Jin Nakamura log

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collaboration

多治見の製陶会社よりデザインを渡しておいた上絵用の転写シールが届く。本焼きされた蕎麦猪口に貼って上絵付け焼成(800℃程度)すると発色して定着する。基本的にはその作業まですべて現地の窯元でやってもらうのだが、一部別な作品に自力で転用しようというもくろみあり分けてもらった。同時に今までシルクスクリーンにて自分で呉須下絵用のシールを制作していた「印判」を今回は本来の銅版転写で、これも瀬戸の職人さんの協力を得て制作中。さらに九谷の伝統技法「いっちん盛り」で招き猫(以前背中だけ紹介した)をデザインとサイズを追加して5体制作に入る。…言葉にすればそれだけのことだが、デザインする人、制作する人…結局人対人、それぞれのプライドとリスペクトが交錯し手探りで仕事がすすむ。作家同士のコラボレーションも刺激的だが、こうした絡みも良い。なおこれらは全て5月末から6月頭の2つの展覧会で閲覧可能。

誰?

アートで結ぶ絆展」開催中の三越担当者さんより連絡。「あのキャラはナニ?  だれ?」というカスタマーからの問い合わせありとのこと。そりゃそうだよね、なんかちょっと怖いし怪しいし…。せっかくなので当blog上でもご説明しましょう。彼(ら)は「12神将BOYs」です。上からアンテラくん(安底羅大将大将)、中右がハイラくん(波夷羅大将)、下左がクビラくん(宮毘羅大将)。納品したマグに印判してしまったのは「クビラくん」です。十二神将は薬師如来の護法善神で、文字通り12人で、それぞれに7千…、総計8万4千の眷属夜叉を率いると言われています。彼らを敵にまわす勇気のある仏敵など存在しないと思われます。奈良の新薬師寺の十二神将は有名で特に怒髪天をつく風貌の伐折羅大将は切手にもなってます。その十二神将がボーイズでちょっと近未来的アーマーを身にまとっていたらという設定で、つい作り始めてしまたのが「12神将BOYs」(*ちなみにまだ3人しかできてなく完結が待たれるところ)。Tシャツにプリントしてたりしたんですが、調子に乗ってうつわにも印判してしまったというわけですね。さっそく以上の内容をPDFデータにまとめて担当者さんにメール。こんなうつわが送られて来てまったく現場もびっくりなことでしょう。でもおかげさまでいくつか動いてるとのこと、有り難いかぎりです。広いココロで楽しんでいただけたら幸いでございます。以後ナカムラの芸風について不明点(つっこみ?)ありましたら遠慮なく連絡ください。お答えできる範囲内でよろこんでお答えいたします。

DRAWING EXHIBITION

今年のnaf.(長野アートファイル)のフライヤー。原画はたかはしびわ氏による。JAF Mateパッケージペーパーの裏面(広告の裏白面みたいなイメージだと思って)を何十枚も中綴じして彼が制作したドローイングノートより抜粋スキャンして僕がリメイクしています。納期のプレッシャーを受けながら一晩で制作したわりには、なかなかイイ感じ…?  ま、元素材にチカラがあるからね。さて今回は“純白ロール”というペラペラ薄々なチープな用紙に刷ってみようと思ってます。仕上がりが楽しみ。

密会

photo:Ooigawa Rail

菅平高原から須坂・小布施方面に下ってくる国道406号線。道幅もそれほど広くなく、あまり国道らしくない古い街道。名所「臥竜山」を左にすぎるあたりから蔵の町の風情がどことなく…。本町通り「上中町」信号ほぼ角あたり、やはり古い商家をリノベーションしたショップ「ヤンネ」にてnana*t代表・中沢定幸氏+写真家・オオイガワレール氏と密会。実は両氏、昨今デザインコンペ「ライフデザイン信州」グランプリを受賞している。先日くだんの「ヤンネ」にて受賞記念パーティーが催されたのだが所用にて参上能わず、日をあらためて今回の密会と相成った。初対面の中沢氏、なかなかチャーミングにして才人。かなりのアート的戦闘値を持っていながら、ついついオヤジギャグ表現に走ってしまうあたりが憎めないところか。個人的にはもちろんZUGAYAプロデュースの松代清水寺縁起物シリーズ(ブツ画)にハマる。

2011,1/8〜 ガレリア表参道で開催の「LIFE DESIGIN展」にて中沢氏とのコラボが実現する。詳細は後日、乞うご期待!

*明日から「アバンギャルド・クロッキー」オープニング(神楽坂・ミラボオ)+「LABEL ×ART」(丸の内・丸善)の打ち合せのためしばし上京。

ムダなモノ

昨日オープニングパーティーを紹介したNAGANO ART FILEには様々なジャンルの作家が登場している。ボンクラメンバーの建築家広瀬氏もその一人。ご自身の描きためたアイディアブックをそのまま古い天井板にプレゼンしたものであったが、同じくボンクラメンバーでScene Designの宮本氏の解説によると、件のラフスケッチは”アンビルド建築”なのだとのこと。 アンプラグド…じゃなく”unbuild”。「建てられない」あるいは「最初から建てることを前提としてない」建築デザインというほどの意味らしく、建築家は往々にしてそうした物件に向き合いたくなるらしい。将来完成を見ないという意味では、まったくムダな作業なわけだが、こうした”無駄”もしくは”ムダな努力”ほど人間を成長させ、また豊かにしてくれるものはないと心得ている。「何かのタメになる」という言葉に惑わされてはいけません。役に立ちそうもないことにどれだけ真剣(ココがポイント)に取り組めるかが重要です。

旧暦で暮らそう

10517.jpg自分にとうてい出来そうもない能力をもっている人に出会うとホント素直に羨ましくも思い、また尊敬をしてしまいます。音楽とか物語りを生み出すとかお芝居が上手とかいろいろあるけど、料理の上手な人は間違いなくひとを幸せにしますね。そして一つ一つの料理が生まれてくる瞬間に作り手の引き出しの多さと”試み”を楽しむ力を感じます。たゆまぬ努力とセンスってことで、どのジャンルでもいっしょなんですけどね。本日のメニュー:らっきょとみょうがたけのおかか和え・干しほたるいかとにしんの煮物・きゃらぶき・山椒の葉、青い実などの木の芽田楽味噌・タケノコご飯(スミマセン、タイトル一部正確ではないかも…)「信州の二十四節気…旧暦で暮らそう」(お料理:横山タカコさん/企画・提供:宮坂醸造)より。ごちそうさまでした!