新宿Bohemian
- By jin
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- On 30 9月 | '2010
車に同乗していた平成生まれのムスコ、父のiPotから流れる1980年代にヒットした葛城ユキの「ボヘミアン」に疑問符。意味を問われて「…ヒッピーみたいなものかな…」というテキトーな回答にさらに「???」。
実は自分もこの世代ではなく、当然こうした社会的ムーブメントに加担した実績もない。当時少年だった僕はお兄さんおネエさん方の特異な行動やスタイルをメディアで見て表面上うっすら記憶しているに過ぎないのだ。故にこうしてあらためて問われてみると的確に答えられる自信がない。
「ボヘミアン」≒「ヒッピー」という説は少々強引だろうが脱社会性のニュアンスはあながち遠くはないような気がする。とは言いつつも不正確な知識が気になり、ならば60年代に石を投げたような、その世代に直接聞いた方が早かろうと過日酒席で埒外?な諸先輩に話をふってみれば「ベトナム戦争」「三島由紀夫」から「カルチェラタン」「新宿騒乱」等々激動の時代の言葉が酒の勢いにまかせ流暢に飛び出す。都度馴染みのない単語やビミョーなニュアンスがつかめない言語については勢いづくオジサマたち(見た目は自分もいっしょだが)の会話を中断させつつ興味津々にていちいちチェック。時代を知る貴重な語り部より、失われつつあるフォークロアの蒐集をしている柳田國男の気分であった。
その後著名な民俗学者に負けじと30年以上時代を経た、かの地「新宿」のレクチャーというフィールドワークもきちんとこなして酔っぱらいは帰路につく。
*ちなみに「ヒッピー」とは「ベトナム戦争」を背景に愛と平和を提唱し脱社会的行動をとるアメリカの若者の間で生まれたムーブメント。Wikipediaによると日本ではフーテンと呼称された時期もあるらしい(イメージ的に寅さんとはだぶらないが…)。
*西口に通じる地下通路入口は最近まであった路地が過去の記憶を塗り込めるように封鎖され、ファッションブランドのロゴマークが「バリケード」に描かれていた。2002年に東京都知事により創設された大道芸人公認制度「ヘブンアーティスト」…大道芸に対してあまり寛容でない日本の事情には合いそうだが、お上の目をくぐってでも…とういアングラ的スピリッツも今は昔か…。