Jin Nakamura log

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snowscape

今シーズン最後の雪景色だろうか…て油断してると4月頃桜に雪、なんて光景もありなんだな。もううんざりというご意見も多いが、それでも3月にしんしんと降る雪は一瞬ではあるが花粉症の症状をやわらげてくれるし、つかのまではあるが美しい風景をみせてくれるのでちょっと嬉しい。

アレルギーというのはアレルゲンに対して体が拒否ってるということだから、なにもそんなにも嫌わないで仲良くなれんもんかなと、このシーズンになるといつも思うのだ。「花粉はトモダチ」…そう言い聞かせたらカラダは好意的な反応をしないかなと。キライキライも好きの内…とかさ。人間関係でももちろんどうしても好きになれないような方もいるわけですが、そういことにいちいち対面して気に入らないことに怒気を荒げていてもちっともいいことないわけですよ。人が怒ったときに吐き出す怒気は猛毒だそうです。その呼気を水槽に溶かし込むと魚が死んじゃうらしいのだ。

まあ、いつも公言してることですが「逆らわず いつもにこにこ 従わず」のいやらしい座右の銘のもと、ノラリクラリと生きて50数年、ふと気がつけば若い頃に比べ周りに苦手な人が少なくなったような気がする。自分が大人になったのか周囲が寛大になったのか…後者かなやっぱ。相手にポジティブにあきらめてもらうっていうかさ(そんなことバラすと嫌われそうだけど)…というよりこれは自分自身に対する極意でもある気がしてるのです最近。

「ポジティブにあきらめる」

…いや、そんなことより今はやっぱこっちか、

「花粉はトモダチ」

なんとかならんかな…あ〜目がかゆ〜い!

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Debut

油や年間パンフレットが校了となり近々配布となります。今年のオープンは4月23日(土)から。例年にも増して盛りだくさん、内容も充実となっております。是非おでかけください。

さて今年の表紙を飾るのは知る人ぞ知る…気づいていた人は気づいていた…見えてた人には見えていた…「油小僧」です。もともと油やには何かしら気配はあったわけですが、“まっくろくろすけ”みたいに人の出入りが増えれば増えるほどそういった類いのモノの気が少しずつ消えていきつつあるなかで、それでもなんとなくいるような…いやどちらかというと、いて欲しい的なキャラなのね。

ま、ひらたく言うと妖怪なわけで、一般人はふつう見えないわけで。ということでここ数年、女将の方から早くフツーの人にも見えるように視覚化しなさいとのお達しもあり、ついに開業5シーズン目にしてお出ましとあいなりました次第。

今回視覚化担当してもらったのはArt Project 沙庭でも企画させていただいた画家・飯島洋子氏。日頃得体の知れぬモノをチョイチョイ目撃してるらしいのでチラッと矛先を向けたところ思った通りわりとすんなり生み出してくれた。(本人は産みの親は油やにいて自分は育てただけだと言っている)

実は小僧については今まで何人かに視覚化を試みてもっらていたのだ。自分でもトライしてみたのだがなんかとてもヘンテコな絵になったような記憶がある。まあとにかく今回オフィシャルな容姿としてはこれで公認としてよかろうが、それはそれとして人それぞれの小僧がいていいと思っている。現実世界においてであっても人はそれぞれ同じモノを見ている気でいるが水晶体を通し脳で画像処理された映像は個々に当然差があるはずなのだ。あなたが見えているように僕は見えていない。だれも他人の脳の中をのぞくことはできない。

同じ風景やモノを描かせても人それぞれなのは単純に画力とか個性だけの問題ではないような気がする。師匠の絵をみるといつもそう思う。この人にはこう見えているのかと…。

話はそれたが、とにかく小僧はデビューしました。かわいがってやってください!

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Museum Day

時間とれないかなーとあきらめていたが、なんか呼ばれた気がしたので思い切って神楽坂での師匠の個展を見に1 day trip 慣行。とは言いつつせっかくなのでと朝10:00にキッチリみななとみらいに到着し、横浜美術館「村上隆のスーパーフラット・コレクション」を手始めに結局以下のハードコースになった。

横浜美術館→The Artcomplex Center of  Tokyo/石原七生展「はるか うつくしいほし」→国立近代美術館/「ようこそ日本へ」→新宿高島屋/「縄文ALIVE」→えすぱすミラボオ「生井巌展」という具合で、そのうち石原展と近美はともに最終日というギリなタイミング。一日5件はあまり経験がないがなんとかなるものだ。しかも途中で旧友を呼び出しお茶して〆に東京駅で最終ギリまで企画会議と称して飲み倒して日付が変わらぬうちに標高1000Mの浅間山麓に帰るという周到さ。敏腕ツアーコンダクターなみの手配である。

村上のコレクション展は彼の冠詞を外し、蕭白・白隠・一休宗純あたりをみるだけでも良いかと思い横浜まで足をのばした次第。蕭白4点、白隠 2点、一休書1点を個人所蔵とはまったくうらやましいかぎり。その他にも特に数えもしなかったがやたらある魯山人、井上有一の書から日本人大好きなホルスト・ヤンセンも多数、もちろんどうでもいいものも多数。直感にまかせたコレクションだからそれでいいけど、観る側がうまく切り取ればヘタな企画展より見応えあるかも。いずれにしても個人コレクションで公立美術館の企画展示室全室を埋められるとは驚きであるし、それだけ身銭を切って蒐集すれば美術博物館で入館料にて拝観するのとは異なった次元の見識が生まれるのは想像がつくというもの。

先立って森美術館「五百羅漢展」は観ている。彼の仕事については賛否両論聞こえてくるが(僕は嫌いではない)何れにしても誰でもできるような仕事ではなさそうだな。「やりきったのでもう死んでもいいかな…」なんていつか言ってみたいものだ。もちろん大きければいいとか長ければいいとか思わないが、彼のような美術家に限らずたとえば実業家などにしても一代でしかも若くして何かを成しとげてしまうタイプの人間をみるとなにか現世年齢(そういう言葉はないが)では計れない積み重ねを感じてしまう。魂年齢(そういう言葉もないだろう)というかね。ま、その話は説明すると長くなるのでまた次回…というより他の展覧会も良かったのだがそのレビューもそれぞれとても一言ではすまないのでまたの機会になにかに絡めて書きます。

*写真はコレクション展より。ちなみ右下帆船はさすがに彼の所有物ではありませぬ。せっかくだからと横浜風景。

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