高級銘石
- By jin
- In art
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- On 5 6月 | '2013
たかが百年残る…あるいは残す覚悟でモノつくってるかな…。15,000¥也の硯を買うことになってそんなことふと考えたりする。
墨で絵を描くことになり市販の墨汁では気が引けたので、せめて硯で墨をすろうかとムスコくんが中学校で使用した書道セットを捜して開けてみると、なんと硯はプラスチック製。それでは墨汁以上に内発的衝動が湧いて来ぬ!と、商店街の老舗の文具屋に立ち寄りつかませれた逸品がコレ。ホントはホームセンターの文具売り場あたりで調達しようと思ってたので予算が10倍ほどになってしまった。店の奥の倉庫から引き出されたブツの箱には「甲州銘石高級雨畑御硯」とうやうやしく記されている。店主の説明によれば山梨県の雨畑という地籍は昔から中国のなんタラいう(名前わすれちった)硯の銘石に匹敵する良石の産地であったが現在は石が獲り尽くされ勢いは下火になっているという。なのでもう何年も前に仕入れてそのままになってたコレは貴重品でとってもお買い得でっせ…みたいな説明。確かに箱の印刷は色あせ、硯本体に張られた「高級品」のシールも昭和な風情。まあ、こうやって営業トークの口車にのせられていくのかなぁ…とも思いつつもブツから発せられるホンモノオーラに魅せられ「買い!」の判断を下す。よくよく店内をみれば今でこそファンシーグッズなど取り揃えたありきたりの文具商に成り下がっているが、もともとは気骨のある書画材料店が前身であるらしく店内の一画をそうした硬派なラインナップが未だホコリ臭くもその縄張りをかろうじて維持している構図。絶対ジョシコーセーなどは近寄りもしないだろうし、もはや意味不明!みたいな…。ま、それはさておき、ひとしきり店主から聞く墨、硯、画仙紙などのうんちくは意味不明!な部分もありつつもジョシコーセーではないオッチャンにはなかなか興味深い部分もあり改めて道具とが素材とかについて今さらながらに考えてみたりするわけなのだ。
絵の具遊びもいいけどね、緊張感をもって臨むべし。仕事なんだからさ。