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夏庭

30代の頃かな、妙に庭つくりにハマってた時期がある。今にして思えば、なんでそんなことにそれほど執着していのか不思議なくらいだが、たぶんなにかに満ち足りていたんだろうな…そんな気がする。現在我が家の庭にあるほとんどの草木は僕が植えたものだ。ヤツラはすでに充分すぎるほどの先住権を主張して、100年も前からそこにあるような顔をして落ち着いているものだ…ていうかすでに手がつけられないほどに鬱蒼とさえしている、特に夏は。

今でも庭を愛でたりするのは嫌いではないが、あの時ほどの執着心はない。ただただ繁にまかせたものをボーっと見るとはなしに見て、感じるとなしに感じて…そんなところか。「あ、いたのね、、、キミたち、」てな。

かってに植えといて飽きたら面倒もみず、まことに恐縮この上ないのだが、親はなくても子は育つっていうし、そもそも親でもないし、ま、いっか。

最近外の仕事場に行くたびにドウダンツツジの葉陰からモズ(ヒヨドリかな)らしき大型の鳥が何度も飛び立つを目撃していたのだが、よくよく見ると営巣してた。ネコなどがいたらかるくやられてしまいそうだが、今のところタマゴも無事な様子。

無責任なオヤ(?)には顧みられない我が庭のようなモノもこうして周囲のイキモノには多少なりと何かしらの貢献はしているようだ。

写真は2011年に撮影したそんな夏庭のピックアップ。あらためて目を向けてみると悪くない風景があるようだ。が、やはりもともと作り込んだり管理したりすんのが苦手な性分だし、最近は特に成行きでいいんじゃね…て感じ(努力はすんですよ、その中で一応)強くなってるから、今しばらくお庭の野生化は進行するものと思われますね。

ふと思うに自分も今この庭みたいに長い夏の時期を、いずれ代わる季節に結実するなんてまだまだ先のビジョンももてぬまま。節操もなくただただ成長し続けてるんじゃないかと。植物に例えればときどき思いついたようにちょっとした花を咲かせてみたりするかもだけど、それはいってみれば虫や蝶をよび込むための極めて生物的・生殖的な自己アピールな感じに近く、 少々あざといっていうかさ。

花のつぼみとかはかぎりなくエロティックだけど秋の紅葉はまったくエッチな感じしないもんね。ただ意味もなくたまたま美しい…なんてのがホントはいいのかもな。

そしてその先に冬。人の一生に例えると90才以上に相当し、感謝の時期を過ごし次の再生の準備ということらしい。う〜ん、遥か先だー…ってそもそもそこまでたどりつけんのかいな。

そんな先の心境の成熟などは見当もつかぬが、とにかく夏、始まったばかり。

お盛んなことで…。