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Myths of Northern Europe

やっと宿題がおわった…と思う…。一口に本の挿画といっても本文15話分+見返し+本扉+目次+各章タイトルキャッチ…それに表紙画…となると結局20枚ほどの絵を描くことになる。編集部・本文訳者さんらとなんどもラフ原稿をつめ、内容を理解しながらの作業を繰り返し本画制作という段取りだから、そりゃ2ヶ月くらいはかかるわなー。ま、自分としては早いほうかも。締め切りあるって筆がすすむよね、やっぱ。

でも面白かった北欧神話。いままで私的にはなじみのない世界だと思っていたが、案外身の回りにはチラホラ気配がただよっていたようでもある。「指輪物語」とか最近ブレイク中の「進撃の巨人」(知人に勧められてチラ読みしたけど?だった)とか北欧神話を元ネタにしてる小説・映画・アニメ・ゲームなど多々あるのね。

ユミルという巨人から世界をつくっちゃうあたり、天の浮き橋からオノゴロ島をポったんする我が国の成り立ちよりもスケール感は壮大だが、ちょっとエッチなニュアンスもありなところなんかは洋の東西共通かな…という北欧神話、ざっと説明しますと、主神はオーディンという神様。日本で言えば天照大御神みたいなひとですね。このオーディンがいずれ訪れる巨人の一族との最終戦争「ラグナロク」を予感し、お話はその「ほろびの日に」向かってすすんでいきます…ってざっとすぎ? ま、とにかく北ヨーロッパのきびしい自然にはぐくまれた力強い物語なわけですよ!

てなわけで改めて一応コマシャールしときますと児童書「はじめての北欧神話」菱木晃子・文 ナカムラジン・絵 徳間書店/3月刊行です。

オーディン…オージン(児童書なので本文ではこのように表記されてる)…おーじん…おう仁…応仁…これ雅号とかにしちゃまずいかな…

表紙カバー色校正届いたのでアップ。あ、ちなみにオーディンの愛馬スレイプニルは8本足、うまく走れんのかなー。

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Mythology

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近所の奥様に「毎日マイナスで寒いですね〜」と挨拶された。

うすうす寒いなーとは思っていのたが、そういことだったのかと納得。それって絶対最低気温のことじゃないよね。事実本日の最高気温は−2℃…。冬至も過ぎ、これからは日増しに日が長くなるとはいえ地表に浸みた冷気は時間差でやってくる。備えてさえいれば冬はそれなりに楽しい季節ではあるのだがな。

さてblogもFBも年をまたいで放っときっぱなしだったのでそろそろ文字活動を再開しようか。

昨年11月のアタマに一本のTELあり。

「神話に興味ありますか?」

宗教の勧誘ではない、出版社から。そう尋ねられて僕は「ムムム…!」。興味があるなんてもんじゃない、ちょっとしたマイブームですらある。

仏教LOVEな僕はその愛(たぶん)故に昨今の日本の仏教(主に自分の身近ですが)に対してうんざりするような閉塞感を感じていたところ、折も折昨年は伊勢は20年ぶり、出雲にいたっては60年ぶりの遷宮が重なるとうい奇遇な年であり、春と夏にそれぞれにお参りすることもでき、いわゆる仏壇(みうらじゅん風に言うと…文壇と画壇とか言うでしょ)からのりかえて、今まで明白なビジュアルイメージが不足しているということだけであまり興味をもってこなかった神道世界に一気に浮気モードな年だったわけですよ。

まずは「よくわかる古事記」を精読(主に前半)。というのも前半はまさに神代のお話で後半になると天孫降臨してからの人の世のお話になってしまうので、ついついファンタジー優先となりますなー。で、けっこう神様の名前おぼえました。でも真名っていうのかな正式名称はムツカシイ…例えば「天照国照彦天火明櫛玉饒速日尊」(あまてる くにてる ひこ あめのほあかり くしたま にぎはやひ の みこと)とかさ。また大黒様でおなじみの大国主命にいたっては呼び名がかるく10を超えたりするし。ま、とにかくそんな感じで事前学習もしつつ、日本を代表する神宮と大社にまずご挨拶にゆき、常陸、信濃などの一宮にも足を運び、機会があれば地域の産土神にも顔を出すというフィールドワークもこなしと、自分でもおどろくような熱の入れよう。

しか〜し! 話しを戻そう。電話口の編集担当者さん曰く「北欧の神話なんですが…描けますか?」僕「ホクオウ?…記紀神話じゃないの…」。編集「古事記はすでにスズキコージさんで出版されてます。」僕「そいつはプレッシャーですが北欧でも東欧でもなんでも描きまっせ!」ということで世界の神話シリーズ第二作目の表紙画と本文15話の挿画を数枚の試作トライアルを経て担当することになった。

そんなわけで師走から年明け寒波の今日にいたるまで来る日もくる日も僕はずーっと神様の絵を描いている。