アートの立ち上げ。知人作家20人ほどにオファーのTELしまくって準備時間のない中なんとかみなさんの協力でスタートし、7年かけて150名余の作家の皆さんの参加をいただくようになった。ごちゃごちゃ言ってないでやって考えればいいじゃない!…ってスタンスは好きです。追分もそういうことです。そしてどうせやるなら楽しく、向上心を持って…そうな姿勢も大切ね。
とは言いつつも正直あんまり大きな期待はしてなかったのね(ゴメンナサイ…)。が、しかし!期待は大きくポジティヴに裏切られ、この企画、かなり可能性を感じます。なにより場所が軽井沢追分というのがイイ。開発体質の東側中心部に比して、多少打ち捨てられた感がある西の片隅は歴史と文化(特に文学)の香りが染みのように苔むして残る通が愛する大人な軽井沢とみた。
今回の会場となったのは追分宿旅籠「油屋」の杉木立に囲まれた広い庭先。残念ながら2年ほど前に廃業しているが、この歴史ある旧脇本陣は堀辰雄や立原道造、室生犀星らに愛され、堀辰雄の小説「菜穂子」に登場する牡丹屋という旅館はこの油屋がモデルでもあるのだ。その地場力は小布施・玄照寺に勝るとも劣らず。そういった文学という土壌を活かして”本”と絡んでいる企画というのも個人的にはさらに魅力倍増。
そして秘密兵器はなんといっても「追分きのこ祭り」。これはイイです! 追分公民館にて朝市・きのこ展示会・きのこ汁賞味会・きのこ鑑定会。きのこって菌類だっけ?またこのジミ〜な感じがいいのね。でも毎年楽しみしている方々が多く1杯100円のきのこ汁は絶品なり。
とにかく以上の相乗効果もあって期待以上の大盛況となりました。あ〜楽しかった…。
*ちなみに写真左上は僕のお店です。新作の酒器+印判箸置き+名物「ワケアリJin’s Outlet 」+100円ポストカードに今回は1箱古本コーナーも加えて90cm四方コンパクトにまとめたわりに内容は盛りだくさんなのでした。
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VIVA TERRASOW

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アーティストと楽しむワークショップ”美場”再開です。今、この国でいちばんチャーミングな図書館、小布施の「まちとしょテラソ」があなたに贈る、その名も「美場テラソ」。
(*以下フライヤーより)
暮らしにもっとアートを感じたい、味わいたい、学びたい、
いい作品を作りたい…そんな人たちのためのワークショップです。
テーマも到達点も、人それぞれでOK。
毎回様々なジャンルのアーティスト、クリエーターが講師となって、
参加者のみなさんと感性と技術の交歓を楽しむ場所、それが「美場テラソ」です。
「美場テラソ」は、「境内アート小布施×苗市」との協働プロジェクトです。
小布施の禅寺・玄照寺で毎年春に開かれるこのイベントの願いは、
「暮らしにアートを」「”美意識”という資源を育もう」です。
「美場テラソ」で年間を通して創造される作品は、「境内アート小布施×苗市」で展示されます。
美日常のまち小布施に誕生した「美場テラソ」に、みなさんお気軽にご参加ください。
[2010年度後期ワークショップスケジュール]
開催場所/まちとしょテラソ多目的室
開催時間/午後1:00〜4:00(早めに制作終了した方は各自の都合で切り上げていただいてかまいません)
定  員/各講座20名(先着順に受付。定員になり次第締め切りとさせていただきます)
対  象/ 大人から子どもまで(お子様は小学生以上/低学年の場合は保護者同伴をおすすめします)
参加費/1000円(お一人/材料費込み)
お問い合わせ・受付/まちとしょテラソtel 026-247-2747(美場テラソ担当:松谷・北澤)
その他/ 絵の具やインク等、美術系の素材を使用する講座があります。
     よごれてもよい服装でご参加ください。
11/20◎世界に一つのART本…(講師:なかむらじん/美術家)
ぼくのわたしの物語〜一枚の紙が絵本になる。さまざまな技法で大きな紙に絵をえがき、紙をおりたたんで、世界に一冊の本のできあがり。
NAKAMURA jin ◎ http://nakamurajin.com
信州大学教育学部美術科卒。1987年 JACA’87日本イラストレーション展入選/8th 日本グラフィック展協賛企業賞受賞。2004年より境内アート小布施企画参加。2007年 オブセコンテンポラリー企画参加。個展・グループ展多数。
12/18◎ワイヤーワーク…(講師:神林學/彫刻家)
工事用の結束線などのワイヤーを使って人体や動物を作ります。応用編では石膏の直付けにもチャレンジ。
KANBAYASHI gaku ◎ http://www.jpartmuseum.com/jam_live/okabe06/#
18才で彫刻家を志す。人体をテーマとして素材も多種類にて表現。1976年より個展・グループ展・コンクール等に作品の発表を開始。2006 TRIO DI ARTSTI DELLA MOSTRA D’ARTE CONTEMPORANEA /BOTTEGA 27(イタリア・ルッカ)
1/22◎クリアグラフー透明な絵画…(講師:綿引明浩/画家)
アクリル板を使用した講師オリジナルの写し絵アート。名画などお気に入りの絵をカラージェッソを使用して色の階層を作りながら、透明アクリル板を通して写し取っていく。思わぬ効果のオリジナル名画が完成。
WATABIKI akihiro ◎ http://www012.upp.so-net.ne.jp/akihiroWATABIKI/index.html
1986年 東京芸術大学美術学部大学院修了。2002-3年 文化庁芸術家・海外派遣研修生としてスペイン(マドリード)滞在。2006年 KIAF・韓国国際アートフェア/韓国。2008年 台北アートフェア/台湾。個展・グループ展多数。
2/19◎紙版リトグラフ…(講師:梅田明雄/梅田版画工房摺り師)
平らな版画。版を彫るのでもなく引っ掻くのでもなく水と油の反発する性質を利用するこの方法では手描きのような版画を刷ることが可能。本来は複雑な工程が必要だが教材用の紙版を使用して平易な作業でリトグラフ体験が出来ます。
UMEDA akio ◎ http://u55.jp/
高校時代にドーミエの展覧会でリトグラフに出合う。名古屋芸大在学中に東谷武美氏からリトグラフを学ぶ。卒業後世界的に見ても稀な大画面を刷ることができるプレス機を 備えた千曲市の森工房で経験積んだ後、独立して現在に至る。