晩春の句
- By jin
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- On 25 5月 | '2012
ふと思いましたが、あまり解説したくない句ってのもありますねぇ…読んでくれる人は欲求不満でしょうけど。
我が家のある山麓はかなりさむいところのはずなんだが、それにも増して今日の長野市も湿った空気がまとわりつくような冷え方…ということで、珍しく三賀日に国宝善光寺へ初詣など。そこで以下おすすめプチ情報/ここの参道仁王門の阿吽二体はかなりイケてる仏像として一目おいてるのです。幕末から明治期に活躍した高村光雲とその弟子・米原雲海の作だが、鎌倉期の至宝・東大寺南大門金剛力士像〜運慶・快慶…という比較連想についつなげてしまうのも決して大げさではない完成度。ふつう地域のお寺で睨みをきかす仁王さまはどこかキッチュというかオモシロ系なブツが多いのだが(それはそれで好きだけど)この二体は完璧な正統派です。特にお足もとがステキ…参拝記念に激写!
それはそうとあけましておめでとうございます。今年もボチボチ更新してきますね!
新年の一句。「詣で道キャラとなりしか不動尊」ご利益があるっていうんですけどね…シールだしなァ…。
初冬の句会。ナカムラの投句は以下三句です。
「さむ風に てぶくろの中 にぎるゆび」
「漆葉の 朽ちて深紅は 過去世こと」
「冬蠅の 傍若無人に 振る舞える」
いきなり解説を添えるのは野暮というもの。ネタばらしは後日1週間後くらいに。覚えていたら…
女性5名+男性2名のネット句会なのです。住まうところも遠く離れ、なので季節の感じ方もさまざま。詠み人の暮らす風景など想像をしながらメールで送られてくる17文字を読み解くのは楽しくもあり、ちょっとだけスリルもありますね。「想像する」というと聞こえはいいですが時として「妄想する」とも言えなくもない。もしかして本人にはまったくそんな気はなく詠んだ句にも妙な艶っぽさを感じてみたりして。半分くらいの人はお顔も知らないのに当句会の主宰のご縁でつながってるわけで、そんな方々にたった17文字とはいえココロの内を吐露する言霊を送るわけですからちょっと不思議な気分です。「俳句」という言語でつながる日本的でマニアアックで最小単位のSNSってところでしょうか。
本来ならば1つのプロジェクトなどのめどが立てば一段落して、なんとなくフヌケた日常が戻って来たりするのだろうが今年に入ってなかなかそういったメリハリがみあたらない日々が続く。非日常と日常の区別がつかずなんか夢うつつの中をフワフワ漂ってるようで危険きわまりない。“旅を住処とす”というほどの放浪者でもないが、アートなんかをネタに右往左往してることには変わりはないようだ。そんな普通の日々を取り戻すためになるかどうか…何げない日々を言葉に切り取ってみる俳句なんかはやはりよいかもと思うのです。そんなわけで晩秋の句会、僕の投句は以下3句。今回はネタばらしも含めて。
「毬栗をけとばしてゆけ散歩みち」
今年は我が家の裏の山栗もナリがよく、肩を痛めた母がリハビリがてらがんばって拾ってきては皮を剥き、現在かなりの量の渋皮煮などが冷蔵庫に保存されています。揚句は散歩道で僕のした行為そのものです。ヤツらは素手で拾ったりするとホントに痛い。でも靴を履いていたらおもいっきり蹴飛ばしてもへっちゃらです。けっこう気持ちいいです。皆さん今度やってみてください(すでにやってる方もいらっしゃるようですが)。サッカー好きならみんなやるんじゃないかな…世界中で愛されているサッカーはたぶんそんなところから始まったんだと思います。ま、毬栗はけとばさないにしても石ころとかココナッツとか…地域によっていろいろね。
「冬隣り達観しているキミはねこ」
写真や絵画のモチーフなどでも猫だしてきちゃズルイでしょってのありますよね。わかってはいるんですがつい…。彼らはぜったい自分などよりオトナだと思います。でも猫になりたいとは思いません。もうしばらくは達観できないガキっぽい人間でがんばってみるつもりです。だけどそばにはいてほしいかな…。
「プリズムの赤を集めてアキアカネ」
夕焼けがなぜ赤やオレンジなのかという問いに対して、光の波長の説明にプリズムが使われてたような気がします。太陽が南中にある時より東西に傾いている時の方が若干自分からの距離が遠くなる(図で示すとわかりやすいんですが)ので波長の長い赤系の色のみが届くということです。アカネ色に染まる秋の夕空は美しいものです。でも空気がよごれていた方が実際にはより赤が映え、都会の夕焼けの方がきれいということになります。ということで元々は秋の夕焼けから連想した句でしたが、たしか他にも赤いモノあったよな…と、この時期我が家の周りで大量にブンブンしているアキアカネにその色をだぶらせて登場いただきました。でも実際にプリズム越しに赤とんぼをながめてみるのもいいかも。
ながらく続けてきました西の旅紀行の締めは京都タワー展望台から大阪・兵庫方面を望むの圖で。ツレのオネエさまのたっての希望(泊まったホテルでタダ券をもらったので、というのが真相)でのぼりました。茜色に暮れようとする西空につい昨日の友人たちとのあわただしいサヨナラを重ね合わせてチト感傷的…いわゆる祭りの後症候群(?)というところでしょうか。とはいいつつもやはり旅はよいものオツなもの。そのうち芭蕉翁にならって吟行などやってみたいものです。そういえば最近誘われて始めたまったくお金のかからないオトナの遊び「句会」仲秋の巻の僕の投句などをついでに…。
「秋風に 消えようとする 飛行雲」
「十六夜の 琥珀に進化 とどめけり」
「吾も亦 紅なり君の ほほ染めて」
そんな感じカナ。
たしか「冬隣り」は俳句の秋の季語だったような…。猫まみれの瀬戸から中央道を飛ばして4時間弱。なんとか25日中に帰ってくると部屋には石油ストーブに灯がともりトイレには旬の吾亦紅が一輪といった山麓900Mの風情。確実に秋は深まってます。そこで一句
吾も亦 紅なり君の ほほ染めて…
実はこの度、句会に参加することになったのです。初回は当季雑詠「秋」の季語使用というルール。なんかろまんちっくな句を詠んでみたくなったのさ…。
瀬戸の報告は後日。
*そう言えば最近よくひとからTwitterとかフェイスブックをやらないのですか?となかば強要に近いかたちで誘われることが多々あるけれど、どうせ文字数に限りがあるのなら制限17文字のHAIKU Twitter(HAIKU bookでもいいよ)なんかがあったらやってみてもいいかな…。