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Takeno photo from Osaka

映像作家の藤原次郎氏より今年10月に行われた三原谷の風まつり展示風景の画像が届いた(そういえばなんか撮っていてくれてたっけ…)。あらためて自分以外の人間のフィルター(感性)を通してみると自分で生み出した世界なのに、またちがったものに見えて新鮮。わずかに写り込んだ窓越しの竹野の風景も、たった2ヶ月ほど前のことなのに妙に懐かしく感じてしまう。ちょうど今日から写真に写ってるbodhisattvaの着彩を始めようと準備をしていたところだったので不思議なタイミングを感じる。

西国紀行_3

つづきまして今回初参加の建築家・縣教室と映像作家・藤原教室の画像です。縣氏は境内アートでもおなじみ、「茶室プロジェクト」にてジュニアとともに参加。今回もエセ茶人ぶりを存分に発揮し、まったりとした空気を竹野に運んでくれました。一方藤原次郎氏はその田園風景が広がる豊岡市竹野町と、フィンランドの伝統的な生活文化が息づくハメーンリンナ・ハウホ地区を撮影した共同制作映像詩『いつもの風景 Takeno-Hauho(タケノ-ハウホ)』がドイツの映画祭『ワールドメディアフェスティバル』で金賞を受賞している…というような実はスゴイ人なんだけれど、とっても気さくなオッチャンで昨年以来仲良くさせてもらってます。西国で生き抜くコツ(オバチャンたちのオモチャになる!)も伝授していただきました。ナルホド〜。

昨年から続いて参加しているもう一人、神林教室です。今回のテーマは“おさかなランド”…ではなく「水柱」だそうです。お題はともかく相変わらず彼の掌(タナゴコロ)から生まれるブツは今年も老若男女問わず大人気。「これでいいのだ!」ってピュアな気持ちが伝わってきますね。

“ランナーズハイ”ならぬ“トラベラーズハイ”のまま日常への順応作業をすすめている。さてそんな中、今日からすこしづつ旅の報告をしていきますね。まずは今年の展示風景から。昨年の「旅するハコ」から一転して「田んぼアート」を借景に二人の菩薩に対峙してもらって静かな空間になってます…かね…。

「…日々旅にして旅を栖とす」と記した芭蕉翁ほどではないものの、自分が図らずも生み出してしまったナニガシカのブツを携えてノコノコとあちらこちらに出かけていっては、そこで思いがけずたくさんの人と縁を結ぶこととなり、時にこころ躍り、時にココロ焦がし、また癒し癒され…そんなことを繰り返している。紀行冒頭「月日は百代の過客にして…」は、ことさらどこか遠方に赴くということでなくとも、日々暮らす人生そのものが旅であると説くものと理解しているが、やはり“そこ”に行ってみなければわからないものは確かにある。一見同じような山河でもやはりどこか異なる気配を漂わせ、当然住まう人々はその風景の中に馴染み、旅人として郷に入った当初は自分自身もなにかしらよそよそしいものであるが、3日も現地の空気をすって、そこに染みだす山の水(酒も…)を飲み、土地のものを食い、伝わる言葉を聞き続ければ我が身の何割りかはすでに“そこ”のものに入れかわっているような気さえしてくる不思議。

そんなわけで今年も行ってまいりました、西国巡りの旅。順次報告していきましょうね。*写真は兵庫県豊岡市竹野町桑野本の里山と田園風景+そこに広がる田んぼアートです。