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古道

夏のはじめに熊野に行ってきた。

2012年以来この3年間で伊勢神宮、出雲大社、そして今回の熊野三山と日本を代表する三大聖地を巡ったことになる。

日本の信仰宗教を一括りにしてよく「神仏」などと言ったりするがそれらは全く別モノ。偶像崇拝上の整理解釈として本地垂迹説などが唱えられ、ついつい同じフィールド上に乗ったりするからなんとなく親戚筋みたいな感覚があるが、そもそも神道に偶像はそぐわない(仏教ももともとは偶像崇拝禁止であったが)。僕は仏教はとことん人がつくったモノと思っているが神道世界はナニかヒトならぬものの気配の方を強く感じる。もちろんそれを伝えてきたのは人であるが、やはり根底にあるのはその土地の力かな、自然といってもいいでしょう。

掲載した一番上の写真は現在の熊野川沿いに建つ熊野本宮大社の旧社地。明治時代の大洪水で多くの社殿が流されたため現在本宮は500mほど離れた場所に遷座されているのだが、やはり雰囲気やたたずまいは大斎原(おおゆのはら)と呼ばれるもともとのその場所よいかと。なにかしらの場のチカラがあるのかも。これから行かれる方は是非こちらの旧社地へもご参拝を。

さて熊野と言えば古道を歩かねば…ということで、早朝一旦本宮大社前に車を止めバスに乗ること20分(乗客9割ガイジンだった…さすがユネスコ世界遺産)。終点「発心門王子」よりあらためて熊野本宮大社を目指す。紀伊半島に張り巡らされた参詣古道のほんのさわり程度の行程。★一つ、超入門コース。都からの行程のおそらく99%をショートカットして最後のゴールの高揚感だけをズル〜く体感しようとする通称「お姫様コース」7km弱、ゆっくり歩いて3時間に挑んでまいりました。でもわるくないよこのコース、昔のお姫様は侮れませんなー。

三本足の烏に導かれて紀伊半島熊野山系、山なみの風景が信州とは明らかにちがう。たぶん植生が大きく異なるのだろうな。遥か都の方角へは三千峰が延々と続き、ふと振り返るとかつて人々が補陀落渡海(あるいはニライカナイ)を目指した熊野灘が垣間見れる不思議なところ。次回はもう少し歩いてみようかな。

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