live paint
- By jin
- In art event exhibition NAGANO
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- Tagged with 境内アート
- On 26 4月 | '2011
すべての撤収作業、引き続き開催される「境内アート選抜展」の準備を終え、疲弊した体と頭をなんとか維持しながら(ボーっとして…てこと)夜も更けた高速を飛ばし、浅間山麓近くのインターを降りる頃になって、ふと“日常”というものに覚醒した。準備から含めての3日間ニュースというものをTVでも新聞でも全く目にしていなかったことを思い出す。ここ1ヶ月間延々と暗いニュースを好むと好まざるとに関わらず日々刷り込まれていた日常がよみがえり、なんて幸福な3日間だったのかということに気づく。そう思ってくれた人たちがたくさん来てくれたのかもしれない2日間のイベントだったのかな…とも思うし、たとえひと時でも不安な気持ちからはなれることができたのならうれしい。
さて実質8年目を迎えた「境内アート」、やってまいりました。事務局発表2日間での来場者20,000人。8年前、20人の作家にTELをかけまくり始めた“禅寺藝術縁日”はアート系・クラフト系150組を越える祝祭となった。支えていただいた地元小布施のスタッフ、参加いただいた作家諸兄、足を運んでもらったお客さん、とにかくわけもわからずとも巻き込まれた人々、また自ら巻き込まれにきたひとたち…全てのみなさまに感謝申し上げます。
ということでしばし縁日点描をお楽しみください。
いよいよ週末は境内アートです。僕は縣氏の酒室制作の手伝いのため明日から長野入り。今年も全国から久しぶりの人やら、楽しみの人やらが集結します。素敵なフェアになりますように。みなさん土・日は是非、信州小布施においで下さい。僕はたぶん剣道場(山門入って左)に展示いたします。友人のイラストレーターさん持ち込み予定の“こたつ”にもぐり込んでアートしてるかも…。
というわけでまた写真とってきますので報告お楽しみに!
*ARTISTS・GIVE・BACKYARD・PROJECTサイトができたようです。
「アートで結ぶ絆展」開催中の三越担当者さんより連絡。「あのキャラはナニ? だれ?」というカスタマーからの問い合わせありとのこと。そりゃそうだよね、なんかちょっと怖いし怪しいし…。せっかくなので当blog上でもご説明しましょう。彼(ら)は「12神将BOYs」です。上からアンテラくん(安底羅大将大将)、中右がハイラくん(波夷羅大将)、下左がクビラくん(宮毘羅大将)。納品したマグに印判してしまったのは「クビラくん」です。十二神将は薬師如来の護法善神で、文字通り12人で、それぞれに7千…、総計8万4千の眷属夜叉を率いると言われています。彼らを敵にまわす勇気のある仏敵など存在しないと思われます。奈良の新薬師寺の十二神将は有名で特に怒髪天をつく風貌の伐折羅大将は切手にもなってます。その十二神将がボーイズでちょっと近未来的アーマーを身にまとっていたらという設定で、つい作り始めてしまたのが「12神将BOYs」(*ちなみにまだ3人しかできてなく完結が待たれるところ)。Tシャツにプリントしてたりしたんですが、調子に乗ってうつわにも印判してしまったというわけですね。さっそく以上の内容をPDFデータにまとめて担当者さんにメール。こんなうつわが送られて来てまったく現場もびっくりなことでしょう。でもおかげさまでいくつか動いてるとのこと、有り難いかぎりです。広いココロで楽しんでいただけたら幸いでございます。以後ナカムラの芸風について不明点(つっこみ?)ありましたら遠慮なく連絡ください。お答えできる範囲内でよろこんでお答えいたします。
infomationにも告知済みだが、3/31より三越(日本橋・銀座)新宿伊勢丹の3店同時開催で「アートで結ぶ絆展」に参加中。展示作品は三越アートライブラリーで見られます(無料登録が必要)。他の先生方の作品はそれぞれ完成度が高く、バナナダンボール箱に相変わらずエセっぽい芸風のナカムラとしてはいささか恐縮ではあるけれど、その刺激をさらなる向上心につなげてキッチュさ全開で邁進する所存であります! また元麻布ギャラリー(佐久)では「Artisit Give Backyaer Project」として普段ギャラリー内で倉庫として使用してるバックヤードでチャリティー展開催中。「菜の花 暮らしの道具店」(小田原)では4/9〜17まで。それぞれでエディションNo.入り(300部限定ということにしました)「命字系」A2ポスター購入可能です。
境内企画作家・縣孝二氏事務所にて、今回ご協力いただく信州諏訪の「真澄」宮坂醸造企画部担当者さんも交えて当日の企画詳細を詰める。写真は今回制作予定の「酒室」の1/10マケット。なかなか本格的でしょ。設計士は吊り床にすると豪語してますがどうなることやら…。あやうく揺れる床に座して「真澄」の純米吟醸など召し上がってみてはいかが? もちろん地元の銘酒「米川」「豊賀」でおなじみ小布施・高沢酒造さんもお忘れなく。極上の日本酒のおともには境内アート皆勤賞の「しぜんこうぼのぱんや・きなり」さんのパンに春の風味を盛り込んだオリジナルパテを添えて…ということになりそうですよ。たまには楽しいこともなきゃね。境内アートで、しばらく沈んだ気分を少しでもリフレッシュしていただき、またがんばりましょ。
ここにきて今回の震災の及ぼす影響は深刻なボディーブローのように、自分のまわりでも気がつくとじわじわと身の回りにしみ出してくるような気配がある。被災地の壊滅的、直接的なダメージとはまた別物の社会全体を包み込むようななにか…。Michael Ende「はてしない物語」で語られる物語り世界ファンタージエンを崩壊に導く“虚無”をなんとなく連想させる。この作者は「モモ」の中でも架空の病気として、慢性的な空虚感、抑鬱気分、絶望感、感情不安定…という精神的症状を発症する「致死的退屈症」を登場させている。現代社会を押し包む“虚無”や“空虚感”になんとか抗おうとする作者のメッセージがそうした仮想を生むのだろう。発生から3週間。急性期は張りつめた気持ちで走り続けられてもいずれ疲弊は免れず。目に見えない不安感(将来のこととか放射能汚染とか)との持久戦は予想以上にハードなものとなりそうだ。
Endeのお話では、いずれの物語りでも普段あまり社会のお役に立ちそうもない輩が思いがけず事態を打開していくわけだが、僕らにもこうしたポジティブな未来を“妄想”する想像力が問われているのかもしれない。アートという生業が「太ったいじめられっ子」や「家を持たないあまり働かない少女」のかわりになれるかどうか…、でも多分必要。せっかくだからそういう社会にしていきたいと思う。エネルギーの問題も考えながらね。そして希望はあると思うのです。