Jin Nakamura log

Posts in the exhibition category

Penguin戯画

友人の画家たかはしびわ氏個展「こんな時にペンギン戯画」(スペース春や)最終日1日前で顔を出す。いつもながら阿呆な個性満載の擬人化された海鳥たちは文句無しに楽しい。小学生が1年越しでおこづかいをためてF0_45,000¥也を買っていったという逸話にはおどろいたし、なんか嬉しくも思う。さすがびわ氏、若すぎるファンをつかむのがウマイ!なぜか会場にはピンクの光を放つペンギンネオンが。しかもけっこうデカイ…まったく作家というのは何を考えているかわからぬもの。

茶陶

8月17日〜の「現代作家茶碗特集」(日本橋三越)のための上絵付け作業が佳境。珍しく早めの準備は事前に制作する図録準備のため。今回は先に制作した上絵転写シールなど一部使ってみた。

その後

日本橋と丸の内…東京駅をまたいで(そういう位置関係かと後で気づいた)2つ続いた展覧会もおかげさまでなんとか終了。多くの皆さんに来場いただき感謝です。その間にたまった宿題・事後処理等に追われ、加えて疲れがでたというヤツか肩の痛みがひどくなり滅多に飲んだことのない鎮痛剤などを服用(よくないとわかっていつつ)。数年前まで肩こりなんて感じたこともなかったのに…。

7/1(金)〜24(日)までFLAT FILEにて個展。DM本日入稿。

oazo 4F

1日から始まった「LABEL match ART」展示風景。初日、二日目と都内また遠方から足を運んでいただきました皆さんありがとうございました。明日はアーティストワークショップ「美場テラソ」(小布施町)のため一旦長野へ。5日〜最終日7日までまた上京します。概ね昼からの在廊となります。不在の場合はご存知の方はケータイへ。

近況

グループ展を含むとはいえ2つの展覧会が1日と空かず続くというのはやはりあまりよいことではない(もちろん自ら望んでフィックスしたわけではいが)。おかげで絞り出すように生まれてきた自分でも興味深いモノはあったが多少のリクスも同時に。元来ナマケモノなので久しぶりに“努力”というものをちょっとしたような気もするがペースが乱れるのも困りもの。昨日やっと後半展のブツ梱包・発送を済ませる。展示台も含めて13個口…こんな量送ったの初めて。

さて諸々の準備等で告知が送れていた「美場テラソ」。今年度も始動します。アートファンには今回も魅力的なラインアップとなっております。以下一覧にて紹介。

6/4(土)銅版画に挑戦…(講師:吉村正美/版画家)
へこんだ部分にインクをつめてプレスして刷る凹版技法の版画講座です。今回は銅板をエッチング(腐食)して製版する本格技法に挑戦します。
7/16(土)ロウ画という技法で絵を描いてみよう!…(講師:山中克子/ろう(パラフィン)画家)
ろう(パラフィン/ろうそくのロウ)の水をはじく性質を利用して水性絵の具と併用し不思議な絵をつくります。今回のテーマはLOVE。しあわせやうれしい気持ちなど表現しましょう。
9/3(土)木版リトグラフ講座…(講師:梅田明雄/梅田版画工房摺り師)
平らな版画。版を彫るのでもなく引っ掻くのでもなく水と油の反発する性質を利用するこの方法では手描きのような版画を刷ることが可能。前回の木版リトをさらに発展させた講座です。
11/5(土)リトグラフ—植物を使って…(講師:近藤英樹/版画家)
身近な植物を採集して版に転写。その痕跡をリトグラフ(版画)として紙に刷りとります。植物の形はどんなイメージをつくるでしょうか?
2012  1/21(土)ダンボールで動物お面を作ろう!…(講師:本濃研太/彫刻家)
話題のダンボールアーティスト本濃独自の手法を伝授!? 身近にあるダンボールを使ってあなたのアイデアで不思議な動物のお面を作りましょう。
3/17(土)羊毛のフエルト化—平面から立体を作る…(講師:佐藤比南子/羊毛造形作家)
段ボール片に羊毛を巻きつけ、フェルト化(長さ90ミリ、直径20ミクロンの繊維を洗剤入りの湯を振りかけ揉んでフェルト化)します。中身の段ボールを取り出して立体へと固めていきます。

Lucky Cat

5/25〜31「九谷ヌーボー」主役クンの画像。キャトグラファー・板東寛司氏撮影。新作の上絵転写・銅版転写の蕎麦猪口を含む作品はすべて板東氏に託す。写真作品は高さ50cmほどあるが、追加製作した「なんど猫」は九谷から会場に直送とのことでまだ会っていない。仕上がりが楽しみ。引き続き丸善丸の内店で開催される「LABEL match ART 展」にスベリコミで入れようとデジタルプリントA1サイズ2点のデータ鋭意制作中。タイトルは「観月紀」「海幸講」おそらく。

生活の過剰

2011,5/11(水)〜17(火)銀座煉瓦画廊にて「東日本大震災の復興を祈年して〜画廊コレクション+10人の作家によるチャリティー展」に急遽参加。画廊コレクション版画作品と今回自主制作したwebサイトトップページ画像A2ポスター「命字系」を出展します。なおポスターは現在おぶせミュージアム+FLAT FILEでも復興支援の目的で取り扱っていただいてます。引き続きご協力いただければうれしいです。

以下に今回の煉瓦画廊のDMに添えられた芥川龍之介の言葉(4/7毎日新聞コラムより)を添付。

「芸術は生活の過剰だそうである…しかし人間を人間たらしめるものは生活の過剰である。僕らは人間たる尊厳の為に生活の過剰を作らなければならぬ…過剰を大いなる花束に仕上げなければならぬ。」

「人間を人間たらしめる」営みは、震災で壊れた世界を少しづつ修復していくだろう…とコラムは結ぶ。

現代作家茶碗特集

表題の企画展(2011,8/17〜30 日本橋三越本店6F美術工芸サロン・アートスクエア)参加依頼あり。現代陶芸界で活躍される35名の諸先生方の末席に加えささせてもらう。しかもテーマは「茶碗」、だいじょうぶかな…。チト不安もあるが楽しみなお題でもある。

以前岐阜の画廊から僕のサイトをみて展覧会のオファーをいただいたことがあった。どうやら“エセ古伊万里的芸風”が大層気に入ってもらったらしい。わざわざ長野まで出向いていただき、初対面の折りいろいろ話を伺っているとオーナーは業界ではかなり名を馳せた骨董商であり、また茶人でもあった。一時は国の無形文化財有資格者でもあった高名な陶芸家・加藤唐九郎を招いた茶会なども主催した御仁であるという。加藤の名と茶会と聞いて一冊の本を思い出した。季刊「銀花」61号・特集◎唐九郎のいる茶会(1985刊)。この特集記事に青年時代の画廊主が唐九郎と席を同じくしている写真が載っている。そしてたまたま僕はその本を持っていた。岐阜は茶の盛んな場所である、加えてオーナーもかような茶人である…さらに中途半端に茶の湯にも興味もあり…で、無謀にも(今思うと汗)個展用の作品のなかにいつくか「茶碗(少なくとも本人はそう思って作った)」を入れて岐阜に発送したのだ。

結局それらの“茶碗のようなモノ”はすべてバックヤードにしまわれ会期中展示されることはなかった。「呑み終わったあとの見込みの景色が美しくない」というのが理由だったと記憶している。朝鮮半島で日常雑器として焼かれていた「井戸茶碗」の如きを茶人は「わび」の美意識をもって見立てる世界。少々乱暴な言い方をすれば、どんなモノでも凹んでさえいれば多少のことは目をつむって後は茶人なる方々がなんとか見立ててくれるのだろう…などと思っていたフシがあったかもしれない。

ナカムラくんは「茶碗」なんかつくらなくていいよ…と言われ、その場で主(あるじ)自らの手で李朝の平茶碗にてさらっと立ててもらい、僕は無作法なしぐさでお茶をいただいた。5年前の話である。

さて、ホンモノの茶人に「つくらなくていいよ…」と言われたが依頼が来てしまったのだから仕方がない。あれから5年が経った。この件に関してなんの進歩があったかと問われればまったく心もとない。とりあえず「見込み」らしきものはつくろう。あとはやっぱりつくりたいようにつくろうと思う。そして恥をかいたらまたそのとき考える。楽しみである。

collaboration

多治見の製陶会社よりデザインを渡しておいた上絵用の転写シールが届く。本焼きされた蕎麦猪口に貼って上絵付け焼成(800℃程度)すると発色して定着する。基本的にはその作業まですべて現地の窯元でやってもらうのだが、一部別な作品に自力で転用しようというもくろみあり分けてもらった。同時に今までシルクスクリーンにて自分で呉須下絵用のシールを制作していた「印判」を今回は本来の銅版転写で、これも瀬戸の職人さんの協力を得て制作中。さらに九谷の伝統技法「いっちん盛り」で招き猫(以前背中だけ紹介した)をデザインとサイズを追加して5体制作に入る。…言葉にすればそれだけのことだが、デザインする人、制作する人…結局人対人、それぞれのプライドとリスペクトが交錯し手探りで仕事がすすむ。作家同士のコラボレーションも刺激的だが、こうした絡みも良い。なおこれらは全て5月末から6月頭の2つの展覧会で閲覧可能。