Jin Nakamura log

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祭りの後

「カワウソマツリ」という酒をご存知か。日本酒好きならもちろん周知の山口県の銘酒「獺祭」(ホントはダッサイと読みます)のこと。カワウソが捕らえた魚を岸に並べる習性を祭りに見立てた一言を酒名としている。なかなかパンチの効いた呑み口。さて、作家にとって展覧会などといものもまさにこの「カワウソマツリ」の如きものかもね。自らの衝動に添って生み出してしまった何かしらのブツをたいそうに並べ見立て、結局つまるところ祭り・酒宴へと連日なだれ込むていたらく。多くの人たちと出会い、アートをネタに(場合によっては全く関係なく)いろんなことを話し、非日常という日常を過ごす。そしてやはりアートにはそんなチカラが少しはある。ご来場いただいた方々、今回の展覧会を企画していただいた関係者の皆さんホントにありがとうございました!これを励みにまたがんばります。さて後は祭りの後の現実復帰作業を残すのみ。毎回そうなのですが展覧会やアートイベントに参加したあとのこの日常生活への切り替え作業がけっこうしんどいのです。とりあえず銀座のホコ天でみんなの注目を集めてた、なぜか陽を仰ぎ見るネコくんの写真でもながめて、上がりっ放しのテンションをすこし癒されながら下げるとしますかね…。

僕の右手

その時にしかうたえない感性ってあるなぁ…うまさじゃなくて。

いただきモノ

日本画家の生井氏より旧正月の賀状が届いた。なるほどそういう切り口も面白し。旧字・当て字・絵文字など遊び心満載で、その豪放な筆致とともに氏の人柄が感じられ嬉しい便りである。和紙の書面には「目を覚ませ目を覚ませ 齢七拾年間乃仮眠からと我に云う」とある。画家としてこれだけの力量と経験を積みながらも、この言葉を元旦の計に記す境地を垣間みて新たな勇気をもらう。仲冬に詠んだ拙句「藝道の餓鬼となるかよ冬五十路」などまさにまだまだガキの戯言。かの北斎翁にさえ「70までに描いたものはとるにたらないモノ」と云わしめるめるこの道の奥深さを感じるものだ。なのでもうしばし底の方でうごめいていてもゆるされるものかしらね…ってそういうとまたのんびりしちゃうからマズイか。
もう1つのいただきモノは友人の彫刻家・ninoさんより。奥付けに出版年がのってないがおそらく1960年代後半あたりの横尾忠則氏の作品集。彼が霊的・オカルト的なテーマに最もインスピレーションを受けていた時期のものである。彼女に「小躍りして喜ぶよ…」と言って手渡されたが、とっても嬉しかったけど「小躍り」がどんな踊りかわからなかったので、特にその場で躍りだすことなくフツーに喜んでいただいた。

*明日2/2〜5まで再び東京。ギャラリーにも午後は在廊予定です。