平成絵空事百珍「花回向」
- By jin
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- On 7 4月 | '2009
作品解説・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「花回向」
古来より7777枚あるといわれている参道の石畳を踏みしめて、たどり着いた本堂前で出迎えてくれるのは、大香炉の上で少々恐ろしげな顔で睨みをきかす狛犬。ご利益があるとはいえ終日お香の煙に燻されてはこの表情も致し方無し。数え年で7年に一度、とりおこなわれる「善光寺前立本尊御開帳」の期間中、松代町から奉納される「回向柱」が、この大香炉の直前に立てられます。回向柱には前立御本尊の右の御手に結ばれた金糸が善の綱となって結ばれ、柱に触れる人々に仏の慈悲を伝えてくれます。
この有り難い結縁のシステム、実は7年待たずとも「戒壇巡り」として常時用意されています。本堂内々陣の奥より、瑠璃壇床下へと続く回廊。ひとたびそこに足を踏み入れれば、現世ではおよそ体験でき得ないような”真の闇”と向き合うこととなります。回廊中程に懸かる御本尊様とつながれた極楽の錠前に触れることで、秘仏「善光寺如来」と結縁を果たします。コの字型に一周してくるだけの道程ですが、永久の冥界を巡るが如きの疑似体験。回廊に射し込む出口の光を見つければ現世に戻ったほどの喜び。
御開帳は春遅い信州の花の季節と重なります。本堂東に広がる城山公園は桜の名所。”闇と華”を目と鼻の先で体感できるのも、ここ善光寺の魅力かもしれません。
seasheep
2009年4月8日 at 7:01 AM |
善光寺行きたくなります。
というか7年前のご開帳の時、行こうかと思ったりしたのでした。
宿坊なるものに泊まってみたいな〜とか。