Jin Nakamura log

“やねせん”report

数年前に初めて個展で訪れた谷中の事があまりにも面白すぎて誰かに伝えたくなり、近しい人たちに思わずメール配信してしまったのが、思えば自分のブログの始まりかもしれない。そうだ、あれは長野オリンピック直前だったのだと記憶する。まだ新幹線が通る以前、信越線の特急「あさま」がそろそろ上野に近づく頃、車窓右手高台にいつものように見えてくる延々と続く墓地の風景。10代後半の頃、大学受験のために初めて上京して以来、何かしらの大都会のイメージを抱きながらその華やぎと喧噪の渦中に滑り込もうとする直前に、必ず目にするその風景は、いつだって高揚感に何かしら水を差すちょっとネガティブな印象として僕の中に刻まれ続けた。
だが、しかし! その高台にひとたび踏み入れて以来、なんと墓場の楽しきことか。日暮里駅南口の高架脇の石段を上り始めればお線香の香りとともにそこは“やねせん”ワンダーランドの入口となる。4月ともなれば「谷中霊園」中央コンコースではところ狭しと花見の酒宴が開かれるというから驚きだ。ゲゲゲソングでも鼻歌まじり歌いながら、個展根津デビューを記念して明日から数日“やねせん”特集といきますか。

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