一休その後
- By jin
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- On 6 3月 | '2018
とりあえずNHK出版「オトナの一休さん」でさらっとアウトラインをつかんだ後、水上勉「一休」を時間をかけて読了。古い文語体の一休資料がかなり抜粋されていてなかなかに読み辛かったが、とりあえず水上氏は一休さんが大好きだけれど出来るだけその思慕の感情に流されず可能なかぎり偏らないな考察をしようとしたことはわかった。
ほとんど知らなかった中世の暗黒時代を生きた一休宗純の人となりの多少は垣間みれたけれど自分の中ではなんとも未消化なままなので安易な言葉は避けたいが、ただこんな人が部下や弟子だったらちょっとめんどくさいかなー…友だちだったらギリOKかな、師匠だったらあきれながらも面白そうだからついていくかな…てな感想が今のところ、、、と書いてみて、こういう破天荒だが逸材を活かすウツワが我が身にはまだまだ足りぬような気がしてきた。社会的共同体のような組織には長くとどまれず、多分尊敬される上司にもなれんな。
ま、それはそれとして写真中未読の日本詩人選27「一休」富士正晴。これは絶対面白い! ただし読み解ければ。
一節を引こう。
(漢詩:一休宗純/富士正晴氏による読み下し文+その解釈)
懐古
愛念愛思苦胸次 愛念愛思胸次を苦しむ
詩文忘却無一字 詩文忘却一字無し
唯有悟道無道心 唯悟道有って道心無し
今日猶愁沈生死 今日猶愁う生死に沈まんことを
エロスは胸を苦しめる
詩文は忘却 すっからかん
ロゴスあれどもパトスなし
まだまだ気になる生き死にが
+
一休はかなりの詩人でもあるのです。そして実は私、漢詩大好き。自分で作ってみたい!
漢詩の読み方の本は売ってるけど作り方の本はなかなか売ってないのだ〜。