Jin Nakamura log

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縄文

タイムマシンがあったら確実に過去に遡ってゆきたい。未来に興味がないわけではないがなぜだろう、自分の来し方への興味からかな。ポイントはいくつかあるが近い方から「江戸期」「平安末期〜鎌倉」「白鳳〜天平期」あたり。江戸期はやはり絢爛奇想たる絵師たちの技に触れたい想いがあるが、古い方はやはり日本バージョーンBuddhismの変遷とルーツを探りたい。加えて最近さらに遡り「縄文」のkey wordが浮上する。前々から原生林の列島を見てみたいとは思っていたが、この件が実現しそうである…といってももちろん実際に行くわけではないけれど。

2014年3月「縄文」をテーマにした展覧会の企画が正式に決まった。なんかすごいワクワクする。当時の日本(まだそういう名称ではなかったが)世界的な土器レース(そんな競技もなかったが)の先端を走っており、その間約1万年以上にわたりほとんど狩猟・採集による生活が維持されるという世界的にも類を見ない平和な時代が続いた。それだけこの列島が豊かであったということだ。

写真は僕の住まう御代田町面替という地籍の縄文遺跡発掘現場の風景。清流「湯川」沿いの高台に位置し西に八ヶ岳から北アルプス、北に浅間山という配置だ。現場識者の説明によると縄文人はロケーションのよいところに集落をつくる傾向があるという。湯川は現在この地点からは渓谷のように深いところにあるが1万年前は今よりも30M以上高いところを流れており、ちょいと下りれば新鮮なイワナなどgetできたことだろう(ちなみに昨夏僕はこの川でボウズであったが)。たしかに他にも長野県内たとえば縄文のビーナスなどで知られる「尖石遺跡」は八ヶ岳西側山麓地帯の大扇状地状にある高原に位置し遠く名勝諏訪湖を臨めるといったレイアウトである。想像するだけでも美しい風景ではないか。

やはりヒトは気持ちのイイとこで暮らさなきゃなんだな…。そしたら、かの「火焔土器」やら「遮光器土偶」やら、えも言われぬ想像力を自然のなかからフツーに得られるのかもね。どんなものができるかな、今から楽しみです。やっぱ自然のチカラをちょっと借りなきゃだなー。

ちなみにこの遺跡のすぐ脇に「大星神社」というすてきな名前のお社がある。地域の産土神社であると思われるがいったいどんな神さまをおまつりしてるのだろう…。

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Red rotation

10年以上そのままにしてたMTBのタイヤを替えてみた…しかも赤いの。とにかくモノゴコロついたときから赤あるいは朱は特別好き。かといって赤いシャツに赤いパンツ…なんて恥ずかしい嗜好は持ってない。幼少の頃、最初に手にした水彩絵の具で描いたモチーフは朱に塗られていた、たしか工場の大きな機械。その次に好きな色は青。キリスト教圏の宗教画では赤を天の聖愛、青を天の真実を象徴するという説もあり国旗もこの色の組合せが多いが、仏教Love!な僕は特にそうした理由とは無関係にこれらの色が好き。

それはさておき。自慢ではないが(ちょっとは自慢だが)僕は自転車を自分で組み立てることができる。10代のころはお金がなかったので捨てられてある自転車を拾ってきて分解しパーツを組み直して塗装などをして乗っていた。なのでパンク修理なんかもフツーにできる。ムスコちゃんなどが通学用の自転車がパンクしたりするとよく直してあげていたし、ついでに都度彼らにももれなく修理方法を伝授した。「女の子がさ、パンクしてこまってるときちょいちょいっと直してあげられらたら好感度アップだぜ〜」とかいいながら。なんか時代劇で鼻緒が切れてこまってるおネェさんの下駄を、自分の手拭を裂いてさらっと直してあげちゃうあのシーンのイメージである。なので我が家の素直な小僧たちもみなパンク修理ができる…が、最近、成人したヤツらに言われた、「そんなシチュエーションねぇし」

だよね〜。

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高級銘石

たかが百年残る…あるいは残す覚悟でモノつくってるかな…。15,000¥也の硯を買うことになってそんなことふと考えたりする。

墨で絵を描くことになり市販の墨汁では気が引けたので、せめて硯で墨をすろうかとムスコくんが中学校で使用した書道セットを捜して開けてみると、なんと硯はプラスチック製。それでは墨汁以上に内発的衝動が湧いて来ぬ!と、商店街の老舗の文具屋に立ち寄りつかませれた逸品がコレ。ホントはホームセンターの文具売り場あたりで調達しようと思ってたので予算が10倍ほどになってしまった。店の奥の倉庫から引き出されたブツの箱には「甲州銘石高級雨畑御硯」とうやうやしく記されている。店主の説明によれば山梨県の雨畑という地籍は昔から中国のなんタラいう(名前わすれちった)硯の銘石に匹敵する良石の産地であったが現在は石が獲り尽くされ勢いは下火になっているという。なのでもう何年も前に仕入れてそのままになってたコレは貴重品でとってもお買い得でっせ…みたいな説明。確かに箱の印刷は色あせ、硯本体に張られた「高級品」のシールも昭和な風情。まあ、こうやって営業トークの口車にのせられていくのかなぁ…とも思いつつもブツから発せられるホンモノオーラに魅せられ「買い!」の判断を下す。よくよく店内をみれば今でこそファンシーグッズなど取り揃えたありきたりの文具商に成り下がっているが、もともとは気骨のある書画材料店が前身であるらしく店内の一画をそうした硬派なラインナップが未だホコリ臭くもその縄張りをかろうじて維持している構図。絶対ジョシコーセーなどは近寄りもしないだろうし、もはや意味不明!みたいな…。ま、それはさておき、ひとしきり店主から聞く墨、硯、画仙紙などのうんちくは意味不明!な部分もありつつもジョシコーセーではないオッチャンにはなかなか興味深い部分もあり改めて道具とが素材とかについて今さらながらに考えてみたりするわけなのだ。

絵の具遊びもいいけどね、緊張感をもって臨むべし。仕事なんだからさ。

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