Jin Nakamura log

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あ”〜知らなかったー、見たかった〜!

エヴァンゲリオンと日本刀展(上野の森美術館)。が…とは言うもののエヴァも日本刀も双方それほどハマってるわけではない。けどなんだろ、このマッチングが妙にそそられる。日本刀の所有欲をもったことは一度もないが、この仕立てのデザインであれば一振り仕事場に飾っておきたいかも。漆塗りの朱とか青鞘なんかいいなー。5色くらい選べたらなんかiPone5cみたいで。東京展は終了してしまい、次回はヨーロッパ巡回展(パリ・マドリード)だと。ウ〜m、ちと遠いな。が、欧州壮行展ということで岡山の林原美術館で急遽開催決定らしい…けどこの辺りこの前行ってきたばかりだし…どしよ。

関連サイトには写真がupされてはいるがやはり現ブツを見てみたい。デザイン自体はアニメーションベースで、写真だけだと一見トイざらス辺りで売ってるおこちゃま向けクリプレっぽく見えなくもないが、あれを日本の卓越した工芸力で仕立てたらそりゃよいわな。ま、日本刀はさておき本来日本の武具…例えば甲冑などは、ホント機能よりもデザイン先行型でしょ。直江兼続の「愛兜」(戦場で愛をアピール)にはじまり黒田長政所用の「銀箔押し一の谷兜」(空気抵抗受けすぎ!)、誰が冠ったかしらんがハマグリ合わせだのウサギ耳だの、あんたら戦う気あんのかい!ってツッコミたいほどのアピール感は、もはや戦場での勝敗基準は親方様の伐折羅度如何な勢いですよ。そりゃスピルバーグもダースベーダーデザインしちゃうわけですよ。命かけて遊んどるもんねー。

131224

無音

冬。部屋の中にいて外の音が消えていると、あ…雪が降っているのだな…とわかります。雪は視覚的にも目前の一切の煩雑をチャラにするよう(実際にはそんなことにはならないのだが)に白く美しく覆い隠してしまうのだけれど、同じ効果は音にもあって、不思議と雑音が途絶えるのです。でもなんとはなしに“雪の音”…積もる音なのか、雪同士が空中で擦れ合う音なのか…だけは聞こえる。それは全く音のない状態よりもはるかに静寂を感じるのです。何れにしても外界のナニカから隔絶された状態になって、僕はこの感じがとっても好きです。

情報はただただ空から白いものが静かに折り重なるようにやってくる…ということだけ。

そして朝目覚めると少し世界が変わっているのです。

131221

snowy day

今年もこの風景がやってきたなー。浅間も中腹までにはもう何度も降りてきてたんだけど里に初めて。

131220

Ido Tea Bowls

たかが○○…、されど○○って感じ好きだよね、この国の人。底に茶溜りがあって、周囲にロクロ目があってお尻に高台。ちょっと歪んで良い感じで貫入など確かに入ってはいますが、なんてことはない素朴なお茶碗ですよ。しかしその直径10cm程度、高さ7〜8cmほどの朝鮮渡来の碗は室町以来の戦国武将を魅了し続けた…らしい。「井戸茶碗」(根津美術館)拝見。

僕は陶芸家ではないけれどなんか一つのメディアとしての器ってのも面白かろうと不純な動機で、たまに土を捏ねて凹んだモノをこしらえては周囲にふざけた文様などコラージュ風に描き巡らして遊んでいるものだから、いわゆる「茶碗」というものに多少の興味はある。周りにも抹茶・煎茶などを嗜む方々もそれなりにいらっしゃるので、折に触れてお茶を立てていただいたりする機会もなくもないのだが、無調法故というかそもそもおぼえる気がないというか都度テキトーな感じで申し訳なく啜っている。まあマナーなんてものはもてなしてくれる相手のことを心から思いはかれる想像力があればフツーにそれが所作となって表現されるのだろうから、そういう気持ちがまだまだ足りないということなのでしょう。

加えて以前僕はそのスジではオーソリティーの茶人でギャラリーオーナーの方から展覧会のオファーをいただいた折、よせばいいのに調子にのって抹茶茶碗(のようなモノ)をいくつか同梱して作品送付したものの、結局それらは検閲にひっかかり会期中ストックヤードから出ることはなく件の茶人からは「ナカムラくんは茶碗なんか作んなくていいんだよ…」と一蹴。一応それ以外のモノが面白いんだからそれで十分…てニュアンスはあったけど、そんな恥もかいている。たしかその折に「ホンモノはこんなんだぜぇ」という雰囲気で彼がその場でささっと立てて出してくれた器も朝鮮の井戸茶碗であったような。

そんな程度なので都合70点ほどのそうそうたる銘品の数々を眺めてみたところで、たしかに良い風情であることは感じるが、こんなものがいっこくらいおウチにあってもよいかなーなどと思うくらいで、そのモノの持つ本当のところの凄みとか価値観はやはり今の僕には不明である。なのでどこをどう見てよいのか分からない僕はしばし館内のソファーに座って鑑賞者を鑑賞してみることとする。

つくづく日本人というのこうした小さきブツが好きだな。あのボリュームにナニが見えるのだろというくらい彼らはその見識というレンズを通してためつすがめつ何モノも逃すまいという勢いで観察している。茶碗ごときで本気でこんな遊びができる民族は他にあるのだろうか。宇宙が小さいということがこんなにも素敵なことなのか…というか物事はすべて相似形であるという本質を日常的に理解しているんじゃないだろうか。

なこともうっすら考えつつ僕はその昔、国一つも動かすような価値をもったとされるブツをただただボーっと眺めている。

…どこか柔らかそうな土の感触。人肌のような色合いの釉。なによりそのカタチ…。

ふと「オッパイみたいだな…」

大井戸はCカップ、小井戸はAAカップ…。あーなんかよくわかんないけど井戸茶碗っていいかも〜。

131216

long time no see…

冬になってヒキコモ宣言をしたからといって、なにもblogまでお休みすることもなかったんだが、依頼を受けている仕事を一つずつこなしていたら自分と向き合うどころではなく全く余裕のなかったこの一ヶ月。ま、多少は必要とされてんのかどうか有り難いこってス、ホント(でもまだ宿題おわってないのある〜)。そんなこんなでも毎日散歩はしたり本読んだり小丸(同居猫)をかまってみたり…と、たいした生産性のない時間も大切にはしている。…そうだ思い出した余裕欠如の一因…メインで使ってたMacG5が壊れたんだった。ギリギリのスケジュールのこのタイミングで?ってことですよ。こういうことがあるといろいろ考えちゃうな。なにかあった時に自分でなんとかならんようなモノ使ってることに問題ありなんじゃないかと。原発もそうでしょ(急に話しデカクなっちゃうけどさ)。というわけで今後は例えば“筆”一本で生きぬけるような自分をさらに鍛えたいと思います(理想)!