Jin Nakamura log

雪欝

14221

そうだそうだ、そういのあったな…“雪欝”。

むかし住んでいた長野県北部では冬になると雪雲がたまってなかなか晴れ間がない。そこで暮らしている時はあまり気にも留めなかったが、一旦離れて暮らし、戻ってみると「こんなんだったっけ…」ってほど閉塞感のある冬空を日々眺め続けて少々憂鬱な気分になったことを思い出す。

浅間山麓はどちらかというと関東の気候に近い。とはいっても標高は高いので寒さは比べるべくもいないが、冬空はたいがいカラっと晴れ上がっていて雪は少ないのだ。おそらく地元の言葉であろうが「カミユキ」といって春間近に気まぐれにドカンと降ったりするが、それもその時期には大概すぐに解けてしまう。第一いくらドカン…といっても今回のように1メートルも降ったりしない。そして今年の2月は寒い。日中の最高気温も0℃弱をうろうろし、それでも昼間の間に若干湿った雪はそのまま氷化して目の前から消えてくれる気配がない。除雪も追いつかず、一方通行のようなになった狭い道路に車体が傾くほどの最悪な轍ができて…と、とにかくこの居座り続ける白い(このごろは薄汚れてきてるが)モノにそろそろうんざりしてきた。

そういうわけで冬場の欝を久しぶりに思いだす。

この手のことに見識のある知人から「そういう時は太陽の光をあびるといいよ」と。そういえばあの日以来お天道様と意識して向き合っていない。とにかく一歩家をでるとそんな風にボーっと突っ立ていられるスペースがないのだ。

こりゃいかん…と、10年くらい前に自作したカンジキを長靴にくくり雪原に挑まんと家を出たが100メートルで挫折して帰路につく。カンジキ装着でも30cmは沈むんだもん、ムリムリ。そしてカンジキ装着のまま湿ったアスファルトの道を帰ってくるのはチト恥ずかしい。

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